GoogleがiPhoneやiPadのデフォルト検索でいるためにAppleに支払っている金額の最新データについて、資産運用情報を扱うアライアンス・バーンスタインが「年間180億ドル(約2兆6800億円)から200億ドル(約3兆円)」と推計していることが明らかになりました。これはAppleの年間営業利益の14%から16%に相当します。

Google pays Apple $18B+ a year to keep its search in iPhone • The Register

https://www.theregister.com/2023/10/10/google_pays_apple_18_20_claims_bernstein/



Google search payment 14-16% of Apple's profits; impact of ban

https://9to5mac.com/2023/10/11/google-search-payment-aapl-profits/



Apple could be out $20 billion a year if Google loses antitrust case

https://appleinsider.com/articles/23/10/11/apple-could-be-out-20-billion-a-year-if-google-loses-doj-antitrust-case

Googleは独占禁止法違反の疑いで司法省に訴えられています。アライアンス・バーンスタインは独禁法裁判がAppleに潜在的な影響についての調査を行ったとのこと。

裁判では、GoogleがAppleと結んでいる「情報サービス契約(ISA)」がGoogleによる反競争的行為の例の1つとして取り上げられています。Google側証人として出廷したAppleのエディ・キュー氏は、iPhoneやMacなどに標準搭載されているブラウザ「Safari」でデフォルト検索エンジンがGoogleに設定されていることについて「Googleが最良の検索エンジンだから」と述べ、代わりがなく、契約更新時にも「契約しないというのは考えたことがなかった」と証言しています。

AppleがGoogleとの契約をやめる可能性について「考えたことがなかった」とサービス担当重役が証言 - GIGAZINE



ニュースサイト・The Registerによると、アライアンス・バーンスタインは報告書で「連邦裁判所がGoogleに不利な判決を下し、Appleとの検索契約の解除を強制する可能性があると考えている」と記しているとのこと。

ISAの詳しい内容は当然非公開ですが、「Googleがデフォルト検索エンジンであり続けるためにAppleにお金を支払っている」ことは公然の秘密状態となっていて、金額も何度か明らかになってきています。2017年時点では、年間30億ドル(約4400億円)を支払っていると報じられています。

GoogleがAppleに検索のため3年で3倍増の年間3000億円超えを支払っているのにウィンウィンの理由は? - GIGAZINE



アライアンス・バーンスタインは、最新の契約においてGoogleが支払っている額が「年間180億ドル(約2兆6800億円)から200億ドル(約3兆円)」で、Appleの年間営業利益の14%から16%に相当すると推定しています。

なお、裁判はあくまでGoogleの独占禁止法違反を問うものであり、Appleが何かを問われているわけではありませんが、影響を受けて、デフォルト検索エンジンとしてGoogle以外を選択する可能性があるほか、端末のセットアップ時にデフォルト検索エンジンの選択肢を出す可能性も出てくる」とアライアンス・バーンスタインは述べたとのこと。

ちなみに、さらなる選択肢として、アライアンス・バーンスタインはAppleが独自の検索エンジンを作る可能性があるものの、「規制当局ににらまれるので、当面は実現は難しい」と言及しています。