自治体や民間が実施している支援制度には、申請すればお金が受け取れる制度が充実しています。ここでは再就職や離婚に関する支援制度をファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんにお聞きしました。ピンチのときは、諦めずにまず相談を。

「再就職」の支援制度

仕事に役立つ資格を取りたい、技術を身につけたいという人は、ハローワークに相談を。雇用保険に入っていなくても、無料で訓練が受けられます。

●再就職・転職したい→月10万円もらえる

<求職者支援制度>

雇用保険の適用がなかった離職者や元個人事業主、パートで働きながら正社員を目指す人などが、無料で職業訓練を受けることができ、条件が合えば月10万円の給付も。訓練内容はWebデザイナー、医療事務、ネイリストなど。期間は2〜6か月。申請先はハローワーク。

もらえる対象:現在無職でも働く意思があり、ハローワークで求職中の人など。給付金が出るのは月収8万円以下、世帯月収30万円以下など。

対象コースの例:介護職員、Webデザイナー、ネイリスト、エステティシャン、インテリアコーディネーター

●専門的な教育訓練を受けたい→上限年56万円もらえる

<教育訓練給付制度>

指定の教育訓練を受講・修了すると、費用の一部を給付。対象となる教育訓練は、介護福祉士、大型自動車免許、大学院修士課程など約1万5000講座と多岐にわたります。給付率は講座の種類によって異なり、受講費用の20〜70%(上限額あり)。申請先はハローワーク。

もらえる対象:雇用保険に入って働いているか、離職後1年以内(出産、育児などで離職し、適用対象期間の延長を行えば最大20年以内)など。

「離婚」の支援制度

配偶者と離婚・死別してひとりで子どもを育てている人は、自治体の家賃補助が受けられます。ひとり親世帯を助ける財団の支援制度にも注目!

●習い事代の支払いが厳しい→20万円もらえる

<母子世帯養育援助金>

教育機会の格差解消を目的とした、返還義務のない援助金。東京23区で未就学の6歳以下の子どもを育てる母子世帯に、子ども1人につき20万円を幼児教育資金として給付。採用人数は500人。毎年11〜12月に募集。申請先は重田教育財団。

もらえる対象:東京23区在住の母子家庭(実質的なひとり親も含む)で、未就学の6歳以下の子どもがいて生活に困窮していることなど。

●家賃の支払いが厳しい→上限月1万5000円もらえる ※兵庫県神戸市の場合

<ひとり親世帯の家賃補助>

ひとり親を対象に、自治体が家賃や転居費用を補助。神戸市の場合、18歳未満の子どもがいるひとり親世帯に、最大6年間家賃を補助(上限月1万5000円)。また、地価の高い都市部や人口減少地域などでは、子育て世帯や高齢者世帯に家賃補助を行う自治体も。申請先は各自治体。

もらえる対象:条件は自治体ごとに異なる。神戸市の場合、神戸市内に在住または在勤し、公営住宅に落選したことなど

ピンチになったら諦めずにまず相談を

費用を払えないからと放置することや、高利なキャッシングに頼ることは危険! 学費は学校、住宅ローンは銀行にまず相談しましょう。

●住宅ローンが払えない→銀行に相談

すぐに銀行に相談を。返済額の減額、分割払いなどを検討してもらえます。今後も払えない場合も、任意整理で市場価格での売却が可能に。相談が遅れると、競売になるので注意!

●学費が払えない→学校に相談

学校に相談すると、授業料の分割や延納、奨学金への応募などを提案してもらえます。親が亡くなった場合、学校独自の父母会が緊急支援金を出してくれる私立高校・大学も多数。