渋谷区松濤の閑静な住宅街に、ひっそりと佇む一軒家レストラン『啓蟄』

モダンフレンチの新鋭で、感性豊かなシェフによる美しきひと皿が揃う、ディナーコースを楽しんで!


地面から新しい命が芽吹くように、あっと驚くような発見のある料理を

渋谷駅から10分ほど歩いた松濤の住宅街にある『啓蟄』。佇まいからレストランを想像し難いシチュエーションに、初めて訪れる人は心躍らせずにはいられない


渋谷から歩くこと十数分。閑静なお屋敷街、松濤の一角に忽然と現れる一軒家。お忍び感たっぷりのこの館が『啓蟄』だ。

それと知らなければ、よもやここがモダンフレンチの新鋭とは誰しも思うまい。

看板代わりの表札に書かれた店名を横目に階段を上り、扉を開ければ外観とは打って変わった無機質な空間へと導かれる。



昨年7月、個性的なジビエフレンチ『エレゾ ハウス』から引き継いだ地で、内装を一新してオープンした。カウンター8席のみの静謐な店内は、シンプルだからこそ、美しく料理が映える


グレーを基調としたシックな店内でいただくは、松本祐季さんが編み出すソフィスティケートな皿の数々。



シェフを務める松本さんは36歳。広尾『アラジン』、六本木『コジト』等を経て渡仏。二ツ星レストラン『ラ・グルヌイエール』でスーシェフを務め帰国


「訪れる人に新しい体験や驚きを提供したい」と語るように、鹿の心臓といった珍しい食材を使う一方で、その食材へのアプローチにも目を見張らされる。

例えば、春菊のひと皿。濃いグリーン一色のそれは、春菊のスポンジに春菊のムース、そして春菊のピューレで和えたズワイガニとまさに春菊尽くし。

ひとつの食材を様々な調理法でテイストを変え、バランス良くまとめ上げるそのセンスにシェフの実力が窺える。




「メークイン 炭化檸檬」はアミューズ。

ジャガイモの千切りをボール状に揚げている。サクサクと軽やかな食感。




「鹿心臓 ビーツ」。

グリルした鹿の心臓には、スパイスでマリネして燻製にかけたビーツを添えている。



「鶉 蕗 山椒」。蕗の葉でご飯を包んで食べる、信州で愛される味をヒントにしたという一品。ソーセージ状にした鶉を蕗の葉で包んでいる。料理は全て¥18,000のコースから


そこには、高級食材ではなくありふれた食材にスポットを当て主役にしたいと考える松本シェフの料理哲学が静かに息づいている。


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