Jason Statham stars as Clay in director David Ayer's THE BEEKEEPER.An Amazon MGM Studios filmPhoto Credit: Courtesy of Amazon MGM Studios© 2024 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

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(カナダ・トロントから現地レポート)北米では2024年1月12日に封切られたジェイソン・ステイサム主演の新アクションスリラー映画『The Beekeeper(原題)』。同日に大ヒットブロードウェイの映画化作品『Mean Girls(原題)』が公開され、この2作品で米国内興収の1位を争っていたが、世界的興行収入で見ると『The Beekeeper』が1位を獲得。北米ではすでにデジタル配信がスタートしたが、それ以降も劇場に足を運ぶ人が多く、観客を魅了し続けた。

1ヶ月以上も劇場上映されている本作は、現地時間2月11日時点で米国内興収ラインキングのトップ5をキープしている。そして本作は公開直後、Rotten Tomatoesで観客スコア92%という高得点を獲得。ジェイソンの過去作品『キャッシュトラック』(2021)のスコア(90%)を上回り、早くも彼にとって代表作の一つとなっている。

ジェイソンが演じるのは、人里離れたところで養蜂家として働くアダム・クレイ。ある日、隣に住む友人エロイスがフィッシング詐欺に遭い、自殺してしまう事件が発生する。実はアダムの裏の顔は、秘密組織「ビーキーパー」の元工作員。引退していた彼は、この事件をキッカケに復讐心を持ち、高齢者や弱者を狙う詐欺集団を追跡。まずは、詐欺集団のオフィスを爆破させる。一方で、エロイスの娘ヴェローナも傷心の中FBI捜査官として現場に復帰。オフィス爆破事件やその後の事件を通し、アダム・クレイが犯人であると睨む。

(L to R) Jason Statham as Clay and Jeremy Irons as Wallace Westwyld in director David Ayer's THE BEEKEEPER.
An Amazon MGM Studios film
Photo Credit: Daniel Smith
© 2024 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

冒頭シーンからファン興奮、ジェイソン・ステイサム独特の魅力がすでに放たれている。養蜂家のつなぎ服を着ていても、明らかに強そうで “只者”ではない感が滲み出ているのだ。タイトルからは、「蜂を味方につけて攻撃するのでは」と想像してしまうが、実は蜂を使うシーンはほぼなく、はちみつを1瓶使うシーンがあるのみ。映画の大半は、グロテスクでいて爽快なアクションとなっている。

相手が泣き叫ぼうが、表情ひとつ変えず淡々と作業をするように指を切り落とし、さらには車に固定したベルトに体を縛り付け、アクセル全開で車を海へと突っ込ませる。容赦無く相手を追い込むアダムの狂気に、思わず息を呑むシーンが続いていく。

足を洗ったプロが、復讐心を持ち暴走する──『ジョン・ウィック』を彷彿とさせるストーリーだが、“巣”を守るために死ぬまで任務を遂行するという「ビーキーパー」の“組織の特徴”が物語の展開にユニークさを持たせている。アダムが一つ、また一つと、ターゲットの組織を潰していく中で、予想外な事実が明らかになっていくことから「サプライズが満載の一本」と言えるだろう。

ちなみに詐欺集団グループの首謀者デレクを演じるのは、ジョシュ・ハッチャーソン。『ハンガー・ゲーム』シリーズや、最近では『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2023)で妹想いの主人公を演じた彼が、本作ではヴィランを好演。ファンにとって見慣れない悪役だが、かなりのハマり役でもある。ブロンドに染めたヘアスタイルに、ド派手な高級ジャケットを身に纏った彼が、不安に駆られ感情を徐々に爆発させていくシーンは本作の見どころの一つでもある。

Josh Hutcherson stars as Derek Danforth in director David Ayer's THE BEEKEEPER.
An Amazon MGM Studios film
Photo Credit: Daniel Smith
© 2024 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

メガホンをとったのは『エンド・オブ・ウォッチ』(2012)や『スーサイド・スクワッド』(2016)で知られるデヴィッド・エアー。脚本は『ソルト』(2010)『X-ミッション』(2105)などのカート・ウィマーが担当した。アクション映画のベテランたちが集結した本作。北米では早くも続編希望の声が上がっている。

またここ最近、ジェイソンが出演した映画(『エクスペンダブルズ ニューブラッド』や『MEG ザ・モンスターズ2』など)の評価が高くなかったことから、『The Beekeeper』の盛り返しに、現地のファンからは歓喜の声が上がっている。高評価を受け、新たな“ジェイソン・ステイサム・アクション”『The Beekeeper』シリーズが誕生することを願いたい。

『The Beekeeper(原題)』の日本公開予定は未発表。

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