自然災害が多い近年。防災について気になりながらも「なにを備えればいいかわからない」という人も多いはず。ここでは、50代の夫婦2人と犬2匹で暮らす家庭が備えているものや、防災グッズなどをご紹介。整理収納コンサルタントで防災士の資格も持つ瀧本真奈美さん(現在50代)が語ります。

備蓄食と水は「3日分」にとらわれず、余分に備える

被災経験はありませんが、熊本地震を身近に感じてからずっとコツコツと備えを見直したり、買い足したり、防災士の資格も取得しました。そんな私が普段実践している備えについて紹介します。

【写真】防災リュックは“背負って走れる重さ”に

「備蓄は最低でも3日分用意する」というワードをよく目にします。3日分という数字が記憶に残りがちですが、政府広報オンラインでは『※非常に広い地域に被害が及ぶ可能性のある南海トラフ巨大地震では、「1週間分以上」の備蓄が望ましいとの指摘もあります』と注意書きがされています。

愛犬2匹がいるわが家の避難は、おそらく車中泊になるので、この点からも1週間分を自分たちでまかなえるように以下を備えています。

・水45L(2Lと500mLの両方のサイズを保存)
・5年保存のマジックライスやマジックパスタ、保存パンなどを40食の他、缶詰や簡単に口にできる飴などの食料

賞味期限を確認しながら、時折実際に食べて味に慣れることもしています。

防災リュックは1人1つ。実際に背負って走れる重さにしておく

あれこれと詰め込みたくなる防災リュックですが、ネックになるのは「重さ」です。せっかくの備えでも、背負って走れなければ速やかな1次持ち出しができない場合も。なので、必ず内容物を見直した際には背負って走れそうかどうかを確認するようにしています。

内容物は以下です。

500ml水3本、マジックライス、マジックパスタ6個、飴、使い捨て食器、箸、ゴミ袋、油性ペン、メモ用紙、軍手、簡易トイレ、万能ツール、防犯ブザー、ホイッスル、使い捨て下着、マスク、除菌ジェル、ティッシュ、タオル、レインコート、エマージェンシーシート、モバイルバッテリー、充電グッズ、衛生品など

これを1人1つずつ用意しています。

防災グッズは数か所に点在させて、車内収納も活用

見直しも簡単だからと、つい1か所にまとめがちな防災グッズ。ですが、災害が大きい場合、家の損壊がどの部分に起こってしまうかわからないので、点在させて収納をしています。

・玄関
・リビング
・キッチン
・寝室
・車の中

家のどこかが損壊したり、取り出せない状況になっても別の場所から持ち出せるように、出入り口や窓のある部屋の動線上に収納場所を確保しました。

“なんとなく持っている”だけのものを手放して防災収納用にスペースを空けるのも、収納場所がない場合にはおすすめです。車の中には、テント、車中泊用マット、カセットコンロ(本体のみ)、ラップやアルミホイル、ペーパー類、水タンク、調理ツール、折りたたみトイレなども収納しています。

ペットとの避難に備えていることと、未来に望むこと

現在2歳と、4か月の2匹の犬がいるわが家は、ペット防災も必要です。いつものフードを余分に買いおきし、おやつ、ペットシートやマナーベルト、ウェットシート、折りたたみ食器、予備のリードやケージを備えています。

日本では、環境省が「ペットと同行避難」を推奨しています。これは飼い主がペットと共に安全な場所まで避難するということ。ですが、ずっと一緒に同伴避難ができるまでの避難所や、専用の場所はとても少ない状況です。

わが家も基本的には車中泊で、テントも用意し自分達で同伴避難ができるよう対策を進めています。いつの日か、動物が苦手な人にも迷惑をかけず、同伴避難ができる専用の避難所が多くできるといいなと願っています。

自然災害は「いつ起こるのか?」「どのくらいの規模なのか?」誰にも明確な予測ができないからこそ、今後も対策を考えていきたいと思います。