22日開幕した「OTOTEN2024」。会期は23日までで、場所は東京国際フォーラム。入場は無料だが事前登録制。ここではクリプトンやKEF、Technics、などのブースをレポートする。

クリプトン

KS-55HG

クリプトンのブースでは、発売が開始されたワイヤレス・コンパクトオーディオ「KS-55HG」が注目を集めている。

小型のアクティブスピーカーだが、USBスピーカーやBluetooth受信機能も備えており、スマホがあれば、PCと接続しなくても“高音質な小型オーディオシステム”として使えるのが特徴。

また、筐体はオールアルミで、底部にはピュアオーディオ用にも使われている、ネオフェード カーボンマトリックス3層材を採用したインシュレーターを搭載するなど、ピュアオーディオのノウハウが投入されている。

従来モデル「KS-55」から「KS-55HG」の進化点として、内蔵するBluetooth SoCが「QCC5181」となり、従来は48kHzまでだったが、aptX Adaptiveの96kHz/24bitまで対応可能に。さらに、LDAC 96kHz/24bitまでサポートしている。LDACとaptX Adaptiveの両方に対応したスピーカーは世界初という。

PCディスプレイ背面のVESAマウントに取り付けるスピーカースタンドと、デスクトップ用のスピーカー「KS-11G」を組み合わせた展示も。机の上にスペースが無い環境でも対応できそうだ

KEF

フラッグシップモデル「BLADE」

KEFブースには、パッシブスピーカー、アクティブスピーカーのラインナップが多数登場。フラッグシップモデル「BLADE」や「The REFERENCE」シリーズに加から、手頃なワイヤレススピーカーの「LSX II」や「LSX II LT」も体験できる。

LSX IIやLSX II LT

また、6月23日にはオーディオ評論家の小原由夫氏、土方久明氏をゲストに迎え、KEF製品を解説しながら試聴する講演会も予定されている。

JVCケンウッド

HA-FX550T

JVCケンウッドブースには、Victorブランドの完全ワイヤレスイヤフォンであり、新開発の大口径11mmシルクレイヤーカーボン振動板を搭載した「HA-FX550T」が登場。6月下旬発売で、オープンプライス。店頭予想価格は29,700円前後。

ビクタースタジオが音質の監修に参加した製品で、最大の特徴は、シルク(絹)を採用した大口径11mmの振動板を新開発した事。日本古来の楽器の弦などにも用いられている天然素材のシルクに着目し、その成分をカーボンコーティングされたベース部に付加。シルクの特性であるなめらかさによる優れた描写でありながらみずみずしい音と、大口径11mmサイズと音響用チャンバーによる豊かに響く音を実現したという。

Victor「EX-DUB1」

さらに、推しの声優の“声”をシーンに合わせた最適なサウンドで楽しめるコンセプトオーディオ“推し声オーディオ”の体験コーナーも用意。推し声オーディオを楽しめる製品としてVictor「EX-DUB1」を用意している。このモデルは、アニメ音響監督監修モデルで、「声優の“声”をよりよく聴く」をコンセプトに作られている。

D-ILAプロジェクター最新モデル「DLA-V900R/V800R」の体験ができるシアターも

さらに、隣のブースではD-ILA 8Kシアターを用意。D-ILAプロジェクター最新モデル「DLA-V900R/V800R」の体験ができる(予約制)。第三世代へ進化した0.69型ネイティブ4K「D-ILA」デバイスを搭載し、DLA-V900Rは従来比約1.5倍のネイティブコントラストを実現している。

なお、「麻倉怜士の大閻魔帳」でおなじみ、オーディオ・ビジュアル評論家の麻倉怜士氏による講演プログラム“「8K鑑定団」15周年記念企画 in OTOTEN」”も各日2回、計4回開催される。

麻倉怜士氏が新プロジェクターの魅力を解説する

Technics

Technicsブースでは、ランボルギーニとコラボレーションした最新ターンテーブル「SL-1200M7B」を展示しているほか、Technicsのオーディオ製品ラインナップが集合。

ランボルギーニとコラボレーションした最新ターンテーブル「SL-1200M7B」

さらに、5月末に発売したダイレクトドライブターンテーブル「SL-1500C」と、ネットワークCDレシーバー「SA-C600」の新色ホワイトモデルも見ることができる。価格は各130,000円。

「部屋のスタイリングに合わせたカラーの商品を使用したい」という要望に応え、追加色として発売するホワイトモデル。SL-1500Cは発売中のブラック・シルバーに加え、ホワイトモデルとの3色展開、SA-C600はシルバー・ホワイトの2色展開となる。

SL-1500Cは、コアレス・ダイレクトドライブ・モーターや2層構造のプラッターなどを採用したターンテーブルで、フォノイコライザーも内蔵。カートリッジも同梱しており、開封してすぐにレコード再生を楽しめる。レコードの再生が終了すると自動的にトーンアームを持ち上げるオートリフトアップ機能も備えている。

SA-C600は、アンプ・CDプレーヤー・ネットワークプレーヤーをワンボディに搭載。高さ85mmの薄型コンパクトな一体型。フルデジタルアンプ「JENO Engine」などの音響技術も投入。ハイレゾ音源の豊かな音の情報を忠実に再現できるという。

