福島みずほ議員(公式サイトより)

写真拡大

《昨日、新宿の東南口で、入管法改悪法案反対の街頭演説を社民党でしました。外国人と思える人たちがたくさん行き来し、外国人の人の中にも聞いてくださる人たちがいました。本当にありがとうございます》

【写真】「逮捕です」“道路交通法違反”の証拠写真

 5月30日に行った政治活動について、自身のインスタグラムでこう報告したのは社会民主党の党首・福島みずほ参議院議員だ。

 党是として《格差のない平和な社会を目指す》ことを掲げ、地道な活動を続ける。が、この政治活動を報告する投稿には、こんなコメントが寄せられていた。

宣伝カーが「道路交通法違反」?

道路交通法違反で逮捕です》

《交通法も守れない人に、立法権を任せられるわけないじゃないですか》

 などなど、不穏なコメントがズラリ……。どうやら投稿された写真を見ると、福島参議院議員の後方に停車する社民党の車両が問題のよう。こんなコメントもある。

《横断歩道の前後5mは駐停車禁止です。停車もダメです。アウトですね》

 道路交通法第44条には、自動車の駐停車を禁止する場所の1つとしてこう定められている。

《横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に5メートル以内の部分》

 写真を見ると車両が横断歩道の端から5メートルよりも離れているようには見えない。選挙期間中であれば、一部の駐停車禁止規制が免除される。しかし、5月30日は選挙期間外。これは、どう見ても道路交通法違反だろう。

 社民党に電話をして話を聞いた。

「党の宣伝カーを使用する場合には、警察署に道路使用許可申請をしています。この時も、申請をして警察署から許可をいただいていますよ」

 と胸を張る。ウソを言っているとは思わないが、万が一のこともある。現物を確認したい旨を伝えると快諾。6月7日の午前、都内にある社民党の事務所へと伺った。

 すると、取材に応じた社民党の担当者は気まずそうな表情を浮かべる……。

「こちらがその道路使用許可申請書です……」

 差し出された書面を見ると、確かに警視庁・中野警察署長のハンコが押され許可が出ている。ただ、道路使用許可申請書に添付されている書面には許可条件が記載されており、指導事項の部分にこう記されていた。

道路交通法で駐車、駐車停車を禁止している場所では、停止して放送を行わないこと》

 この点について尋ねると、

「党としては街頭演説においても適切な手順を踏んで行うべきだと思い、キチンと許可を取っていたのですが……コメントは改めて書面で回答させてください」

 と話した。社民党から回答が送られてくるのを待つ間、警視庁中野警察署にも話を聞いた。

「道路使用の許可条件は、許可を取る内容によってそれぞれ変わってきます。街宣車の場合は、駐車禁止または駐停車禁止の道路上で止まっての街宣活動は、道路使用で許可していないんです。あくまで走行中の車から宣伝をしてよいという許可なので」(中野警察署担当者)

 どうやら道路使用の許可を得ていても、駐停車禁止の場所で車を止めていいことにはならないようだ。

党の回答は……

 それからほどなくして『週刊女性PRIME』に社民党から回答が届いた。

《2023年6月7日、「週刊女性」編集部から問い合わせ・取材がありました。

 SNS上に、2023年5月30日に社会民主党が新宿駅東南口で街頭宣伝をしている写真が掲載され、宣伝カーの停止位置が違反しているということでした。

 社会民主党の宣伝カーは、駐車場のある所轄の警察署の中野警察署長あてに、道路使用許可申請書を提出し、道路使用許可を得ております。

 道路使用許可は使用する前に申請し、2100円の費用を警察署に支払い、2週間の使用許可をされます。この街頭宣伝の時は、2023年5月22日9時から6月5日19時まで、道路使用許可証が、中野警察署長から出ております。

 社会民主党としては街頭宣伝をして、聞いている方々や近隣の方々に、ご迷惑をかけることや、不快感を抱かれるようなことは、避けたいと考えております。なぜなら、不快感を持たれてしまったら、街頭宣伝の意味をなさなくなるからです。

 通行する方々の歩行を妨げない、点字ブロックを踏むなどの行為をしない等、党員などを配置して、気を付けてまいりました。また、宣伝カーが停車していることで、通過車両への迷惑を最小限にするための、人の配置も致しております。

 この度の、宣伝カーの停車位置についてのご指摘ですが、過去の宣伝行動の時に“音(声)がうるさいと、警察に通報があった”と警察官からお知らせいただいた経験はありますが、停止位置への指導はありませんでした。また、他の団体等の活動も見ておりましたので、停止位置は大丈夫と認識しておりました。その点で、配慮が不足していたことになります。

 今後の街頭宣伝に関しては、いっそうの配慮をしていかねばならないと思います。ご指摘いただきましたことに感謝申し上げます》

 社民党に限らず、どの政党も街宣活動におけるルールは守ってほしい。