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『キングスマン』(2014)『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)といえば、若きスパイのエグジー(タロン・エジャトン)とベテランスパイのハリー(コリン・ファース)、そして彼らを補佐するマーリン(マーク・ストロング)のトリオが大人気。ところがマーリンは、シリーズ2作目の『キングスマン:ゴールデン・サークル』で衝撃的な展開を迎えている。

『キングスマン』シリーズは、『ゴールデン・サークル』に続くハリー&エグジーだ。どうにかして、次回作にマーリンを再登場させることはできないだろうか。この記事ではマーリンのことを熱く想い、マシュー・ヴォーン監督やキャストの証言を元に、マーリン再登場ルートを必死に考える。

この記事には、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)のネタバレが含まれています。

© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation 『キングスマン:ゴールデン・サークル』マーリンの爆発

♪カントリーロード……

キングスマンの補佐として、品格ある佇まいや、その“シゴデキ”ぶりでファンに愛されたマーリンだが、シリーズ2作目の『キングスマン:ゴールデン・サークル』ではまさかの死亡。エグジー、ハリー、マーリンのトリオこそが『キングスマン』シリーズの顔だったのに、どうしてマーリンが犠牲にならなくてはならなかったのか?彼の死を受け入れられないファンは多い。

『キングスマン』1作目ではエージェント候補生への教官としても描かれ、2作目ではキングスマン補佐として麻薬密売組織ゴールデン・サークルとの戦いに同行したマーリン。3人は森の奥に隠されたポピー・アダムズのアジト「ポピー・ランド」を発見するが、いざ潜入の手前でエグジーが地雷を踏んでしまう。

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マーリンは携行品の中から取り出した冷凍スプレーで起爆装置のスイッチ部分を凍結させ、一瞬だけエグジーの足を動かす猶予を作る。タイミングを合わせ、マーリンが代わりに地雷を踏み直すことで自ら身代わりになるという決死策だ。

マーリンはハリーとエグジーに全てを託し、自身は地雷の上に止まって、敵の注意を引く捨て身作戦に出る。カントリーを愛するマーリンは「カントリー・ロード」を高らかに歌い、敵兵をたっぷり引きつける。時折、身をひそめるハリーとエグジーに最後のアイコンタクトを送りながら。

敵兵の一人を頭突きでノックアウトさせると、銃を構えた別の4人が接近してくる。カントリー・ロード。ふるさとへの道。私を連れて行っておくれ。なおも歌うマーリン。ハリーへ、エグジーへ、最後の奉仕。最終節を歌い上げると、ついにマーリンは脚を離す。閃光が広がって、黒煙がのぼり、砂埃や小石、誰かの身体の一部が飛散する。

本当にマーリンは死んでしまったのだろうか?なんとかして、生き延びていたということはないだろうか?『キングスマン』シリーズは『ゴールデン・サークル』に続くメインサーガ第3作がが、どうにかしてマーリンに再登場いただきたい。もう一度、ハリーとエグジーと共にスーツ姿で並んでいるところが見たい。もしも、マーリンが生き延びていたら……その可能性を考える。

マーリン、実は生きている説

まず念頭にお伝えしたいのが、ハリウッド映画における鉄則「死体を見ていなければ、死んでいないかもしれない」というセオリーである。『スター・ウォーズ』や『ワイルド・スピード』などでは、死亡したと思われたキャラクターが、このガバガバ理論で何人も再登場している。

マーリン爆発シーンをよく見直してみよう。マーリンが覚悟を決めて脚を離したと見られるカットの直後に爆発のカットに切り替わっている。赤と黒のジャケットを着た敵兵がバラバラになって吹き飛ぶ様子は映像で確認できるが、マーリンもそうなったとは限らない。

つまり、我々はマーリンの死体を見ていないのだ!聡明で機転の効くマーリンなのだから、爆発までに何か別の策を打っていたと考えてもおかしくないだろう。

それに、もしもマーリンが本当に爆破に巻き込まれていたとしても、である。少なくとも下半身は吹き飛び、間も無く生き絶える瀕死状態に陥ったかもしれない。しかし、それでも生きられるチャンスがあるのが、ハリウッド映画なのであり、『キングスマン』なのである。

『キングスマン』における復活チャンス

『キングスマン』シリーズには、死んだと思われていた人間が復活する先例がしっかり存在する。まずはハリーである。1作目でリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)によって銃でドタマをブチ抜かれたが、直後に駆けつけたステイツマンのジンジャーが救護していたことが続編で判明。「アルファ・ジェル」なる頭部被弾用の応急処置によって脳を保護した後、ラボでマイクロボットによって損傷を修復している。記憶喪失と若年退行の副作用が一時残ったものの、「頭を撃たれても蘇生できる」のがキングスマン・ワールドなのである。

