コロナ禍を経て息を吹き返した外食トレンドからも目が離せない! 今回はフードライター中山秀明さんと「GetNavi」フード担当・鈴木翔子さんに「定番チェーンのプレミアムバーガー」「TKM」「24時間営業スイーツ店」について聞いてみた。

※こちらは「GetNavi」 2024年2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

 

■フードライター中山秀明さん
食のトレンドに詳しいフードアナリスト。個人的には「お手ごろうなぎチェーン」が特に激アツだと豪語する。

 

■「GetNavi」フード担当・鈴木翔子

本誌のフードを5年以上担当。酒好きが高じ、しばしばバーでも働いており、酒トレンドに詳しい。

 

物価高だからこそ高付加価値でトガらせる「定番チェーンのプレミアムバーガー」

なぜチェーン店がこぞってプレミアムバーガーを投入するのか。背景には、「物価高だからこそ、手の届く範囲でおいしいものを食べたい」という消費者ニーズと、客単価を上げたいという店側の狙いがある。紹介した品以外にも、ウェンディーズ・ファーストキッチンやバーガーキングも高価格メニューを展開。また、J.S.バーガーズカフェは4種のプレミアムバーガーを通常メニューに昇格。グルメバーガー店でも高付加価値化の動きが起きている。

 

黒毛和牛を使ったパティに甘酒が隠し味のソースが絡むリッチな味

モスバーガー
一頭買い 黒毛和牛バーガー
特製テリヤキソース〜ゆず胡椒風味〜
790円

一頭買いした黒毛和牛を希少部位まで贅沢に使ったパティを使用。甘酒を隠し味に使うことでコクと奥行きを出した専用のてりやきソースには、爽やかな香りと風味が特徴の九州産ゆず胡椒を加えている。

 

神戸ビーフにバターなどリッチな素材の味を凝縮

フレッシュネスバーガー
神戸牛バーガー(右)/神戸牛チーズ
バーガー(左)
930円(右)、1030円(左)

日本三大和牛に数えられる神戸ビーフを使ったパティに、玉ねぎの旨味が満載の熟成シャリアピンソースを合わせたバーガー。提供直前にバターを加えひと煮立ちさせたソースを使うため、芳醇な風味が口いっぱいに広がる。

 

【ヒットアナリティクス】日本由来の高級食材でインバウンド対策にも

「インバウンド客の増加もトレンド背景のひとつ。海外では黒毛和牛はより希少かつ高価であり、安価で食べられる日本のプレミアムバーガーは垂涎の品。2024年はいっそう高級バーガーが増えるはず!」(中山さん)

先進技術:1 顧客ニーズ:4 市場の将来性:4 独自性:2 コスパ:3

 

埼玉県発のユニークな食トレンド「TKM(たまごかけ麺)」

2018年、埼玉の熊谷に開業した「ゴールデンタイガー」が発祥と言われるTKM。その後、このメニューを採用するラーメン店などが増え、2024年はいよいよ全国区へと飛び火するかも!

ゴールデンタイガー
TKM
700円

つるんとしたのど越しが気持ち良い冷やし和え麺

もっちりとした太く冷たい自家製中華麺に、濃厚な出汁しょう油と生卵などを絡めて味わう新時代のシンプルなラーメン。2023年には姉妹店もオープンした。オンラインショップからも購入できる。

 

【ヒットアナリティクス】業界の有名店主が手がけるメニューの影響もデカい

「TKMの認知拡大には、有名店主が2022年に開業した『釜玉中華そば ナポレオン軒』の影響も大きいです。同店は首都圏を中心に徐々に増えており、全国的に広がっていく日はそう遠くないかもしれません」(中山さん)

先進技術:1 顧客ニーズ:4 市場の将来性:4 独自性:4 コスパ:3

 

利便性ほか豊富な品揃えやおトクさもポイント「24時間営業スイーツ店」

非接触が求められたコロナ禍で冷凍自販機や専門店が一気に増えたが、アフターコロナはスイーツを24時間販売する無人店舗が拡大中。人気の理由は、ここならではの品揃えやリーズナブルな価格にある。

24
スイーツ専門無人販売所

SNS映えするスイーツが100種類以上並ぶ様は壮観!

2023年1月に1号店を開業後、月によっては10店舗以上の新店がオープンするなどハイスピードで拡大中。映えスイーツを中心に、コンビニやスーパーにはない商品を、常時100種以上ラインナップする。リーズナブルな価格も魅力だ。

 

【ヒットアナリティクス】コンビニ感覚で利用できる手軽さが話題

「何店舗も周らなければ揃えられないトレンドスイーツが一堂に介する様は、まるでスイーツフェス。24時間営業でコンビニ感覚で利用できるのもポイントです。流行りの商品を取り入れるスピードも速い!」(鈴木)

先進技術:2 顧客ニーズ:4 市場の将来性:4 独自性:4 コスパ:3