3回二重整形した女性が“一重に戻した”ワケ「他人の価値観で自分を傷つけていたのが本当に馬鹿らしくなった」
「一重の時代を私がつくる」をモットーに、TikTokやYouTubeで自身の整形体験やメイク術などを配信している美容系インフルエンサーの加藤由起さん。もともとは一重がコンプレックスだったという彼女は、中学時代に二重整形しましたが、その数年後に一重に戻すことに。なぜ、コンプレックスだった一重に戻したのか。そこには、容姿へのコンプレックスに悩むつらさを知っているからこそ、「一重もかわいいんだよ」と伝えていきたい想いがあるといいます。
【画像22枚】「二重になってもバカにされた」由起さん二重整形を繰り返した中高時代から自信を持てるようになった“一重”の現在まで
■「お前、目ちっさ!」いじられキャラとして必死に明るく振る舞っていた学生時代 家では鏡の前で大号泣
――「一重の時代を私がつくる」というTikTokの投稿には、「一重で悩んでたから、少し自信ついた」「周りの流行りに流されず自分を貫いてるのかっこいい」などさまざまなコメントが寄せられていました。
【加藤由起】一重も二重もそれぞれ違って美しいはずなのに、日本は小さな美の価値観だけで「一重は劣っている」という考え方になる。私もそうでしたが、それを学校とかで言われると、小さい頃はその箱の中の世界が全てだからすごく傷ついて、二重こそが正義と考えだすのです。だから、そういう価値観を小さな世界で作っちゃった子に、「一重もかわいいんだよ」って教えてあげたい。そのきっかけになれたらすごくうれしいです。
――中学生の頃に二重整形をしたそうですが、そもそも整形をしようと思ったきっかけは?
【加藤由起】昔からずっといじられキャラだったこともあり、よく顔のこともいじられていました。小学校時代から、二重の子に「由起っていつも眠そうだね」とか「やっぱり二重がいいよね」などと言われたりして。そういうなかで育ったので「一重はダメなんだ」と思うようになっちゃったんです。
中学に行ったら、今度は男子に「お前の目、ちっさ」とか「ファニーフェイス」などと言われるように。学校では明るく振る舞っていたけど、家ではつらくてずっと鏡を見て泣いたりしていました。ある時、そんな姿を親に見られてしまって「そんなにつらいならコンプレックスは除去しよう」って言われたんです。それがきっかけでした。
――一二重にしたときの周りの反応はどんな感じでしたか?
【加藤由起】それでも「なんか二重になってんじゃん」って馬鹿にされましたね。二重にしても結局みんなにいじられるし笑われているし、そこまでかわいくなれてないと思えて、結局コンプレックスのままでした。
――そのような思いを抱えながら、過ごされていたのですね。
【加藤由起】そうですね。高校時代も三枚目キャラだったこともあり、友達は多かったのですが、友達と話していても「私のことブスだと思っているんだろうな」ということばかり気になって、あまりうまく笑えていないような感じでした。みんなからはそうは見えていないと思うんですけど、自信はありませんでした。
今思うと当時の自分は笑われて当然の顔だと思っていて、人に自分の容姿を馬鹿にされることを許していました。「自分の容姿について人からとやかく言われるのはおかしいこと」だと知らなかったんです。
■留学先での体験で容姿への価値観に変化「なんであんなに自分で自分をいじめていたんだろう、と思えた」
――そこから一重に戻したそうですが、それはなぜですか?
【加藤由起】二重埋没を3回して、まぶたがぼよんぼよんになったにもかかわらず、つけまつ毛や濃い化粧をしていたから、まぶたがすごく垂れ下がっちゃったんです。それで病院に行ったら、「眼瞼下垂というまぶたの病気です」と。「治すには、一重か二重、どっちにしますか?」と言われたんです。
――一それは究極の選択ですね。
【加藤由起】「医療的には二重が楽です。長期的にもいいですよ」と二重のほうをすすめられたのですが、私は一重をお願いしました。 手術当日にもお医者さんに「本当に一重でいいの?」と聞かれたのが印象的です。一重を希望する人はいないらしく、かなり驚かれました。
――コンプレックスだった一重に戻そうと思ったのは、どういった想いがあったのでしょうか?
