湿気対策は梅雨時期…そう考えている人も多いかもしれません。じつは「寒い季節も同様に湿気対策が必要なんです」と話すのは、50代60代の暮らしについて発信する整理収納アドバイザーの原田さよさん。原田さんが実践し、効果を感じているという4つの「押し入れの湿気対策」について詳しく語ってもらいました。

押し入れの湿気対策4つ

まだ寒い時季は室温と押し入れ内の気温差もあるため、結露が発生しやすくなります。湿気がたまりやすくい状態に。空気自体は乾燥しているので、梅雨の頃ほど湿気を気にしない人が多いかもしれませんが、じつは寒い時季も押し入れの湿気対策をした方がいいのです。

【写真】押し入れにスノコを入れて通気性をよく

わが家は次の4つのことにだけ気をつけているうちに、押し入れに湿気がたまりにくくなりました。

1:押し入れにものを詰め込み過ぎないこと

湿気がたまらないようにするためにもっともシンプルな方法は、ものを詰め込み過ぎないことです。そのためには、やはり整理してものを減らす必要があります。

そのとき、少しずつ不要なものを処分するのもいいのですが、一度押し入れの中からすべて出して確認してみるのをおすすめします。何年も触っていないものや、収納していたこと自体忘れているようなものが押入れにはありがちで、それら自体が湿気を含んでいる場合があるからです。

整理するのも押入れの中に戻すのも時間がかかるので、お天気の良い作業しやすい日を、2週間天気予報などを見て決めてみてくださいね。

ところで、家電を買ったときの段ボール箱などをそのまま押し入れに収納している人はいらっしゃいませんか? じつは私がそうでした。実家の母も同居の義母もずっとそうしていたし、それが当たり前だと思っていたのです。でも、段ボールは湿気を含みやすく虫が卵を産みつける場合もあると教えてもらい、処分することにしました。

家電が入っていた段ボール箱を処分してからは、市販の大きなビニール袋などをすぽっと被せているだけですが、これでもほどほどにホコリが入るのを防げます。こういう家電収納では不安という方は、専用の収納袋などを試してみてはいかがでしょうか。探してみるとかわいらしい柄のものもありました。

2:押し入れは通気性をよくしておく

押し入れの壁を触ったら、べたっとしていることがありませんか? そのような押し入れの中の湿気を少しでも防ぐために、スノコを置いてみるのがおすすめです。

たとえ数センチでも押し入れ内の壁と寝具とのあいだにすき間をあけておくと、風の通り道ができるからです。なお、私が押入れの壁と床に置いているのは、軽くて扱いやすいプラスチックのスノコです。

また、お天気がいいカラっとした日は、押し入れのふすまを両方少しずつ開けておいたり、押し入れに向かって扇風機で風を送ったりするのも有効ですよ。

3:除湿のためのグッズを使う

押し入れの中の除湿対策として、除湿剤を使うのも効果があります。私が除湿に使っているのは、「炭八」という調湿木炭です。以前は、使い捨ての除湿剤を置いていたのですが、炭八にしてからは買い替えの手間が減り、ラクになりました。

4:押し入れによけいな湿気を入れない

押し入れによけいな湿気を入れないことも、日ごろから意識したいところです。たとえば、ふだん使っている布団を押し入れにしまっている場合は、起きてすぐ布団を押し入れにしまうのではなく、布団に移った汗を乾かしてから、しまうことにしています。

布団をしまうタイミングをずらすだけなら、朝は時間がないという人にもやりやすいと思います。布団をしょっちゅう天日干ししたり、布団乾燥機にかけたりするより簡単です。

忙しくて、押し入れの湿気対策にまで時間を取れないという人も多いのではないでしょうか。そういう場合は、押し入れに入れっぱなしにしている不用品を捨てることだけでもかなり変わってきます。

できればその時、押し入れの隅にたまっているホコリも取っておきたいところ。ものがギュウギュウに詰め込まれておらず、押し入れの隅にホコリがたまっていないだけでも、湿気からくるカビを防ぐ効果はあるそうです。
毎日使う布団で気持ちよく眠るためにも、ぜひ押し入れを日頃からすっきりさせておきたいですね。

原田さよさんの書籍『50代はやめどき、捨てどき、楽しみどき』(扶桑社刊)が発売中。