1年半ぶり｢正直不動産｣キーマンが語る見どころ

2024年1月3日 9時30分

ドラマ『正直不動産2』についてキーマンたちが語り合った（写真左より『正直不動産』作画担当の大谷アキラさん、ドラマ『正直不動産2』で、月下を演じる福原遥さん、永瀬財地役演じる山下智久さん、原案者の夏原武さん、脚本担当の水野光博さん）

2022年4～6月に放送され、大好評を博したドラマ『正直不動産』。このたびスペシャルドラマ、そしてシーズン2が放送される。スペシャルドラマでは、主人公であるやり手不動産営業マン・永瀬財地（ながせ・さいち）が不動産屋を志したときの想いが甦るエピソードが描かれ、シーズン2では、永瀬の最大のライバルである神木涼真が登場する。

それ以外にも、十影健人、黒須圭佑といったクセの強いキャラクターが次々と加わり、永瀬が働く登坂不動産と、競合・ミネルヴァ不動産の戦争が、その激しさを増していく。

登坂不動産の永瀬・月下コンビを演じる山下智久・福原遥と、原作漫画『正直不動産』著者3人がシーズン1、SP、シーズン2について大いに語り合った――。

シーズン2に出演できるのは俳優にとって最も光栄なこと

水野：間もなくSPドラマ、そしてドラマ『正直不動産2』の放送開始です。また火曜10時が待ち遠しくなりますね。

山下：ありがとうございます。シーズン2に出演できるということは、俳優業をさせていただいている中で、最も光栄なことの1つだと思っています。多くの方にシーズン1を共感していただけたからこそ実現することなので。永瀬財地を再び演じられることを嬉しく思います。

福原：私も大好きな月下をまた演じることができて嬉しいです！

夏原：否が応にも期待が高まるよね。漫画の実写化って、「おいおい、そりゃないだろ」みたいなことも多いでしょ。『正直不動産』は、ドラマの脚本を担当していただいた根本ノンジさんが原作をすごいリスペクトしてくださって。シーズン1、毎話面白かったなあ。事前に台本をいただいていたんで、毎週放送直前に「今日はバスタオルを用意しておいてください！」とかX（旧Twitter）で勝手に宣伝してました。あっという間に10話が終わってしまったんでロス感がすごかったよ。

大谷：すごくいい意味で漫画とドラマが別物で。僕はもうテレビ画面に永瀬と月下が映るのを見ているだけで嬉しかったです。気づいた読者がいたかもしれませんが、シーズン1の放送中に作画した回は、山下さんに引っ張られたのか、永瀬をいつも以上にイケメンに描いてしまって。シーズン2では引っ張られないように頑張ります。

水野：僕もドラマにかなり引っ張られましたね。スランプというか、ドラマに負けないシナリオをと力が入って、いつも以上に筆が遅くなり、大谷さんに迷惑をかけてしまいました。シーズン2が始まると、また締め切りを守れなさそうなので、今カメラマンの背後にいる担当編集者と極力目を合わせないようにしています（笑）。

夏原：ハハハハハ。2人が目の前にいると、シーズン1のラストシーンを思い出すなあ。2人の後ろ姿のシーン、すごくよかったです。

山下・福原：ありがとうございます。

大谷：僕は山下さんと山粼（努）さんとの掛け合いのシーンが、すごい印象に残りました。

山下：努さん、アドリブを多用する方なんです。努さんのアドリブを受け、一度勇気を振り絞って僕もアドリブで返したんです。その日の夜にメールをいただいて。「君は僕に気を遣わなくなった。嬉しかった」って。すごい感動しました。　

「うちは正直営業！」単行本を置く不動産屋が増加

夏原：今日は、2人にお礼を言わなければと思って来たんだけど、ドラマの影響が本当に大きくて、取材がしやすくなったんだよ。「ドラマ、見ました！」って。以前はなかなか取材できなかった人も、「こういう話があるんだ」って向こうから話してくれることもあるくらいで。最近、『正直不動産』の単行本を店頭にセットで置いてある不動産屋も多いしね。「うちは正直営業、カスタマーファーストです！」って（笑）。みなさん、「うちにも山下くんや福原さんみたいな営業がいたらいいのに」って口を揃えます。

山下智久さん

山下：ドラマを見てくださった視聴者の方に不動産に関する知識を知っていただけたり、エンドユーザー思いの不動産屋さんが増えたり、相乗効果があるのは改めて嬉しいですね。

福原：私もドラマを通してすごい勉強させてもらいました。

水野：シーズン2の撮影現場の雰囲気はどうですか？　周囲の期待が高まってプレッシャーがあったりもしますか？

山下：もちろんプレッシャーもありますけど、現場はすごくいい雰囲気です。いい流れにちゃんと乗れてるんじゃないかなと思います。

福原：撮影現場には、いい風がいつも吹いてます！　

大谷：うまいこと言いますね（笑）。

福原：月下は大好きな役なんで、テンションが自然と上がっちゃうんです。

水野：“正直不動産”でよくエゴサーチするんですけど、福原さんはトークイベントで、「月下は2番目くらいに好きな役です」って発言されてますよね。そこは1番と言ってほしかったです（笑）。

