1つの伏線に仕掛けが2つ!? ドラマ『Destiny』最終話で明かされた20年前の事件を解く鍵
第1話〜8話の見逃し配信の累計再生数が2500万回(ビデオリサーチにて算出/25,064,816回/期間:4月9日〜6月4日)を突破し、テレビ朝日のゴールデン・プライム帯史上最高記録を更新し続けるなど記録的大ヒットとなっている石原さとみ主演のドラマ『Destiny』。
これまで多くの伏線が挟みこまれてきたが、6月4日(火)に放送された最終話では残る謎がきれいに回収された。
(※以下、最終話までのネタバレがあります)
◆辻英介が自殺するきっかけを作った犯人は…
及川カオリの事故や野木邸放火事件など、さまざまな謎が描かれてきたドラマ『Destiny』。
なかでも主人公・西村奏(石原さとみ)の父親・辻英介(佐々木蔵之介)が「環境エネルギー汚職事件」をきっかけに自殺したことは第1話から描かれ、物語の鍵を握る要素として視聴者の注目を集めてきた。
第5話では奏が英介の残したボイスレコーダーを発見し、中身を聞いた。
20年前当時、東京地検特捜部の主任検事として「環境エネルギー汚職事件」を担当した英介は、被疑者が事件に関与していたことを裏付ける携帯電話メールの画像を入手する。しかし証拠の出どころははっきりとしなかった。
慎重論を唱える英介に対し、検察上層部は起訴を指示。だが、その結果、英介は、弁護士の野木浩一郎(仲村トオル)から証拠が捏造されたものと知りながら起訴に踏み切ったという容疑をかけられ、悲劇的な結末を迎えることに…。
ボイスレコーダーに遺されていた音声から英介が事件の捏造に関与していないことはわかったものの、結局証拠がどこから出てきたものかは不明なままだった。
最終話では、当時を知る浩一郎が奏に「環境エネルギー汚職事件」の裏側を語る。
20年前、元総理の東忠男(伊武雅刀)に呼び出された浩一郎は、身に覚えのないメールで息子が検察から強引に起訴された、冤罪だ、と相談を受ける。
東元総理の言葉を信じて裁判で無罪を勝ち取った浩一郎。その後再び東に呼び出されると、浩一郎は「目論見通りの…いやそれ以上の働きをしてくれた」と含みのある言葉で褒められた。
浩一郎は過去を振り返り、「つまり、すべてをあの男が仕組んでいたんだ」と明かした。
◆20年前の事件を解決する鍵は身近に!?
英介をはめた人物の目星はついたものの、決定的な証拠は残っていなかった。
すると奏は、支部長の大畑節子(高畑淳子)から同じ横浜地方検察庁・中央支部で働く事務官の加地卓也(曽田陵介)が、東元総理の秘書である秋葉洋二(川島潤哉)から“ガラケー”を持たされ検察の情報を漏洩していたと聞かされる。
加地がガラケーで秋葉と連絡していたと知った奏は、「環境エネルギー汚職事件」で父が入手した証拠画像もガラケーのメール画面だったことを思い出す。奏が秋葉の携帯電話に目をつけて調査を進めると、携帯会社のデータ保存サービスからついに20年前の事件の証拠データに辿りつく。
加地が裏切っているという伏線は、以前から誰かに連絡を取っている描写がたびたび挟みこまれ、視聴者に対しては第7話で連絡先が明かされ回収されていた。連絡に使用しているのが“ガラケー”という部分も鍵になっていたのは、最後に明かされた、まさに巧みな伏線だ。
第1話冒頭から“未来”のシーンを大量に入れるなど多くの伏線を貼っていたドラマ『Destiny』。最終話までの結末を知った状態でまた最初から見直すと、新たな発見がありそうだ。