「XREAL Beam Pro」

日本Xrealは、AR向けに最適化したAndroid 14ベースの独自OSを搭載したスマートフォン型ARコンピューティングデバイス「XREAL Beam Pro」を発表した。6月19日から予約受付を開始しており、8月6日から随時発送する。価格はストレージ126GB+メモリ6GBモデルで32,980円、256GB+8GBモデルで39,980円。

8月5日までの予約購入者キャンペーンとして、Beam Pro単体、もしくはARグラス(XREAL Air/Air 2/Air 2 Pro)とのセット購入で10% OFFなど、各種キャンペーンも行なう。

「XREAL Beam Pro」のホーム画面。Playストアアプリなどを利用できる

Android 14ベースの独自OSで、ARに最適化したという「nebulaOS」を採用したスマホ型の端末で、同社製ARグラスを接続して使用できる。この端末ひとつで空間ビデオ撮影と、モバイルアプリのエコシステムへの対応、シアター級のストリーミング体験ができる3 in 1デバイスと位置づける。

空間静止画/ビデオ撮影機能としては、デバイス背面に5,000万画素の超広角カメラをデュアルで搭載し、単体で空間ビデオ撮影が可能。60fps撮影、または手ぶれ補正ありの30fps撮影ができ、「誰でも空間ビデオクリエイターになれる」とする。

空間静止画/ビデオ撮影ができる他社製スマートフォンの例

他社製のスマートフォンでも空間静止画/ビデオ撮影ができるものがあるが、これらは撮影に使うレンズのf値や焦点距離、レンズ間距離などが揃っていないため、撮影した画像/動画のリアルさが欠けると指摘。

「XREAL Beam Pro」はレンズの性能を揃え、レンズ間距離も整えているのが強みだという

XREAL Beam Proではどちらのレンズも焦点距離14mm、f値2.2でスペックを統一し、レンズ間距離も人間の目を参考にして50mmにしたことで、よりリアルな映像体験ができるという。

なお、空間静止画/ビデオ撮影ができるのは横構図のみ。端末を縦に持っていると横持ちするように促す警告が表示される。

撮影した画像/動画はXREAL Beam Proに接続したXREAL製ARグラスで視聴可能。視聴環境が整っていれば、クラウドサービス経由でファイルを共有して、離れている家族や友人に動画を共有することもできる。動画自体はサイドバイサイド方式3DのMP4ファイルとのこと。

OSはAndroidベースで、Google Playを利用できるため、NetflixやHulu、ABEMAをはじめとする10,000以上のAndroidアプリを利用可能。PlayStation 5やXbox Series S|X、Steamのリモートプレイも可能。XREAL Beam Proに接続したARグラスでゲームを楽しめるため、「リビングの大画面テレビと同じ迫力」でゲームを遊べるという。

本体底面にUSB Type-Cポートを2基搭載

CPUはSnapdragonのspatial companion processor「空間コンパニオン オクタコアCPU」を採用。Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2も利用できるほか、最大1TBのmcroSDカードにも対応する。本体下部にUSB Type-Cポートを2基備え、ARグラスを接続しながら端末を充電することができる。バッテリー容量は4,300mAh。ディプレイは6.5型フルHD。

なお、スマホ型のデバイスだがeSIMやSIMカードスロットは備えておらず、モバイル通信などは利用できない。海外では5G対応モデルも用意しているが、国内での投入は「検討中」で、まずは先行してWi-Fiモデルの予約を開始したとのこと。

XREALのARグラスを愛用しているという吉田尚記ニッポン放送アナウンサー

19日に東京都内で行なわれた発表イベントには、普段から「Xreal Air 2」を愛用しているというニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが登場。「もともとは持ち運べる大画面デバイスとして手に入れました。スマホとつなげてNetflixを観たり、Kindleを読んだり、タブレットやPCなども持っていて、これらとUSB-Cケーブル1本でつながるのが素晴らしい」とXREAL製ARグラスのお気に入りポイントを紹介。

続けて「そこにXREAL Beam Proが出てきた。これはヤバイですね。空間ビデオ・静止画を撮れるデバイスは市場にはほとんどない状態で、まずカメラとして優秀です。そしてAndroid(ベース)で動いているので、YouTubeを観ながら司会の仕事をこなすことも不可能ではありません(笑)」とXREAL Beam Proの魅力を語った。

「こんなデバイス、この世にはありません。もう手放せない状態になっています。この2週間くらい、素敵な体験があったのですが、それが3Dで残っていると思うと、年を取っておじいちゃんになっても自慢できるなと思いました」

「またほとんどの人がApple Vision Proで初めて体験することになる“空間コンピューティング”を、あの値段よりも相当手頃に体験できるデバイスでもありますよね」

「XREAL Beam Pro」を手に持つ高天夫 日本Xreal Product Manager

実機を触ってみた

「XREAL Air 2 Pro」を接続したところ

XREAL Beam ProはAndroidベースのOSを搭載した端末ということもあり、操作感はスマートフォンと変わらない。サイズもiPhone 13 Proと同等で、片手で簡単に操作できる。

ARグラス接続中、Beam Proをコントローラーとして使うことができる

アプリもNetflixやYouTubeなどを利用可能。また複数アプリの同時表示も可能で、YouTubeを観ながらGmailアプリなどを立ち上げることもできた。

空間ビデオを撮影してみた

空間静止画/ビデオ撮影は、カメラアプリ内から選択可能。今回は会場に登場したコスプレイヤーを撮影にトライしてみた。

空間静止画/ビデオの撮影ポイント

事前に撮影時は被写体と1m~2.5m程度の距離で撮影すること、撮影しながら動くときは小刻みなステップで手ブレを抑えることといった簡単なレクチャーを受けて臨んだが、基本的にはふだんのスマホ撮影と同じ感覚で撮影が可能で、「空間ビデオを撮っているから」と特段何かを意識することなく撮影できた。

撮影した静止画・動画は、XREAL Beam ProにARグラスを接続したあと、アプリ「空間アルバム」から3D映像として視聴可能。空間ビデオは特に奥行き方向の立体感が強く感じられ、撮影したコスプレイヤーが立体的に浮き上がっているような感覚で映像を楽しめた。

一方の空間静止画は、こちらも立体感が感じられるが、服や指先などの解像感がやや物足りず、全体的に解像感の粗い画像に感じられた。

予約キャンペーンも各種展開

XREAL公式サイトでは、Beam Proを予約した先着150名にイヤフォンをプレゼント。151名以降からは10% OFFで販売する。また、Beam ProとAirシリーズを同時購入すると合計金額から10% OFFされるほか、6月18日までにAirシリーズを購入しているとBeam Proをさらに5% OFFで販売するキャンペーンを、8月5日まで実施する。

またビックカメラでは、XREAL ARグラスと同時購入で5,000円クーポン値引き、ヨドバシカメラでもARグラスと同時購入で5,000ポイント還元が受けられる。