なぜ? 「ETCカード」は毎回抜く必要ある? とくに「夏場」は要注!? 挿しっぱなしはNGな理由とは
夏場は車内がかなりの高温に…車内の物に注意!
高速道路では多くのドライバーがETCを利用しており、中にはETC車載器にカードを挿しっぱなしという人もいるかもしれません。
しかし、ETCカードを挿入したままの状態には大きなリスクがあるため注意が必要です。
【画像】「えっ」! これが「”使えなくなる”ETC車載器」の見分け方です!画像で見る(11枚)
7月下旬から子どもの夏休みが始まり、クルマで家族と遠方へ旅行する人もいるでしょう。
特に高速道路においてはETCの利用がとても便利であり、国土交通省のデータによると、2024年4月時点のETC利用率は全体の94.9%にも上ります。
またETCは、クルマに搭載されたETC車載器と料金所アンテナとの間で無線通信をおこなって自動的に料金を支払う仕組みであり、車載器にはETCカードを挿入しておく必要があります。
そのためETCカードを年中ずっと挿入しているというドライバーも少なくありませんが、ETCカードを挿しっぱなしにしていると大きなリスクがあります。
まずそのひとつとして、熱さによってETCカードが破損することが挙げられます。以前ETC車載器メーカーに取材した際、担当者はカードの耐熱性能について次のように話していました。
「ETCカードはプラスチックでできていることがほとんどであり、熱に弱いため、約50度を越えるとETCカードが変形してしまうおそれがあります。
変形したETCカードをETC車載器に入れっぱなしにすると、読み取り不良になってしまったり、無線が出なくなってアンテナ通信ができなくなったりします」
さらに、ETCカードに埋め込まれている「ICチップ」は熱に弱く動作保証温度が45度〜50度前後とされています。
それ以上の高温下では熱収縮によってICチップと電極の接合部が壊れ、正しく作動しなくなる可能性があります。
JAFが2023年8月に実施した真夏の車内温度に関するユーザーテストでは、最終的に車内温度が48度まで上昇したほか、ダッシュボードは57.8度まで到達するという結果が出ています。
このように夏場は車内が異常なほど高温に達するケースがあるため、ETCカードだけでなくスマートフォン・パソコンなどの精密機器や、冷却スプレーのような可燃性の高いガスを使用した商品などを車内に残さないことが重要です。
なお、ETC車載器自体は車内に設置することを想定して設計されており、ある程度の高温には耐えられるものの、熱さで故障・不調になる事例も報告されています。
とりわけ温度が上がりやすいダッシュボード上やフロントガラス部分に車載器が設置されている場合は、できるかぎり屋内駐車場を利用する・駐車中にサンシェードを設置するなど熱さ対策を講じることが大切です。
そしてETCカードを車載器に挿しっぱなしにしていると盗まれ、不正利用される危険性も高まります。
加えて、このような場合は不正利用されたとしてもカード会社から補償を受けられない可能性があります。
その理由は、「カードを挿しっぱなしにしていた=盗難の危険性を認識していながら放置していた」と判断されるケースがあるためです。
カード会社によって対応は異なりますが、その点は留意しておきましょう。
上記のようなリスクを踏まえると、ETCカードを使用のつど挿入する運用がベストですが、ETCカードの管理が面倒という声も聞かれます。
これに対しSNS上では「クルマのキーと運転免許証、ETCカードなどを一緒のポーチに入れておく」「カードの抜き忘れを防止するために車内にメモを貼っている」などの意見が寄せられました。
またETC車載器によってはETCカードの抜き忘れ・挿し忘れを警告音で知らせる製品もあるため、この警告機能をオフにせず活用することも重要です。
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ETCカードを車載器に挿入したままにしておくと、熱によるカードの破損や盗難被害に遭うおそれがあります。
SNS上ではETCカードを挿しっぱなしにしていたドライバーから「カードの期限が切れていてETCゲートを通過できなかった」との体験談も。
ETCカードを抜く際にはあわせて有効期限を確認するようにしましょう。