麻布十番で惜しまれつつ店を閉じた、人気焼き鳥店『薪鳥新神戸』

昨年11月、新天地・赤坂で待望の復活を果たした同店。

麻布十番時代の倍以上になった空間をはじめ、要所をブラッシュアップした第二章から目が離せない!


五感全体に驚きと喜びを与える薪の炎が、誘った相手にこの上ない高揚感を抱かせる

炉窯を囲むように設えたコの字形カウンターは、どの席からでも薪の炎を見られるように設計されている。より劇場感が増し、港区らしいムードに


熱源に薪を使うという前代未聞のアプローチで、スターダムを駆け上がった「薪鳥新神戸」。瞬く間に予約の取れない人気店となったものの、再開発でオープンからわずか2年で閉店。

だが、復活を待ちわびる多くの声に応えるように昨年11月、赤坂の地で再始動を果たした。旧店とは打って変わって開放感あふれる店内に、早くも期待が膨らむ。


― Before ―


カウンター7席のみながら、そのこぢんまりとした空間が趣を感じさせた麻布十番時代の店内。


2台体制の炉窯や希少な銘柄鶏で、類稀なる個性に磨きをかけたコース

カウンターの向こうでは、大将が燃え盛る薪の火を操りながら鶏を焼き込んでいく


「コースの内容は大きく変えていませんが、炉窯がふたつになり、薪の火を自在に扱えるようになりました。肉と野菜を別々に焼けるので、焼きの精度はより上がったと思います」とは大将の疋田豊樹さん。



「高坂鶏」の胸肉と白レバーを交互に重ねた「刺身」。白レバーのピュアなコクが秀逸


新店でも「高原比内地鶏」を引き続きメインに扱うが、無菌状態で入荷可能な兵庫「高坂鶏」をミルフィーユ状に重ねたお刺身など、新たな取り組みも。



薪火に最適な鶏として選ばれたのが秋田「高原比内地鶏」。名刺代わりの「もも」は、薪ならではの薫香をまとい、パリッとした皮の内側から肉汁があふれ出る


焼き上がった串が登場すると、なるほど、ジューシー感は以前よりもパワーアップ!

香ばしい皮に歯を当てるや、鼻腔を抜ける薫香。続いて口中を潤す旨みのジュースに陶然となる。




「ふりそで」は、かんずりに赤ピーマンのペーストを混ぜた和風ハリッサをトッピング。




「手羽先」は骨を抜き、ねぎを詰めて焼き上げている。肉汁とねぎの組み合わせが最高。



コースを〆るのは名物の「薪焼きそぼろご飯」


なんと、土鍋の中には炭化した薪が!薪火で豪快に炙った鶏ひき肉だけでなく、ご飯にも薫香を付けるという、まさに唯一無二の逸品だ。

すべてコース(20,000円)より。


ワインや日本酒のラインナップを強化!

入手困難な白ワインの名手「ミシェル・ニーロン」、ブルゴーニュの新星「アルマン ハイツ」、熊本の自然が育んだ「産土 Ubusuna(うぶすな)」など、話題の銘柄もオンリスト


斯界のパイオニアは、さらなる高みを見据えている。




赤坂見附駅から徒歩2分の立地にありながら、駐車場奥のビルという隠れ家的佇まい。




控えめな看板を頼りに扉の前に立てば、そこには“火災受信盤”の文字が。不安の中、インターホンを押すと解錠される。


「休業中には海外の鶏も試しました!」


オープン前はフランスを訪れ、現地のブレス鶏なども試食した疋田さん。

「焼き鳥には、やはり日本の鶏が最適だと思いました」


■店舗概要
店名:薪鳥新神戸
住所:港区赤坂3-9-2 No.R赤坂見附 1F
TEL:非公開
営業時間:[一部]17:30〜
     [二部]20:30〜
定休日:不定休
席数:カウンター12席


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