結婚式を終えたばかりの幸せそうなA子さんと旦那さん/画像提供:ナース専科

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幼少期から絵を描くことが大好きで、漫画家として活動中のアヤさん。現在は看護師・看護学生向けの総合WEBメディア「ナース専科」にて看護師のエピソードを基にした漫画を連載している。今回は、ナース専科にて公開されている中から「突然の死期に耐え母体が与えた希望」を紹介するとともに、著者のアヤさんに妊娠中に起きた想定外の経験や命の考え方などについても伺った。

【漫画】本編を読む

ある日のこと、1人の産婦さんが病院へ緊急搬送されてくる。新婚さんのA子さんは、突如尋常ではないほどの頭痛を感じ、旦那さんが急いで救急車を呼んだとのこと。A子さんは脳出血がひどいようで、旦那さんには、もう治療の術がなく数日以内に亡くなる可能性があると告げられてしまう。

母体がなくなると、必然的に赤ちゃんも亡くなってしまう…。赤ちゃんは急遽帝王切開で取り出され、A子さんは血圧を維持しながらギリギリの状態だ。

けれど、こんな状況にも関わらず、搾乳が追いつかないほどの母乳が出る。A子さんに赤ちゃんをどうにかして会わせてあげたいと思った看護師は、急いで赤ちゃんをA子さんのもとへ連れて行くことに。

A子さんは寝たきり、赤ちゃんはコットに入った状態だったが、遂に家族3人の面会が果たせた。面会から間もなくして、A子さんは亡くなってしまう。A子さんを看取った看護師は、きっと赤ちゃんと会うために生き続けていたのだと感じた。

緊急搬送から数週間が経ち、A子さんに寄り添い続けた旦那さんは「妻に恥じないように、子供をしっかりと育てていきます」と心に誓う。どうか二人の未来が明るくあってほしいと、心から願わずにはいられない。

本作以外にもさまざまなナース漫画を投稿しているアヤさん。今回は、アヤさんに妊娠中に起きた想定外の経験や命の考え方などについてインタビューした。

――妊娠中は想定しないこともいろいろとあると思います。アヤさん自身、妊娠中に想定外のことが起きた経験はありますか?

1人目妊娠中に、あと1カ月で産休に入るぐらいの頃に検診でお腹がいつもより張りやすいという話をしたら、すぐドクターストップがかかり急遽その日から産休に入る運びとなりました。そこまでとは思っていなかったので、本当に想定外でした。全国の妊婦さんに、些細なことでも何か異変を感じたら早急にお医者さんに相談することを強くお勧めします。

――アヤさんは、妊娠前と後で命の考え方について何か変化はありましたか?

妊娠前は自暴自棄になると簡単に自分の存在を否定してしまっていましたが、妊娠後(特に出産後)は命が宿ることや誕生することの奇跡を目の当たりにするので、子供のために自分が1番強く生きなきゃと思い、自らの命を軽視することはなくなりました。すべての命を尊く感じているので、ニュースで流れてくる目を覆いたくなるような事件や事故がこの世からなくなればいいのに、と心底思っています。

「ナース専科」にて連載している漫画は、実際に看護師から募集したエピソードばかりだ。他の作品もあるので、気になった方ぜひ読んでみて!

取材協力:アヤ(@aokitajimaru)