世界初の「ビットコインを法定通貨とする」法律を作った中央アメリカ・エルサルバドルで、約5700BTCのコールドウォレットへの移動をナジブ・ブケレ大統領が発表しました。資産は換算すると4億ドル(約596億円)相当だとのことです。



El Salvador Bitcoin Treasury Is a Lot Bigger Than We Thought - Decrypt

https://decrypt.co/221866/el-salvador-bitcoin-treasury-wallet



El Salvador stashes $406 million in bitcoin in 'cold wallet': Bukele

https://www.france24.com/en/live-news/20240315-el-salvador-stashes-406-million-in-bitcoin-in-cold-wallet-bukele

El Salvador moves $400 million worth of bitcoin holdings to new 'cold wallet,' president says | The Block

https://www.theblock.co/post/282699/el-salvador-moves-over-400-million-worth-of-bitcoin-holdings-to-new-cold-wallet-president-says

ブケレ大統領はスクリーンショットとともに、保有するビットコインの一部をオフラインのコールドウォレットに保存したことを報告しました。金額は5689.68509200BTCで、ドル換算だと4億660万7655ドル。日本円にすると596億円に相当します。

エルサルバドルは2021年、世界に先駆けてビットコインを法定通貨として採用することを表明した国です。

エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用する世界初の国となる見込み - GIGAZINE



採用の理由としては、国民の約70%が現金決済を利用していて、銀行口座やクレジットカードが普及していないことや、国際送金にあたっての手数料や時間が節約できることが挙げられます。

2021年9月に法律が施行されると、ちょうどビットコイン価格が下落するタイミングだったこともあって、ブケレ大統領はビットコインの買い足しを決定。保有ビットコインを700BTCに増やしました。

ビットコイン価格の下落を受けてエルサルバドル大統領がビットコインの大量購入を発表 - GIGAZINE



ただ、ビットコインの価格は上下するものなので、2022年5月にビットコイン価格がピーク時の半値を割り込むほど下がったときには、購入総額が1億300万ドルだったのに対して価値は7400万ドルと、30%の損失を出したと推測されています。

ビットコイン急落でエルサルバドルは30%近い損失を出している - GIGAZINE



しかしその後、ビットコイン相場は底を打ち、2023年12月には約1年半ぶりに1BTC=4万ドルまで回復しました。

ビットコインが2022年5月以来初めて4万ドル(約590万円)超え、利下げ期待とETF需要でデジタル資産が2023年の回復延長にあることを象徴 - GIGAZINE



ベケレ大統領はエルサルバドルが保有するビットコインの量をときどき投稿しており、今回の発表まで保有量は2848BTCほどと考えられていましたが、実際にはその倍近い約5900BTCを保有していたことになります。

なお、エルサルバドルでは2024年2月に大統領選が行われ、ブケレ大統領が再選されています。

エルサルバドル大統領選で現職の中道右派ブケレ氏が再選(エルサルバドル、中南米) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ

https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/14d70d0f752baed8.html

ちなみに、ニュースサイトのFrance24は中央アメリカ大学の調査結果として、エルサルバドル在住の人のうち88%は2023年に1度もビットコインを使わなかったと指摘しています。