同じ豆でぜんぜん違う!「アプリでプロの味」が話題のコーヒーメーカー「DRIP POD YOUBI」をスゴ腕開発者と飲み比べ
「DRIP POD YOUBI(ドリップポッド ヨウビ)」は、2023年の秋にUCC上島珈琲が発売したカプセル式コーヒーマシン。マシンで直接操作して抽出するモードに加え、UCC公式アプリ「COFFEE CREATION」(無料)とBluetooth連携することで、同社が誇るコーヒーのスペシャリストが開発した「プロレシピ」で「プロの味」を再現する機能があるとのこと。
普通の味とプロの味、本当に違いが出るものなのか……? 実際にテイスティングしてみたい! とUCCに伝えたところ、同社のショールームで体験させてもらうことに。さらに、プロレシピ考案を担うスペシャリストが本機の開発秘話も語ってくれるということで、取材してきました!
プロのレシピが豆のポテンシャルを個性的に引き出す
DRIP POD YOUBI(以降YOUBI)のコーヒー豆のカプセルは、“世界中を旅するように味わえる“がコンセプト。UCCの熟練したコーヒー鑑定士が、世界中から厳選した生産地の豆を使用しています。多彩なコーヒー豆とお茶を含む15種類を展開するほか、期間限定のスペシャルティコーヒーカプセルも展開します。
「プロレシピ」はアプリの「COFFEE CREATION」から選択可能。バランスが取れて飲みやすい「Casual Black」(ホンジュラス&コロンビア)、甘みと酸味を感じる「Chocolate Browny」(マンデリン&ブラジル)、洋梨のような甘い余韻を感じる「Sweet Fruit」(ホンジュラス&コロンビア)など多彩なレシピを用意しています。同レシピは同社のコーヒー専門教育機関「UCCコーヒーアカデミー」のなかでも高い抽出技術を持ち、国内外の競技会で活躍する3人のスペシャリストが開発しています。
ドリップポッドの「プロレシピ」を開発する3人のうち、今回話を聞かせてくれたのはUCCコーヒーアカデミー東京校の講師でもある村田果穂さん。ジャパン ブリューワーズカップ 2014/2015の準優勝者であり、スペシャルティコーヒー最高峰の品評会COE(カップ・オブ・エクセレンス)で国際審査員も務めるスゴ腕です。
まるでバリスタが目の前で淹れたような味わいに!
「まずは飲み比べてみてください」と村田さんがYOUBIで淹れ分けてくれたのが、4種のコーヒー。すべて「ホンジュラス&コロンビア」を使いながらも、異なるレシピで淹れているそうです。
「ホンジュラス&コロンビア」(12個入り/税込998円)は、種類豊富なカプセルのなかでも人気が高く、ピーチを思わせる甘い余韻の長さと、まろやかなコクが特徴。「S」はその魅力をストレートに感じさせてくれる味わいです。
では、いよいよプロレシピを試飲。まずは村田さん考案レシピ「MP」(レシピ名称「Sweet Fruit」)を味わってみると、コクと酸味がより前面に出ている印象。続いて土井さん考案の「DP」(レシピ名称は「Casual Black」)を試してみると、こちらはやさしい印象で、落ち着きのあるたたずまい。中井さん考案の「NP」(レシピ名称は「Creamy Nuts」)は、コクとビター感が増してこっくりとした飲み口に。
「土井のレシピは、平日のおやつ時にほっとひと息つける味わいをテーマにした、ライトなタイプ。中井のレシピは、シーンで例えれば夕食後のひとり時間ですね。ローストナッツのような、香ばしさを引き立たせた味わい構成になっています」(村田さん)
カプセルは同じでも、ここまで味が変わるとはスゴい! ……いったい何が違うんでしょうか?
「YOUBIでは、蒸らしや抽出の前半と後半など、各工程における湯温や湯量、お湯を注ぐスピードなどを細かく設定しているんですね。その設定を少しずつ変えることで、異なるコーヒーの味わいを楽しむことができるんです」(村田さん)
本体でも、ただでさえ3種の抽出モード(STANDARD/STRONG/ICED)と、7段階の抽出量を選ぶことができるというのに……「プロレシピ」で、さらに個性が豊かな味を楽しめるわけですね。まるで複数のバリスタが、自分の好みに合わせて淹れたような……そんな、新鮮な体験ができるのがYOUBIの魅力といえるでしょう。
3人のスペシャリストが得意分野を生かしたレシピを開発
数ある講師陣のなかで、この3人がレシピ開発に選ばれたのはどんな観点からでしょうか。これについては、「DRIP POD」全体の商品開発を担当している進(しん)裕子さんが教えてくれました。
「講師には様々なメンバーがいるのですが、開発している3人は喫茶店やコーヒースタンドなどの外食業界出身であり、なかでもハンドドリップやサイフォンで淹れるコーヒーバリスタのスペシャリストであることがポイントです。
加えて、土井はブラジルの資格制度『コーヒー鑑定士』を持ち、中井は喫茶店文化の造詣が深く、またジャパンサイフォニストチャンピオンシップの優勝者でもあります。そんな異なる背景を持つ彼らに対し、それぞれの得意分野を生かした設計を依頼する形でレシピを開発をしています」(進さん)
続いて、これからの季節にぴったりな「鑑定士の誇りアイスコーヒー」(12個入り/税込998円)でも飲み比べを体験させてもらいました。こちらの「プロレシピ」は「The Iced Coffee-deep」と「The Iced Coffee-mild」の2タイプが展開されており、スタンダードとの3種類を比べてみました。
飲んでみると、「S」はダークチョコレートのような滑らかさと、すっきりとしたコクのある味わい。「D」は文字通り、そこに堂々とした深いコクが主張し、しっかりした重厚感が特徴。一方の「M」はスムースな口当たりで、暑い日にゴクゴクと飲みたい味わいだと感じました。
やはり、アイスコーヒーでもそれぞれの個性がはっきりわかります。食後にゆっくり楽しむときはコクのあるdeep、外出先から帰ってきたときは、ゴクゴク飲めるのmildを選ぶなど、シーンに応じて楽しめますね。今年も猛暑が予想されているので、YOUBIのアイスコーヒーが火照った身体を癒し、リラックスを与えてくれる存在になりそうです。
細かく設定ができるぶん、試作にはこだわってしまう
あらためて、「プロレシピ」はポテンシャルの引き出し方が絶妙ですが、開発に関してどんな苦労があるのでしょうか?
「YOUBIのプロファイルはきわめて自由度が高く、細かく設定ができるぶん、『もっと良くなるんじゃないか』という深掘りが可能なんです。だからこそ、試作が続くケースがよくあるんですね。私はこの仕事をしている割にカフェイン耐性が強いわけではないので、試飲しすぎて寝つきが悪い日もありますね(笑)」(村田さん)
通常業務での試飲に加えて、「プロレシピ」の官能検査に関する試飲の回数も多いとか。なかには20回以上の試飲を経て完成するレシピもあるとのことで、各レシピには並々ならぬ情熱が込められているのがわかります。
ちなみに、今回訪れたショールームは一般開放されていませんが、YOUBIをじっくり見たいのであれば“売らない店”として知られ、体験を目的とした「b8ta」(ベータ)へどうぞ。有楽町、渋谷、越谷市レイクタウン、梅田の4店舗で展開されているので、気になる方はぜひ足を運んでみてください!