左からターンテーブル「SL-1500C」、ネットワークCDレシーバー「SA-C600」

ネットワークCDレシーバー「SA-C600」

Reference Class R1 Seriesなどを試聴できるコーナーも

さらに、DJターンテーブルのスタンダードモデル「SL-1200MK7」で、日本を代表するDJのDJ BUNTA氏とDJ SHARK氏によるデモンストレーションを実施。Hi-Fiオーディオでは、アンプやターンテーブルをオーディオ評論家・小野寺弘滋氏や山之内正氏が解説する試聴セミナーを開催。

シンガー井筒香奈江氏のトーク・新譜「窓の向こうに」先行試聴会やプロデューサー高田英男氏によるセミナーも用意している。

ティアック

ESOTERICの新モデル

ティアックブースでは、ESOTERICの新SACD/CDプレーヤー「K-01XD SE」、ネットワークDAC「N-01XD SE」、プリメインアンプ「F-02」、F-01とF-02専用の外部強化電源ユニット「PS-01F」が体験可能。

さらに、これらの製品とフィンランドAmphionのスピーカー「Krypton 3X」(日本初公開)を組み合わせたデモを行なっている。ティアックはAmphionの販売代理店ではないが、2月に開催した「フロリダ・インターナショナル・オーディオ・エキスポ 2024」で最高賞を受賞するなど、ESOTERIC + Amphionの最新システムが好評だった事から、今回の展示が実現したという。

Amphionのスピーカー「Krypton 3X」。側面にウーファーを備えている

エミライ

エミライブースでは、MAGNETARの注目UHD BDプレーヤー「UDP900」、「UDP800」が体験できるほか、Aurenderのネットワークトランスポートや、Benchmarkのアンプなどが出展。

MAGNETARの注目UHD BDプレーヤー「UDP900」、「UDP800」が体験できる

さらに、ラトビアのスピーカーブランド・ARETAIの2.5ウェイ密閉型ブックシェルフスピーカー「Contra100S」も体験可能。

フロント・リアに2基のウーファーを備え、密閉型ながら深くタイトな低音を実現。上部には28mmシルクリングドームツイーターと特徴的なウェーブガイド構造を備え、「音に触れられるようなリスニング体験をご提供する」という。

ARETAIの2.5ウェイ密閉型ブックシェルフスピーカー「Contra100S」。背面にもウーファーを備えている

その他

MP型モノラルカートリッジ「MP-MONO」

ナガオカブースで注目を集めているのが、アナログカートリッジ「MPシリーズ」の新しいラインナップであり、世界初となるMP型モノラルカートリッジ「MP-MONO」と「MP-MONO用1mil交換針」。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はMP-MONOが39,600円前後、JN-PMONO 0.7E(0.7mil交換針)が11,880円前後、JN-PMONO 1.0Eが13,860円前後。

近年、モノラルの魅力が再評価され、過去の名盤の復刻も相次いでいるが、同社では「モノラル盤の持つ音の迫力や、音像表現を最大限に引き出すためにモノラル再生専用のカートリッジで聴くことを推奨する」という。

そして、現在発売されている多くのモノラルカートリッジは現代のレコードカッティングに合わせ針先サイズ0.6~0.7milのスタイラスチップが主流となっているが、MP-MONOは0.7milのスタイラスチップを標準搭載し、「モノラル盤の持つ音の輪郭やリアル感を引き出し、解像度の高いモノラル再生を目指し開発した」という。

下段がEversolo「DMP-A6 Master Edition」

ブライトーンのブースでは、6月に発売したEversoloブランドの新しいミュージックストリーマー「DMP-A6 Master Edition」も展示。価格は176,000円。

前面の6型液晶・タッチスクリーンを使って、システム設定やライブラリ操作、サードパーティアプリをコントロールできる多機能ストリーマー。ロスレス音楽再生用にカスタマイズされたクアッドコアプロセッサと大容量メモリを備えているのも特徴。Wi-Fi、Bluetooth機能は搭載しない。

自社開発のEOS(Eversoloオリジナルサンプリングレートエンジン)を採用し、様々なサンプリングレート出力に対応。Android SRC制限を完全にバイパスすることで、サードパーティアプリのハイレゾダイレクト出力を可能にしている。音楽配信サービスは、Amazon Music、Deezerなどに対応。Roon Ready、TIDAL Connect、DLNA、Airplayも利用できる。

DACチップは、ESS製の「ES9038Q2M」をデュアルで採用。別売の外付けCDドライブをUSB接続することで、CD再生・リッピングが可能。カバーを取り外せば、SSD(M.2 NVMe)を追加して音楽を保存することもできる。最大ストレージ容量は4TB。

復活したトーレンスが、7月に発売するターンテーブル「TD1500」に加え、今後発売予定の「TD1600」(予価880,000円)なども展示されている

ガラス棟7階のG701では、様々なイベントやセミナーを開催。6月23日13時~17時には、スピーカーにGENELECの超弩級モデル「8381A」を用意。「今年もやります!4時間ぶっ通しリクエスト大会!!」を開催予定。

オーディオ評論家の土方久明氏、マスタリングエンジニア吉良武男氏、レコーディングエンジニア峯岸良行氏、アニソンマイスターのがくふぁ氏、日本オーディオ協会の秋山真氏に加え、AV Watch編集部から阿部も、何やら宇多田ヒカルのCDを大量に抱えて参加予定。

GENELECの超弩級モデル「8381A」