【加藤由起】留学が大きかったです。留学先のアメリカでは、自分の容姿を「私って太っているわ」なんて言うと、めっちゃ怒られるんです。「あなたはそんなことない。素敵だから」と。人の容姿についてからかったり馬鹿にしたりする人は白い目で見られる。さまざまな国籍や生まれの方が多いので、違っていることが当たり前で、違っているほうがいい!みたいな、同じであることに対して魅力を感じてない人たちの集まりでした。
あるとき、昔の私の写真を見せたら、「すごいかわいいじゃん」って言われました。二重の外国人は多いから、一重の人がすごく魅力的みたい。彼らと一緒に過ごしているうちに、“二重は正義”みたいな日本の小さな世界の美の価値観、そういう他人の価値観で自分を傷つけていたことが本当に馬鹿らしくなっちゃったんです。あとは、自己肯定感の高い子と親友になったことも一つあります。彼女から「自分を一番愛する」価値観を学び、自分でも取り入れるようになりました。
そういったことを経て、あらためて小さいころの自分の写真を見返した時、「すごくかわいいのに、なんであんなに自分で自分をいじめていたんだろう」と思えて。今度は自分自身をちゃんと愛せるから、一重の自分としてやり直したいと思ったんです
――実際に一重に戻されて、ご自身としてはどう感じましたか?
【加藤由起】元の自分に戻れてうれしかったし、今もすごく気に入っています。クールなメイクなどを練習するのも楽しいし、何より自分がこんなに強くなって戻って来られたことがすごくうれしいです。「人は変われる」と証明できた気がします。
――二重に整形したときと一重に整形したときでは、ご自身のコンプレックスやルッキズムへの考え方にどんな変化がありましたか?
【加藤由起】二重に整形したときは、見た目を変えて自信を持とうとか周りに認めてもらいたい気持ちが大きく、顔面コンプレックスだらけでしたが、一重に戻した今は、本当に自分を心から愛せるようになれたので、これからはこの顔で生きていこうと思っています。もう顔にコンプレックスはないですね。
■「世の中は全員私の顔を否定してくると思っていた」悩みを乗り越えて見えた“今後の夢”
――現在はSNSで自身の整形や価値観を発信していますが、こうした活動の背景にはどんな想いがあるのでしょうか?
【加藤由起】私が小さい頃、「一重は劣勢」と言われ、小さな価値観のなかで自分の顔をいじめてしまいました。そのときに、「あなたもかわいいよ」「あなたの一重も素敵だよ」と言ってくれる人がいたら、一重に対する価値観は変わっていただろうし、顔面コンプレックスもそこまで深刻にならなかったと思うんです。
日本の一重メイクを調べると、やっぱり一重にコンプレックスを持っている人が多くて、「二重になれない私たち」みたいなタイトルの動画もある。そういうものを見たら「一重はダメなんだ」と刷り込まれちゃう。だから、そういったことを覆したいと思って、「一重もかわいいんだよ」とポジティブに発信しています。
――最近は整形がカジュアルになった一方で、ルッキズムが加速している側面もありますが、そうした現状についてはどのように感じていますか?