福原：す、すみません、すみません！

水野：ちなみに1位は何役ですか？　

福原遥さん

福原：もちろん、今まで演じさせていただいたどの役も大好きなんですが、朝ドラ『舞いあがれ！』の岩倉舞役は思い入れが強くて。今も舞と一緒に生きている感じがするというか。だから舞が1位かなって。でも『舞いあがれ！』では、父親だった高橋克典さんが、『正直不動産』ではライバル会社の社長なので、正直に言うとまだ少し顔を合わせたくなくて。バチバチしなければいけないのに、好きな気持ちが溢れてしまいそうで（笑）。

夏原：再会ということでは、市原隼人くんがシーズン1終了後の『正直不動産感謝祭』で、「パート2があった暁には永瀬と同棲しながら出社したい」って言ってたね。

山下：ハハハハハ。やっぱり再会って嬉しいですね。役者だけでなく、実はスタッフさんもシーズン1とほぼ同じなんです。ちなみに、風を吹かせる専門のスタッフさんもシーズン1と同じ方です。

福原：シーンに合わせて、優しい風、激しい風、風のバリエーションがすごいんです。そのスタッフさんと山下さんの息が合っていて、シーンにぴったりの風が吹くので、思わず拍手しちゃいます。

神木、黒須、十影…永瀬に負けない濃いキャラが勢揃い

大谷：シーズン2では登場するキャラクターが増えますね。神木を演じるディーン・フジオカさんの演技が楽しみです。

山下：ディーンさんとは初めてご一緒させていただくんですが、役的にミステリアスな部分があって、想像を掻き立てられますね。対峙したとき、不穏な世界に誘われるというか、ゾクゾクッとするものがあります。

福原：神木さんだけじゃなく、黒須さんや十影くんもシーズン2には登場するんです。

山下：本当に濃いキャラ揃いなんです。僕たち2人のキャラも濃いのに、そこに負けないキャラだらけで。黒須に至っては日サロで肌を焼いてツーブロック、ギラギラしていて原作の完全再現です。

大谷：黒須や十影は原作でも人気のあるキャラなので登場が楽しみです。

福原：月下が十影くんのことを「Z世代だから」って言うセリフがあるんです。十影くんって、漫画でもZ世代の特徴をわかりやすく表現したキャラだと思うんですけど、ちょっと気になって家に帰って調べたら、月下も私もまさにZ世代でした（笑）。

皆：ハハハハハ。

水野：最後にシーズン2の見どころを教えてください。

福原：徐々に明らかになる神木さんのバックボーンは興味深いですね。私が演じさせていただく月下には、十影くんという後輩ができて教える立場になったので、少しだけ成長した月下の姿をぜひ見てほしいです。

山下：たしかに各キャラの成長は見どころの1つですね。永瀬も月下に引っ張られている部分があると思うので、変わりつつ、進化していく永瀬を演じることが僕の中でシーズン2のテーマになっています。

『正直不動産2』のキーマンの5人（写真後列左より『正直不動産』原案者の夏原武さん、作画担当の大谷アキラさん、脚本担当の水野光博さん、前列左よりドラマ『正直不動産』で永瀬財地を演じる山下智久さん、月下を演じる福原遥さん）

夏原：大谷先生は、シーズン1では毎週放送直前に役者さんのイラストを描いてXにポストしてたよね。シーズン2でもイラストを描くの？

福原：私、イラストを拝見しました。すごく嬉しかったです！

大谷：福原さんに喜んでもらえたからには、今回も頑張って描きます（笑）。

水野：気の早い話ですが、原作のネタを集めてくる夏原さんの頑張り次第では、漫画の連載はこれからも続けられますよね。ドラマもシーズン3と言わず、4、5、6と続くんじゃないですか？

夏原：もちろん続いたらいいよね。ただ、それはNHKさんが決めることだから。ドラマが続くかどうかはNHKに聞いてくれ！

皆：ハハハハハ。

『正直不動産スペシャル』＆『正直不動産2』　
【放送予定】特集ドラマ『正直不動産スペシャル』2024年1月3日（水）総合よる9:00～10:30
ドラマ10『正直不動産2』2024年1月9日（火）～3月12日（火）
総合テレビ＆BSP4Kよる10：00～10：45（毎週火曜日・全10話）
【原作】大谷アキラ（漫画）夏原武（原案）水野光博（脚本）
【脚本】根本ノンジ・清水匡・木滝りま
【出演】山下智久福原遥市原隼人泉里香長谷川忍・松本若菜板垣瑞生
伊藤あさひ財津優太郎馬場徹松田悟志／ディーン・フジオカ・山粼努・大地真央／倉科カナ高橋克典草刈正雄ほか

（プロフィール）
大谷アキラ　
漫画家。『正直不動産』作画担当。過去作に、『ツール！』『ニッペン！』『機動戦士ガンダムFAR EAST JAPAN』（原作・矢立肇、原作・富野由悠季）など。

夏原武　
作家、ルポライター。『正直不動産』原案者。漫画原作担当作品に、『クロサギ』『逃亡弁護士成田誠』『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』『カモのネギには毒がある-加茂教授の〝人間〟経済学講義-』など多数。

水野光博　
ライター。『正直不動産』脚本担当。漫画原作担当作品に、『Deep3』。漫画脚本担当作品に、『ちいさいひと青葉児童相談所物語』『新・ちいさいひと青葉児童相談所物語』など。

山下智久
俳優、アーティスト。『正直不動産スペシャル』『正直不動産2』主演。近年の出演作に、『TOKYO VICE』『正直不動産』『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』『神の雫/Drops of God』など。「MTV VMAJ2023」にて『Sweet Vision』が「Best R&B Video」を受賞。