2021年に日本とアメリカの二拠点生活をスタートし、2023年にはアメリカの事務所とエージェント契約した、岩橋玄樹さん。アーティストとして精力的に活動している傍ら、3月には自身初となる写真集『Labneh(ラブネ)』を発売。今回は、岩橋さんに写真集にまつわることや暮らしのことなどお話を伺いました。

写真集は、自身の「今」を切り取ったアート

『Labneh』は、大胆でありながら自然体の岩橋さんの“今”が納められ、自由な遊び心と、凛とした芯の強さが感じることができる1冊です。

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「今は、SNSで自分の好きな写真を簡単に投稿できる時代。だからこそ、プロのクリエイターが集まって自分ひとりでは想像できない写真をお届けできることがうれしかったです。もちろん『かっこいい1冊にしたい』という思いもありましたが、それよりも今の自分の歴史を、できるだけ嘘のない状態できり取りたかった」(岩橋玄樹さん、以下同)

そんな写真集の舞台は中東・ドバイ。これは、表情は素の自分でありながらも新鮮さを求めて自分から提案したそうです。

「タイトルの『Labneh(ラブネ)』という言葉は、中東で親しまれる『水きりヨーグルト』のこと。ラブネを食べているときにタイトルにしたい! とひらめきました。ドバイで撮影することも、タイトルも、直感でいいなと思ったことを形にできる自由さが心地よく、受け入れてくださったスタッフさんには感謝しかありません」

写真集には写っていないけれど…

岩橋さんが撮影中に驚いたことが、日本でもアメリカでも感じられない現地の方の「好奇心の強さ」。

「街の中で僕ひとりが佇んでいるように見える写真も、じつは周囲には何十人もの現地の方がいて興味津々に撮影を見ていたり、道を歩いていると一般の方に急に肩を組まれて一緒に写真を撮ったり(笑)。普段とは違った時間を過ごすことで、決して取り繕っているわけではないのになんだかフレッシュな僕の表情がそこにあると思います」

「大自然や存在感ある建築物、華やかな街並みも美しいので、手に取った方も一緒に旅行をしているような気持ちになれるはず。アートブックを見るように楽しんでもらいたいですね!」

好きなものに囲まれた部屋で新しいインスピレーションが

自身の写真集を「アート」と表現した岩橋さん。じつは、アメリカの自宅に絵画やオブジェなどを飾るほどアート好きです。

「仕事の拠点はあくまでも日本ですが、生活は日本とアメリカの二拠点。それぞれの自宅の雰囲気は意識せずとも異なっています! 僕は野球好きなので、日本の家には読売ジャイアンツの公式マスコットキャラクター・ジャビットくんのぬいぐるみや、映画『ハリー・ポッター』シリーズに出てくる魔法の杖など、幼少期から好きなもので埋め尽くされています」

一方、アメリカの家は、レコーディングや撮影など仕事をする時間も長く、インスピレーションの種になるようなアートを壁一面にディスプレイされているのだとか。

「アーティストの友人に絵画をいただく機会もあり、興味の幅が広がるのが楽しいですね。ほかにも、窓が大きくハウススタジオのように陽当たりもいいのも過ごしやすいポイント。1日じゅう仕事をしていても煮つまらず、むしろ開放的な気持ちでいられます。

日本では人目を完全に気にしないで外出することは少ないので、ジムに行き、体を動かすことでリフレッシュしていますが、アメリカでは気持ちをきり替えるためにあえてしていることもないんです」

「仕事はいい意味で遊びのように楽しんでいますし、仕事のアイデアもPCと向かい合っているときではなく、近所のコーヒーショップまでドライブしている間に思い浮かぶことがほとんど。ESSEonline読者の皆さんは暮らしを大切にされている印象ですが、僕も気持ちがいい空間で過ごすことが自由な発想に繋がる第一歩だと肌で感じています」

・衣装クレジット:ニットカーディガン \66000(LES TRICOTS D’O/TREMEZZO)、Tシャツ \9900(LIFiLL)、パンツ \35200(follow)、スニーカー \14300(CONVERSE)