【加藤由起】TikTokなどのSNSを若い子はよく見ていると思いますが、人の容姿に対して「ブスは調子に乗るな」みたいな辛辣なコメントが結構多い。それを見て整形に踏み込んじゃう子もいるかもしれませんが、見るのをやめる選択をするだけで世界が変わるので、一旦そういうものを断ち切る勇気を持ってほしいです。
――とらわれすぎないことが大事ですよね。
【加藤由起】私も昔は、世の中は全員私の顔を否定してくると思っていたのですが、みんなそれぞれ考え方は違うし、自分を批判してくる人だけではない。もし周りに容姿をからかってくる人がいるのなら、そこから抜け出す勇気を持って、自分を本当に愛してくれる人や友達を作ると世界が変わると思います。
――今後の展望について教えてください。
【加藤由起】モデル業に挑戦したいです。それは一重の女子のためでもあって、自分との約束のためでもあります。一重で自分に自信がなかった頃は、雑誌で二重のモデルさんを見ると苦しかった。みんな二重で顔が小さくて細くてというのが定型でしたからね。
雑誌が並んでいるのを見て、自分が批判されているような感じがしてつらかったから、その日本の狭い美の価値観を覆したいと思っています。私が表に出ることで勇気づけられる子はいると思うので、そういった女子をもっと輝かせて、いろんな美の価値観があるということを日本に植えつけられる存在になりたいです。
■「お前、目ちっさ!」いじられキャラとして必死に明るく振る舞っていた学生時代 家では鏡の前で大号泣
――「一重の時代を私がつくる」というTikTokの投稿には、「一重で悩んでたから、少し自信ついた」「周りの流行りに流されず自分を貫いてるのかっこいい」などさまざまなコメントが寄せられていました。
【加藤由起】一重も二重もそれぞれ違って美しいはずなのに、日本は小さな美の価値観だけで「一重は劣っている」という考え方になる。私もそうでしたが、それを学校とかで言われると、小さい頃はその箱の中の世界が全てだからすごく傷ついて、二重こそが正義と考えだすのです。だから、そういう価値観を小さな世界で作っちゃった子に、「一重もかわいいんだよ」って教えてあげたい。そのきっかけになれたらすごくうれしいです。
――中学生の頃に二重整形をしたそうですが、そもそも整形をしようと思ったきっかけは?
【加藤由起】昔からずっといじられキャラだったこともあり、よく顔のこともいじられていました。小学校時代から、二重の子に「由起っていつも眠そうだね」とか「やっぱり二重がいいよね」などと言われたりして。そういうなかで育ったので「一重はダメなんだ」と思うようになっちゃったんです。
中学に行ったら、今度は男子に「お前の目、ちっさ」とか「ファニーフェイス」などと言われるように。学校では明るく振る舞っていたけど、家ではつらくてずっと鏡を見て泣いたりしていました。ある時、そんな姿を親に見られてしまって「そんなにつらいならコンプレックスは除去しよう」って言われたんです。それがきっかけでした。
――一二重にしたときの周りの反応はどんな感じでしたか?
【加藤由起】それでも「なんか二重になってんじゃん」って馬鹿にされましたね。二重にしても結局みんなにいじられるし笑われているし、そこまでかわいくなれてないと思えて、結局コンプレックスのままでした。
――そのような思いを抱えながら、過ごされていたのですね。
【加藤由起】そうですね。高校時代も三枚目キャラだったこともあり、友達は多かったのですが、友達と話していても「私のことブスだと思っているんだろうな」ということばかり気になって、あまりうまく笑えていないような感じでした。みんなからはそうは見えていないと思うんですけど、自信はありませんでした。
今思うと当時の自分は笑われて当然の顔だと思っていて、人に自分の容姿を馬鹿にされることを許していました。「自分の容姿について人からとやかく言われるのはおかしいこと」だと知らなかったんです。
■留学先での体験で容姿への価値観に変化「なんであんなに自分で自分をいじめていたんだろう、と思えた」
――そこから一重に戻したそうですが、それはなぜですか?
【加藤由起】二重埋没を3回して、まぶたがぼよんぼよんになったにもかかわらず、つけまつ毛や濃い化粧をしていたから、まぶたがすごく垂れ下がっちゃったんです。それで病院に行ったら、「眼瞼下垂というまぶたの病気です」と。「治すには、一重か二重、どっちにしますか?」と言われたんです。
――一それは究極の選択ですね。
【加藤由起】「医療的には二重が楽です。長期的にもいいですよ」と二重のほうをすすめられたのですが、私は一重をお願いしました。 手術当日にもお医者さんに「本当に一重でいいの?」と聞かれたのが印象的です。一重を希望する人はいないらしく、かなり驚かれました。
――コンプレックスだった一重に戻そうと思ったのは、どういった想いがあったのでしょうか?