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また、1作目でエグジーのライバルだったエリート階級のキングスマン候補生チャーリー・ヘスケスも、エグジーの攻撃によってヴァレンタインのチップが損傷していたことでドタマ爆発大花火を免れた。エグジーはすっかり死亡したものと信じ込んでいたが、『ゴールデン・サークル』ではサイボーグの腕と声帯と共に再登場しているのだ。

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ハリーとチャーリーの前例に倣えば、マーリンも復活できる余地は十二分にある。爆発の直後、ハリーとエグジーが「ポピー・ランド」で大激闘を巻き起こしていた裏で、実はマーリンのもとに救援が駆けつけていたとしたら?マーリンはラボでマイクロボット手術を受け、サイボーグの半身と共に生きながらえているのかもしれない。

「マーリンが生き延びる結末」撮影されていた!

実のところマシュー・ヴォーン監督は、当初はマーリンを爆発から生き延びさせる展開を用意していたのだ。『ゴールデン・サークル』公開後ので、「みんなマーク・ストロングのキャラクターが大好きなんです。本当に続編には登場しないのですか?」と尋ねられると、「『キングスマン』の良いところは、ルールがないということです。マークのことは寂しく思います。彼との仕事が大好きですから。なので、どうなるでしょうね」と、含みアリアリな回答。さらに、そして最も重要なことに、ヴォーンはこう続けているのである。

「彼は可哀想でしたよ。実は、彼が死ななかったバージョンも撮影したんです。だから、彼(マーク)が本編を見た時は、“えっ?”と驚いていました」

この“マーリンが死ななかったバージョン”については、マーリン役を演じたマーク・ストロングが『ゴールデン・サークル』公開直後に詳しく解説している。

この記事には、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)のネタバレが含まれています。

マーリン、やはり生きていた?『キングスマン:ゴールデン・サークル』幻の別エンディング

『キングスマン:ゴールデン・サークル』米公開直後にマーリン役のマーク・ストロングが米に明らかにしていたところによると、ある時マシューから「この映画でマーリンが死ぬことになるんだけど、どう思う?」と電話がかかってきたという。マークは「あまり良い気はしないけれど、映画のために必要なら」と答えたそうだ。

その後、ヴォーン監督はマーリンについて「爆破されるが、生き延びる」ことにすると考えをあらため、マーリンが生き延びるエンディングを撮影した。

その幻のバージョンで、マーリンは一体どうやって爆死を免れていたのか?カギとなるのが、映画の中盤で、ポピー・アダムス(ジュリアン・ムーア)の麻薬を摂取したテキーラ(チャニング・テイタム)が、青く血走ってダンスを踊り、バタリと倒れるシーン。この時テキーラは青いスーツを着ていたが、実はこれはステイツマン製の防弾スーツなのだそう。

この青いスーツ、クライマックス目前でハリー、エグジー、マーリンが専用機に乗って敵地に向かうシーンで、大量の武器を秘蔵していたビリヤード台の中に同じものが格納されている。ストロングによれば、マーリンはあらかじめこれを着込んでいたので、爆破に巻き込まれながらも一命を取り留めていたというのだ。

さらにストロングが認めているところによると、爆発シーンの後、ハリーとエグジーがポピーのダイナーで泣いているところに、脚を失ったマーリンが犬用のフラップから這って入ってきて、「何を泣いているんだ、手を貸してくれ!」と言うシーンを撮影したのだという。その後、映画終盤にはエグジーの結婚式のシーンがあるが、マーリンも義足と共に参列したのだといい、撮影も行われている。実際にストロングが合成用の緑のズボンを履いて撮影現場に加わっている様子の写真も残っており、『キングスマン』原作コミックのマーク・ミラーも、事実だと。

しかしストロングによれば、この展開はテスト試写で評判が悪かったのだそう。マーリンと感動的に別れたと思いきや、その5分後にまた再登場したことで、観客からはウンザリされてしまったということだ。

そういうわけで、マーリン生存ルートは最終的に排除された。しかしヴォーン監督が「マーリンが青い防弾スーツを着用していた」という設定を考えていたのは事実のようだし、爆発後のマーリンが地を這うショットも撮影していたわけである。つまり、この設定や映像を活用すれば、実は生き延びていたマーリンが次回作に登場するのは可能というわけだ。

確かに『ゴールデン・サークル』であっという間に再登場させていれば興醒めになったかもしれないが、それから既に6年ほどが経過している。もう我々は十分、マーリンのために喪に服した。お願いマシュー・ヴォーン、マーリンを再登場させて!

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