「意味が分からない」アラム氏の“無名発言”が物議 アフマダリエフ母国記者が嘆き!「イノウエの計画は関係ない」

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アフマダリエフとの対戦指令が出た井上。そんなモンスターを擁護したアラム氏の発言が波紋を広げた。(C)CoCoKARAnext

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の次戦が注目を集めている。現地時間6月13日にWBAが、同協会の指名挑戦権を保持するムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と9月25日までに試合を行うように正式な指令を発表したのだ。

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 今年5月にルイス・ネリ(メキシコ)との東京ドーム決戦を制した井上。同陣営は、来る9月に元IBF世界同級王者のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)との対戦交渉を進めていた。そうした中で、急展開を迎えたわけである。仮にリミットとされた9月25日までに試合が開催できなければ、WBAから王座を剥奪される可能性も浮上した。

 この状況に黙っていなかったのが、井上の共同プロモートを行っている米興行大手『TOP RANK』のボブ・アラム会長だ。百戦錬磨の名プロモーターは、英ボクシング専門メディア『Boxing News』で「イノウエは日本にとって特別な存在なんだ」と強調。そのうえで発表後に自身のSNSで「やろうぜ、チャンプ」と強気な振る舞いを見せた本人を含めたアフマダリエフ陣営にクギを指した。

「(戦う)可能性はない。アフマダリエフ? それは誰なんだ。誰も彼のことを聞いたことがない。イノウエがウェンブリーで無名な男とやることはない」

 昨年月にマーロン・タパレス(フィリピン)に敗れるまでWBA&IBFの2団体統一王者だったアフマダリエフを「無名の男」と言ってのけたアラム会長。かつてモハメド・アリ(米国)やマニー・パッキャオ(フィリピン)のプロモートを行ってきたレジェンドにしか言えない刺激的な言葉だ。

 ただ、アマチュア時代にリオ・デ・ジャネイロ五輪に出場し、銅メダルを獲得した名手を軽んじるような発言は、アフマダリエフの母国で波紋を呼んでいる。

 ウズベキスタンのスポーツサイト『Sports.uz』のジャロル・アクメドフ記者はXで「最速の統一世界王者であるアフマダリエフは『無名』と言われ、かたやイノウエはドヘニーと戦うことになる。意味が分からない」と投稿。さらに「彼は正当な挑戦者としてこのチャンスを得たんだ。イノウエがどういう計画を持っているかは関係がない。アフマダリエフは自分の道を進み、与えられた機会で番狂わせを狙おうとしている。なぜそれを良しとされないのか」と続けた。

 井上側は事前に調整してきたドヘニー戦を優先する構えを見せている。このままいけば、9月のアフマダリエフ戦は完全消滅したと言えそうだが、果たしてどうなるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]