【加藤由起】留学が大きかったです。留学先のアメリカでは、自分の容姿を「私って太っているわ」なんて言うと、めっちゃ怒られるんです。「あなたはそんなことない。素敵だから」と。人の容姿についてからかったり馬鹿にしたりする人は白い目で見られる。さまざまな国籍や生まれの方が多いので、違っていることが当たり前で、違っているほうがいい!みたいな、同じであることに対して魅力を感じてない人たちの集まりでした。
あるとき、昔の私の写真を見せたら、「すごいかわいいじゃん」って言われました。二重の外国人は多いから、一重の人がすごく魅力的みたい。彼らと一緒に過ごしているうちに、“二重は正義”みたいな日本の小さな世界の美の価値観、そういう他人の価値観で自分を傷つけていたことが本当に馬鹿らしくなっちゃったんです。あとは、自己肯定感の高い子と親友になったことも一つあります。彼女から「自分を一番愛する」価値観を学び、自分でも取り入れるようになりました。
そういったことを経て、あらためて小さいころの自分の写真を見返した時、「すごくかわいいのに、なんであんなに自分で自分をいじめていたんだろう」と思えて。今度は自分自身をちゃんと愛せるから、一重の自分としてやり直したいと思ったんです
――実際に一重に戻されて、ご自身としてはどう感じましたか?
【加藤由起】元の自分に戻れてうれしかったし、今もすごく気に入っています。クールなメイクなどを練習するのも楽しいし、何より自分がこんなに強くなって戻って来られたことがすごくうれしいです。「人は変われる」と証明できた気がします。
――二重に整形したときと一重に整形したときでは、ご自身のコンプレックスやルッキズムへの考え方にどんな変化がありましたか?
【加藤由起】二重に整形したときは、見た目を変えて自信を持とうとか周りに認めてもらいたい気持ちが大きく、顔面コンプレックスだらけでしたが、一重に戻した今は、本当に自分を心から愛せるようになれたので、これからはこの顔で生きていこうと思っています。もう顔にコンプレックスはないですね。
■「世の中は全員私の顔を否定してくると思っていた」悩みを乗り越えて見えた“今後の夢”
――現在はSNSで自身の整形や価値観を発信していますが、こうした活動の背景にはどんな想いがあるのでしょうか?
【加藤由起】私が小さい頃、「一重は劣勢」と言われ、小さな価値観のなかで自分の顔をいじめてしまいました。そのときに、「あなたもかわいいよ」「あなたの一重も素敵だよ」と言ってくれる人がいたら、一重に対する価値観は変わっていただろうし、顔面コンプレックスもそこまで深刻にならなかったと思うんです。
日本の一重メイクを調べると、やっぱり一重にコンプレックスを持っている人が多くて、「二重になれない私たち」みたいなタイトルの動画もある。そういうものを見たら「一重はダメなんだ」と刷り込まれちゃう。だから、そういったことを覆したいと思って、「一重もかわいいんだよ」とポジティブに発信しています。
――最近は整形がカジュアルになった一方で、ルッキズムが加速している側面もありますが、そうした現状についてはどのように感じていますか?
【加藤由起】TikTokなどのSNSを若い子はよく見ていると思いますが、人の容姿に対して「ブスは調子に乗るな」みたいな辛辣なコメントが結構多い。それを見て整形に踏み込んじゃう子もいるかもしれませんが、見るのをやめる選択をするだけで世界が変わるので、一旦そういうものを断ち切る勇気を持ってほしいです。
――とらわれすぎないことが大事ですよね。
【加藤由起】私も昔は、世の中は全員私の顔を否定してくると思っていたのですが、みんなそれぞれ考え方は違うし、自分を批判してくる人だけではない。もし周りに容姿をからかってくる人がいるのなら、そこから抜け出す勇気を持って、自分を本当に愛してくれる人や友達を作ると世界が変わると思います。
――今後の展望について教えてください。
【加藤由起】モデル業に挑戦したいです。それは一重の女子のためでもあって、自分との約束のためでもあります。一重で自分に自信がなかった頃は、雑誌で二重のモデルさんを見ると苦しかった。みんな二重で顔が小さくて細くてというのが定型でしたからね。
雑誌が並んでいるのを見て、自分が批判されているような感じがしてつらかったから、その日本の狭い美の価値観を覆したいと思っています。私が表に出ることで勇気づけられる子はいると思うので、そういった女子をもっと輝かせて、いろんな美の価値観があるということを日本に植えつけられる存在になりたいです。