女優の杉咲花が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜22:00〜)第1話が15日に放送され、Xではトレンド1位を記録し、さまざまな反響が寄せられている。

左から杉咲花、若葉竜也=カンテレ提供

○■『アンメット』第1話 Xでトレンド1位に

週刊漫画雑誌『モーニング』(講談社)連載中で、元脳外科医の子鹿ゆずる氏が原作(漫画:大槻閑人)の同名漫画を実写化する今作は、“記憶障害の脳外科医”という主人公が目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく医療ヒューマンドラマ。今作の主人公は、1年半前、不慮の事故で脳を損傷した脳外科医の川内ミヤビ(杉咲花)。過去2年間の記憶をすべて失い、新しい記憶も1日限り、寝て起きたら前日の記憶がなくなってしまう記憶障害に。毎朝5時に起きて机の上の日記を読み、失った記憶を覚え直すことから1日が始まる。現在は、関東医科大学病院脳神経外科の教授・大迫紘一(井浦新)の治療を受けながら、記憶をなくす前の研修先だった丘陵セントラル病院に勤務しているが、医療行為は一切行わず、看護助手として働いている。しかし、アメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)が新たに着任すると、ミヤビに「人手が足りないんだから、できることはやってもらわなきゃ困る」と言い放ち……というストーリーが描かれた。

○■杉咲花と若葉竜也のコンビに「安定感抜群」の声

主人公・ミヤビを演じる杉咲と、ミヤビの運命に大きく関わっていく三瓶を演じる若葉は、NHK朝ドラ『おちょやん』や、映画『市子』などで何度も共演を重ねており、すでに信頼関係ができているタッグ。昨今は映画を中心に活動しており、民放連続ドラマに出演することの少ない若葉は、出演を決めたきっかけを、今作を手掛けるカンテレの米田孝プロデューサーの熱意、そして杉咲から「やるよね?」と直接電話で念押しされたことも1つだと語っている。SNSでもこのコンビに「花ちゃん×若葉くんはもうすでに安定感抜群」「毎週若葉くんと花ちゃん見れるの夢じゃないよね現実よね」「杉咲花様&若葉竜也様の、さり気ない芝居の凄みに感動」との声が。





○■新たに若葉竜也を“発見”した層も

また、若葉は今作出演にあたってカメラの台数やフレームレートまで事前に確認。脚本会議から参加し、ドラマの方向性を制作陣とすり合わせたこと、自らも1月クールのドラマ数十本に目を通し、「視聴者を信頼して、説明台詞をなるべくなくしたい」などの意見を伝えたことを明かしている。そんな若葉が演じた「医師として優秀だがマイペースで変わり者」、「何を考えているか分からない、謎だらけの男だがその言動には説得力がある」という三瓶役には、「三瓶先生ぴったりじゃないか」と、ハマリ役だという声が多く、「三瓶先生、無愛想かと思えば写真にノリノリでピースしてくれるし、ミヤビちゃんと向き合ってくれるし、よいな〜」「三瓶先生にもう狂ってる」「三瓶先生が結構沼製造機」「三瓶先生良すぎて早く2話見たい」と、ファンが続々と誕生。そして「アンメットみて若葉竜也さんの事知ったんだけれど、検索しまくってしまう」「三瓶先生役の若葉さんはじめて知ったのだけど、あまりにもいい役者さんでびっくりした」「三瓶先生、お初でしたが、子役から活躍されてる方なんだ!」と、若葉を新たに発見した層も。そんな反響に向けてか、若葉竜也を見るならこの作品、この映画がオススメ、と各々が好きな若葉の出演作をレコメンドしているファンも見られた。

○■静かな手術シーンも話題に

物語終盤の手術シーンも話題に。ミヤビの医療行為の復帰戦となる、いわばストーリーの要となるシーンだが、台詞は少なく、ミヤビの視界や真剣な目、そして時計を映しながら、ドキュメンタリー映像のように淡々と紡がれた。SNSでは「何が凄いって医療ドラマなのに手術シーンが静かに淡々と進むところ。メス! とか血圧下がってます! とかよく見る過度な演出が一切ない」「ドキュメンタリーで見るような淡々とした流れだったのがリアルで震えました」「ドラマにしては無駄なセリフなく静かなのも良かった笑」「手術シーンの緊迫度が半端なく、厳かで大袈裟でない淡々としたセリフのやり取り、リアルに感じた」と反応があったが、実は若葉が「本物の手術を執刀医の隣で見せていただいて、これまでの医療ドラマや医療映画がいかにイメージだけで作っているかということも明確になったので、本当の空気感により近い、リアリティのある手術シーンもお見せできると思います」と語っており、そのねらい通りの反響が寄せられている形だ。また、杉咲は昨年秋から実技も含めた医療の基礎的な知識を監修の先生から教わっており、手技も毎日練習。プロも驚くほどの腕前になっているという。ストーリーの要でありながら、“特別感”を感じさせなかった演出は、「ミヤビが医者である」「記憶障害を持っていても、医療行為をすることに何の問題もない」と、逆にストーリーに説得力を持たせたようだ。

第1話は、現在TVerで見逃し配信中。

来週放送の第2話では、ミヤビが、“左側の感覚”を全て失う重い後遺症に悩むサッカー強豪校のエースの主治医を任される。夢を失いつつある少年に、ミヤビはどう寄り添っていくのか。















【編集部MEMO】第2話あらすじ

三瓶(若葉竜也)の助手として、記憶障害のミヤビ(杉咲花)が手術に参加したことは大きな波紋を呼び、ミヤビの主治医である大迫(井浦新)は、「危険極まりない行為だ」と院長の藤堂(安井順平)に猛抗議。看護師長の津幡(吉瀬美智子)もそれに同調する。ミヤビは、大迫の言葉を胸に、まずは焦らず後遺症のある自分にしかできないことを探そうと思い直す。そんななか、サッカー強豪校でエースとして活躍する高校生の鎌田亮介(島村龍乃介)が試合中に倒れ、救急に運ばれてくる。検査の結果、右脳を損傷している亮介には身体の左側の感覚を全て失う“左半側無視”という後遺症が残っていると判明。亮介は、左が見えないだけでなく、左側の情報を全て無視してしまう重い症状でまっすぐ歩くこともままならない。それでも、チームの仲間と全国大会出場を目指す亮介は、落ち込むどころか、サッカー復帰を目指して懸命にリハビリに励む。ミヤビはマンツーマンで亮介のリハビリに寄り添うが、やがて“つらい現実”を亮介に伝えなければならなくなる。一方、記憶障害の自分に主治医が務まるのか不安を覚えるミヤビに、三瓶は「僕がそばにいますから」と背中を押す。あくまで医者としてサポートするという三瓶のその言葉になぜか胸がザワつくミヤビ。日記で読んでも自分の感情の正体が分からないミヤビは首をかしげる。