“目の下のクマ”の原因と最適な対策は?

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 この時期、「夏休みに夜更かしして、目の下にクマができてしまった…」なんて人もいるでしょう。目の下のクマは、見た目年齢を大きく左右します。クマが目立つと疲れた印象を与え、スキンケアやメイクでどうにかしようと思っても、なかなk思うようにはいきません。本記事では、目の下のクマの特徴や種類、効果的な治療法やセルフケアの方法について、共立美容外科の副総括院長・磯野智崇さんに聞きました。

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◆主に4つに分類されている「クマ」、種類によってはセルフケアで治るかも?

 目の下のクマに悩む人は多くいますが、「目が小さく見える」「疲れて見える」「老けて見える」「目がはれぼったく見える」など様々です。これらの原因は、クマの種類によって異なります。

 目の下は、皮膚が薄く血管や脂肪が透けやすい部分なので、クマができやすいです。それぞれに特徴があり、4つに分類されています。

・青クマ:血行不良や睡眠不足などで血液中に酸素が少なくなり、青紫色に見える

・茶クマ:紫外線や摩擦などでメラニン色素が増えて茶色く見える

・黒クマ:加齢や遺伝などで眼輪筋という筋肉が衰えてたるみやへこみができて影に見える

・赤クマ:アレルギーやアトピー性皮膚炎などで皮膚が赤く炎症を起こしている

 クマの種類によって、原因に合った対策を選ぶ必要があります。それぞれに効果的なセルフケアや治療法を紹介します。

・青クマ:睡眠不足は血行不良や疲労の原因になります。しっかりと睡眠をとることが大切です。また、マッサージで目の周りにあるツボを優しく押すことで、血行やリンパの流れを良くします。目元専用の美容液やクリームを使って、軽くたたいたりほぐしたりしましょう。

・茶クマ:紫外線や摩擦などが原因で起こります。日焼け止めをはじめ、保湿や美白効果が得られる化粧品で朝晩のスキンケアを行いましょう。

・黒クマ:加齢や遺伝などが原因で起こります。そのため、セルフケアの範疇では改善が難しく、気になるようならば専門医に相談しましょう。

・赤クマ:アレルギーやアトピー性皮膚炎などが原因で起こります。原因となるアレルゲンを特定することで、適切な対策や治療ができます。また、皮膚の炎症が原因で起こるため、ステロイド剤も有効です。そのほか、乾燥が原因で悪化することもあるので、保湿も需要になります。

「紫外線や摩擦など外部的刺激が要因の場合は、それを避けるに越したことはありません。体質など致し方ないこともあるので、セルフケアでは改善が難しい場合はご相談ください」(磯野さん)

◆クマの種類を突き止め、原因と体質に合った最適な治療法を選ぶことが重要

 セルフケアでの改善が見られない場合、病院やクリニックでの治療が最適かもしれません。美容整形外科で行われる治療法を5つ紹介します。

(1)下眼瞼切開術:黒クマやふくらみを改善する方法で、目頭から目尻まで切開して余分な脂肪を取り除きます。

(2)経結膜脱脂法:黒クマやふくらみを改善する方法で、まぶたを切開せずに結膜から脂肪を取り除きます。

(3)脂肪注入:黒クマやくぼみを改善する方法で、自分の体から採取した脂肪を目の下に注入してボリュームを出します。

(4)ヒアルロン酸注入:黒クマやくぼみを改善する方法で、ヒアルロン酸という成分を目の下に注入してボリュームを出します。

(5)白玉点滴:青クマや茶クマを改善する方法で、ビタミンCやグルタチオンという成分を点滴で体内に入れて血行や美白を促進します。

(6)フラクショナルレーザー:皮膚の再生を促し、茶クマの色素沈着を改善します。

(7)フェイシャルフィラー:目の下の凹みを補い、青クマを目立たなくします。

(8)プラズマ注射:自分の血液から抽出した成分を注入することで、茶クマの原因となる色素沈着を改善します。

(9)目元リフト:目の下の皮膚のたるみをとることで黒クマを目立たなくします。

 近年は、SNSなどの影響もあり、「経結膜脱脂(けいけつまくだっし)を受ける人が多いです」と磯野さんは言います。

「当院でも経結膜脱脂をおすすめしています。経結膜脱脂は、表に傷跡を作らずに目の下の脂肪を除去する方法で、黒クマなどの改善が期待できます。ただ、脂肪を取りすぎてしまうと逆にくぼんでしまうこともあるのでバランスが重要です」(磯野さん)

 経結膜脱脂は、切らずにふくらみやクマを治療することが可能ですが、専門医による外科手術が必要となります。

「手術に対して不安がある方は、PRP皮膚再生療法といってご自身の血液から専用の機械で血小板のみを抽出し、その血小板を目の下に注入する方法もおすすめです。血小板を注入することで、皮膚の再生が促され、クマなどの色素沈着の改善や小じわなどの効果も期待できる治療です」(磯野さん)

  これらの治療法は、目の下のクマの原因や状態によって適切なものを選ぶ必要があります。また、自身の体調や肌の状態、費用やリスク、ダウンタイムなども考慮する必要があるため、美容整形外科で相談してから決めましょう。クマの種類や原因を理解し、自分の肌に適した治療法やスキンケアを見つけて、美しい肌を手に入れましょう。

【監修者】共立美容外科の副総括院長・磯野智崇さん

1995年、聖マリアンナ医科大学を卒業。1995年、聖マリアンナ医科大学形成外科に入局。1999年、東大宮総合病院整形・形成外科に入職。2002年、共立美容外科に入職。2009年、共立美容外科浜松院院長に就任。2020年、共立美容グループ総括副院長に就任。