米大リーグ(MLB)の公式球(2019年3月28日撮影)。(c)Mark Brown / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / AFP

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【AFP=時事】米大リーグ機構(MLB)は29日、人種差別のあったニグロリーグの成績を公式記録に取り入れた。米野球界の人種差別に対する画期的な動きにより、一挙に記録が書き換えられている。

 MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、この決定により長年の懸案事項だった、野球界を代表する名選手たちと肩を並べるにふさわしいアフリカ系米国人選手たちの功績が、認定されると述べた。

 黒人選手は、人種差別や人種隔離法により、ジャッキー・ロビンソン(Jackie Robinson)が1947年4月15日にブルックリン・ドジャース(Brooklyn Dodgers、現ロサンゼルス・ドジャース<Los Angeles Dodgers>)でデビューして人種の壁を破るまで、MLBでのプレーを禁じられていた。

 その中でアフリカ系米国人選手たちは、1920年から48年までニグロリーグでプレー。同リーグはMLBで華々しいキャリアを築くことになる選手を輩出したものの、当時の成績はMLBの公式記録に反映されていなかった。

 今回の決定により公式記録に取り込まれたことで、殿堂入りしたジョシュ・ギブソン(Josh Gibson)らニグロリーグのスター選手たちが、ベーブ・ルース(Babe Ruth)やウィリー・メイズ(Willie Mays)、ハンク・アーロン(Hank Aaron)といった象徴的な選手たちと肩を並べたことを意味する。

 1930年から46年までニグロリーグでキャリアを全うしたギブソンの成績は、MLBで長らく保たれてきた記録を上回っている。

 ギブソンの生涯通算打率3割7分2厘は、1928年にタイ・カッブ(Ty Cobb)が引退してから破られていなかった同3割6分7厘の記録を更新。また、1シーズンの最高打率4割6分6厘や、1シーズンの長打率0.974、1シーズンのOPS(出塁率と長打率を合わせた値)でもMLB史上1位に浮上している。

 またギブソンは、通算長打率や通算OPSではルースの記録を抜いている。

 記録が統合されたことにより、MLBで活躍する前にニグロリーグでプレーした選手たちの既存記録も更新された。殿堂入り投手のサチェル・ペイジ(Satchel Paige)は通算勝利数が28勝から124勝に増加し、1シーズンでの防御率1.01がMLB史上3位となった。

【翻訳編集】AFPBB News

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