パトレイバー“乗れるイングラム”設定ストーリー。実機は今夏披露予定
MOVeLOTは、夏の披露に向けて開発を進めている「機動警察パトレイバー」のイングラム実機制作プロジェクトのストーリーを公開した。このなかで、イングラム実機はコックピット内部の構造や操縦方法は簡略化され、下半身もパージされることが明かされている。
実際に搭乗/操縦できるイングラムを開発するプロジェクト。制作状況としては、稼働場所の確保と期待の開発は最終段階に入っており、今年8月に公開できる状態を目指しているほか、9月中にお披露目会の実施も予定しているとのこと。
今回発表されたストーリーは、制作を進めている実機にまつわる“物語の設定”のようなもの。MOVeLOT HEAVY INDUSTRY(MHI)は劇中に登場する篠原重工から要請を受けてイングラムをベースにしたテスト機「AV-X30」を開発していること、不測の事態に備えたドライブアシストを起動するためのデータ取得・検証が必要であること、そのうち50箇所の検証が未完了で一般のパイロット候補生に搭乗してもらい検証を進めること、といったエピソードが記されている。
機動警察パトレイバー_実機制作プロジェクト ストーリー篠原重工から要請を請けたMOVeLOT HEAVY INDUSTRY(以下MHI)は、イングラムをベースにしたテスト機「AV-X30」を開発。
すでに退役機となっていたイングラムだが、最新の高性能CPUを搭載することで最前線への復帰が承認された。
AV-X30は128ビットCPUを搭載し、性能のアップデートを目的にデータ取得及び検証を実行。
これまでに正規パイロットのデータ取得と検証は終わっているが、不測の事態へのアシストのためには正規パイロットでは考えられないような挙動のデータを収集する必要もある。そのため、不測の事態に備えてドライブアシストを起動するための1,000箇所に及ぶ項目のデータ取得と検証が急務になっている。
ドライブアシストを採用できることで、パイロットの技能や癖を標準化することができ、新人パイロットの訓練期間を大幅に縮小することが期待されている。
しかし、1年の検証期間を経て、MHIが一般人から取得した数万人の搭乗操縦データを元に、ドライブアシストの起動検証を進めているが、残り50箇所の検証が未完了の状態になっている。
MHIは篠原重工に検証結果を納品しなければならないが、このままでは納品できず、128ビットCPUのアップデートが間に合わなくなる……。
そこで今回、異例のことだが一般のパイロット候補生に搭乗してもらい、検証を実行する方針に切り替えた。『“だから遅すぎたと言ってるんだ!”』と言われる前に……。
残り50箇所の検証は、両腕両手の操縦項目がメインのため、コックピット内部の構造や操縦方法を簡略化、下半身をパージ。検証期間は1ヶ月に限定して実行する。
AV-X30_INGRAM