米ワシントン州シアトルのウッドランド・パーク動物園で、囲いの人工池に入り込んだカモの親子をジッと見つめるヒグマのジュニパー(2)。ガラス越しに子供たちが観察している(『Daily Mail Instagram「A brown bear devours several ducklings during a child’s birthday party at the Woodland Park Zoo in Seattle, Washington.」』より)

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米ワシントン州シアトルのウッドランド・パーク動物園で4月下旬、ヒグマが人工池を泳いでいた子ガモ数羽を貪り食う光景が撮影され、TikTokに投稿されて注目されている。動画には「これはトラウマになる」という感想がある中で、「素晴らしい人生のレッスン」「まさに命の輪」といったコメントが寄せられている。米ニュースメディア『FOX 13 Seattle』などが伝えた。

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動画を投稿したのは、娘の誕生日会中だったというレイチェルさん(Rachelle)で、4月23日に大人と子供のグループでウッドランド・パーク動物園を訪れていた。

動画では、子供たちがクマの囲いの人工池をガラス越しに観察しており、5羽の子ガモを引き連れて泳ぐ母ガモと、その親子を岩の上から見つめるヒグマの“ジュニパー(Juniper、2)”が見て取れる。

そしてしばらくすると、ジュニパーが水中にジャンプして泳ぎ出し、前足で子ガモを捕まえて食べ始める。周りでは「オーノー」と声があがるも、ジュニパーはムシャムシャと口を動かしながら水中を移動。子供たちが立っているガラスに近づくと、別の子ガモを捕らえて食べ始めた。

レイチェルさんはこの動画に、「私たちが住む地域では、野生動物が自由に振る舞う姿をよく目にする。これは子供たちにとって、トラウマ体験にはなっていない」と言葉を添えており、視聴者は次のようなコメントを寄せた。

「なぜ子供たちを移動させなかったの?」
「私にとってはトラウマよ。」
「子供たちの目の前で! オーマイガー。」
「これぞ人生の一部。素晴らしい人生のレッスンだよ。」
「まさに命の輪。」
「いい学習の機会だったと思う。人生は楽しいことばかりじゃないからね。」
「自然は時に残酷だからね。それがたとえ誕生日会であってもだ。」

一方で同動物園の広報担当シニアマネージャー、ジジ・アライアニックさん(Gigi Allianic)は、「私たちの動物園は都会のオアシスで、多くの在来種の野生動物を引き寄せる魅力があるのです」と語り、水鳥が園内に巣作りしないよう対策を取ってはいるものの、自由に飛んでくるカモなどを避けることはできないことを指摘した。そして「こういったことを直視するのは難しいものの、クマや他の肉食動物がヒナを捕食するのは本能であり、サークル・オブ・ライフ(命の輪)なのです」と述べている。

なおクマの飼育係によると、ジュニパーはとても愛嬌がある性格で、まるで動物園の専属コメディアンのようだという。またよく口の中に棒などを入れており、騒がしくて目立つ存在で、もともとはアラスカ州アンカレッジの空軍基地近くをさまよっているところを保護されたメスとのことだ。現在はモンタナ州で保護された“ファーン(Fern、2)”というメスと一緒の囲いで暮らしており、2頭は通常、果物や野菜、葉菜類、肉を主に食べ、ジュニパーは特に果物が好物だそうだ。

ちなみにタンザニアの自然保護区域内では昨年、母ライオンが弱った赤ちゃんにとった行動に注目が集まった。当時の様子はカメラが捉えており、「残酷だけど、これが自然」といったコメントが寄せられていた。

画像は『Daily Mail Instagram「A brown bear devours several ducklings during a child’s birthday party at the Woodland Park Zoo in Seattle, Washington.」』『Latest Sightings 「Lioness Bites Her Cub’s Head Off」、「Lions Hunt Pregnant Wildebeest and Pull the Baby Out!」』『New York Post 「‘King Kong’ monkey batters seagull to death, eats it in wild video」(Kennedy News and Media)』『Films by Stanton TikTok「Part 2: Mother Moose Abandons Calf during Grizzly Attack」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)