「もう都知事選には出ないよ」…マック赤坂「不出馬宣言」の「深刻な理由」

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実は京大卒のエリート

「テレビの前の皆さん、スマイル、してますか?」

まもなく火蓋が切って落とされる東京都知事選。今年96歳を迎えるドクター・中松氏が出馬宣言したことが話題になっているが、かつての名物候補者といえば、スマイル党党首のマック赤坂氏をふと思い出した人も多かったのではないだろうか。

都知事選でお馴染みだったのが、奇抜な政見放送だ。

冒頭のセリフから始まると、自らの公約を伝える貴重な時間にも関わらず、マック氏はとびきりのスマイルをレクチャー。さらに登場時の格好もスーパーマン、マハトマ・ガンディー、天使などやたらと派手で、有権者はその異様さに度肝を抜かれた。

「実は、マックさんは京大出身のエリートです。大手総合商社の伊藤忠商事に入社後、48歳で独立。レアアースの輸入商社を立ち上げ、実業家として活躍していました。

あまり想像がつかないかもしれませんが、自身にとって初の選挙だった2007年の港区議選では普通の格好で、いたって真面目な内容を話していたんです。しかし無所属で地盤もなかったマック氏は全くと言っていいほど注目されなかった。こうした状況を打破するため、あの大胆なスタイルに舵を切ったと聞いています」(区議会関係者)

これまでマック氏は2011年の出馬を皮切りに都知事選に4度挑戦している。全敗はしたものの、圧倒的な存在感を放ったという点で “奇策”は成功したと言えるだろう。

しかし、2016年を最後に都知事選に出馬していない。一体何があったのか。

なぜ表舞台から姿を消したのか

「2019年の港区議選で初当選を果たしたんです。まさか当選するとは思っていなかったようで、本人が一番びっくりしている様子でした。

どんなパフォーマンスをしてくれるのか私たちも期待していたのですが……。次第に議会を欠席するようになり、そのままフェードアウトしてしまいました」(前出の区議会関係者)

その後マック氏はようやく掴み取った区議の座を1期で手放し、以降いずれの選挙にも出ていない。表舞台から完全に姿を消してしまったのだ。

現在の状況を確認するため、自宅である赤坂の高級タワーマンションを訪れると、インターホン越しに本人が応じた。

「こればっかりは仕方ないんだ」

--いま、どのように毎日を過ごされているんですか?

「特になにも。仕事もしてないです。たまに病院に行くくらい」

--体調がよろしくないんですか?

「そうそう。いまもしんどくて寝てたところなんです」

--ちなみにどのような病気と闘っているんでしょうか。

「ちょっとそれは言えないんだ」

--ではもう選挙は……。

「うん、もう出ないよ。体調がね」

--やり残したことはない?

「そんなのはいっぱいありますけど、こればっかりは仕方ないんだ」

政見放送時のエネルギッシュさとは打って変わって、すっかり弱々しくなっていたマック氏。あのスマイルは、もう二度と見られないのか。

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【つづきを読む】『今年96歳のドクター・中松氏が「都知事選」に出る!これまで没収された供託金は5000万円以上…それでも出馬を決意したワケ』では、マック赤坂氏と双璧をなす名物候補者、ドクター・中松氏の出馬の裏側に迫る。

今年96歳のドクター・中松氏が「都知事選」に出る!これまで没収された供託金は5000万円以上…それでも出馬を決意したワケ