舞台袖から生演奏となる舞台音楽が奏でられる中、プロローグから本編へ『未来少年コナン』の物語が開演。アニメの第1話の流れを独自の感性と表現でとらえながら、空気感や名場面はしっかり押さえつつ、スピーディに展開されるストーリーにグイグイと引き込まれていく演出はさすがといったところだ。
※写真は舞台衣装ではありません。

またそれぞれキャスト陣がこだわったキャラクターの作り込みも素晴らしく、加藤が元気いっぱいに演じるコナンとはじめ、可憐に佇む影山のラナ、自由奔放で行動の予想ができない成河のジムシーなど、仕草や動きにアニメの「らしさ」が感じらるのは嬉しいポイント。
コナンとラナによる初々しいやりとりや、ジムシーとコナンが顔を合わせ舞台を駆け巡りながらお互いの心の距離を縮めていくといったコミカルなシーンでは、スタッフ陣も楽しそうに笑顔で演技を鑑賞。逆にインダストリアの行政局長レプカやモンスリーたちによる人々への圧政を感じさせるシリアスなシーンでは、緊迫した芝居を見せる門脇や今井の一挙手一投足に目を光らせるなど、キャストとスタッフが一丸になって本番さながらの熱量あふれる稽古を繰り広げていってくれた。

中でも宮尾俊太郎演じる船長ダイスの存在感は抜群。密航してきたコナンとジムシーに鉢合わせするシーンでは、スタッフから思わず笑い声が漏れるなど、コメディリリーフとして本番の舞台でダイスがどう観客を楽しませてくれるのかも見どころといえるだろう。
また今回の通し稽古では実際の舞台セットの一部が使用されたほか、劇中屈指の名場面となる、水中に沈んだコナンにラナが口移しで酸素を運ぶ感動のシーンも試されるなど、準備は着々と進行中。改めて舞台初日へ向けての期待感を高めてくれた通し稽古となった。

公演開始となる5月28日まであと少し! ぜひ劇場に足を運んで、アニメとはまたひと味違った舞台ならではの魅力あふれる『未来少年コナン』を楽しんでもらいたい!

【関連写真】加藤清史郎さん、影山優佳さんなど稽古の写真を見る(10枚)