28日に先行発売した、「エルガEV」のショートホイールベース・都市型モデル(いすゞ自動車提供)

 いすゞ自動車(横浜市西区)は28日、バッテリーEV(BEV)路線バス「エルガEV」のショートホイールベース・都市型モデルを先行発売した。BEVの路線バスでは車内全体のフラット化は国内初という。

 同車は、全長約10・5メートルで定員70人。高電圧バッテリーを採用し、1回の充電で360キロを走行できる。災害時には家電機器などに電力供給も可能という。

 車両は、モーターやバッテリーの配置を工夫したことで、車内前部の乗降口から最後部座席まで段差のないバリアフリーを実現。ドライバーの異常時を検知して、車両停止後に自動でパーキングブレーキが作動し、車両を停止させる機能を国内路線バスで初めて採用した。遠隔で車両の状態も確認でき、バッテリー残量や航続可能距離、故障も把握できるという。

 同社は国内の公共交通でカーボンニュートラル(CN)化を図り、次世代の路線バスのけん引役を目指している。いすゞ担当者は「(エルガEV)に興味を持つ企業はあり、現在商談は進んでいる」と話している。