なか卯は朝メニューにもこだわり卵を使用。うどんセットのモーニングを楽しむことができます(筆者撮影)【2023年5月22日13時05分追記】初出時、「目玉焼き朝食」に「京風つけもの」を添えた写真を「390円」として掲載していました。同定食につけものは含まれていないため、写真を差し替え、キャプションを修正しました

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第25回となる今回、訪れたのは「なか卯」です。

さまざまな外食チェーンで販売している朝限定メニュー。

カフェやハンバーガーショップ、おそば屋さんなどはもちろんのこと、最近では焼肉店やラーメン店などでも独自のモーニングサービスを展開しています。

今回ご紹介するのは「なか卯」の朝食メニューです。親子丼で使用されている、自慢のこだわり卵を、たまごかけごはんや目玉焼きでいただける、シンプルながら魅力的な定食になっています。みそ汁をプラス100円で「はいからうどん(小)」に変更していただきました。

なか卯のこだわり卵朝食290円に小うどんをセット


​​なか卯のこだわり卵朝食は、味噌汁を小うどんに変更して390円(筆者撮影)

なか卯」で最安値の朝メニューは税込290円の「こだわり卵朝食」です。セット内容は、

・白ごはん
・生卵
・みそ汁
・焼きのり3枚
・京風つけもの

となっています。

販売時間は午前5時から10時まで。「すき家」「吉野家」「松屋」が午前11時までなのと比較すると、少し早めに終了します。


全ての朝定食は、プラス100円で味噌汁をうどんに変更できる(筆者撮影)

注文オプションとして、プラス100円でみそ汁を「温うどん(小)」「冷うどん(小)」「京風とん汁」に変更できるので、みそ汁を「温うどん(小)」に変更して、卵かけごはんとうどんのセットにした、税込390円の「たまごかけごはんと小うどん定食」をオーダーしました。

やっぱりモーニングはお得だと思う理由

店員さんに確認したところ、「温うどん(小)」は、税込250円で販売している「はいからうどん(小)」と同じものだそう。「なか卯」では、白ごはんの単品価格が税込140円。この2品だけで、390円になる計算です。


京風つけものは、白菜やニンジンのあっさり浅漬け(筆者撮影)

「こだわり卵」は税込80円、「京風つけもの」は税込60円、「のり」は税込40円。つまり、全てを単品で注文すると570円になる計算です。モーニングだとこれが390円になるので、値引き額でいうと180円、値引き率でいうと31%安いことになります。

単品価格は割高なことが多いとはいえ、生卵とお新香とのりの180円分が、実質無料になっているのだと考えると、やはり朝メニューはお得です。


あると嬉しい焼きのり(筆者撮影)

なか卯」にはほかにも、お得なランチセットなどもありますが、単価の安さや値引率を考えると、朝食メニューのバリュー感は群を抜いています。

こだわり卵で食べる、特別感のあるたまごかけごはん


こだわり卵は、その名の通りなか卯のこだわりが詰まっています(筆者撮影)

なか卯」の朝食メニューの魅力は、なんといっても卵です。生卵・目玉焼きのどちらにも、看板商品の「親子丼」と同じ「こだわり卵」を使用しています。

朝の定番と言えば、「たまごかけごはん定食」でしょう。牛丼店はもちろん、和食飲食チェーンや一部ファミレスなどでも提供されているメニューですが、「なか卯ほど、卵自体にここまでこだわっている店はない」と筆者は感じています。


白身にも黄身にも弾力感があり、ぷるるんとした食感のたまごかけごはんを味わえます(筆者撮影)

鮮やかなオレンジ色の黄身は、見た目からして食欲をそそります。特別に開発した飼料を用いて鶏を飼育することで、この黄身色になるそうです。箸で黄身を割る際の弾力感からも、食べた際の臭みのなさからも、卵自体の新鮮さが伝わります。

白ごはんの中央にくぼみを作って、かき混ぜた生卵を割り入れ、しょうゆをポタリとたらしてくずしながら食べていく。質感も味わいも密度が濃い、まろやかなたまごかけごはんを堪能できました。同業他社の「たまごかけごはん定食」と同じぐらいの価格帯で、高級卵が出てくるのは、ちょっと贅沢でなかなかいい気分です。


なか卯のこだわり卵を使用した目玉焼き。オレンジ色の黄身は絶妙な半熟加減(筆者撮影)

朝食メニューは、生たまごのみならず、目玉焼きにも「こだわり卵」が使用されています。生卵と比べて「焼く」という工程が発生しているのに、お値段は同じなので、お得感はさらに強め。

この目玉焼き、白身はカッチリ黄身は半熟という、焼き加減にもこだわりを感じさせる仕上がりで、オンザ白ごはんをして、お箸で黄身を割ってごはんとからめて食べるのもオススメです。

モーニングにうどんがセットできるのはなか卯ならでは

「こだわり卵」に負けずとも劣らぬ、個性を放っているのが、みそ汁にプラス100円することによって変更できる、ミニサイズのうどんです。


「温うどん(小)」は、天かす・ねぎ・かまぼこ入り(筆者撮影)

なか卯」のうどんは「京風」がコンセプトですが、関西風のうどんよりも麺にコシがありで喉ごしがよいけれど、讃岐うどんほどは固くなく、独特の食感です。つるつるっと食べやすいので朝食にぴったり。

おつゆは、こんぶの出汁の優しい味わいと、関東風にはない薄い色合いでなるほど「京風」な仕上がりです。深みはあるのにあっさりしていて、つい飲み干してしまうほど。天かすがコクを追加してくれて、さらにおいしさがアップしています。

うどんに生たまごを入れて月見うどんにしたり、うどんを食べた後に、うどんつゆにごはんを入れて雑炊風にするのもおすすめです。

新商品の鶏小鉢もチェック

新商品として「鶏小鉢」が税込100円で追加されていたので、注文してみました。


新商品の「鶏小鉢」で、朝食アレンジの幅が広がる(筆者撮影)

公式に説明はないものの、「親子丼」の具材と割り下を小鉢に盛り付けたもののようです。鶏肉はプリプリで非常においしく、小ぶりながら10切れ以上鶏肉が入っていて、これで100円はコスパがいいなと思いました。

ただしこの「鶏小鉢」、煮汁がとにかく濃いため、そのまま食べるのには向きません。


鶏小鉢の具材をうどんに載せて(筆者撮影)

卵でとじて白ごはんの上に載せて食べる割り下として調味されているので、味付けが濃いのは当然といえば当然のこと。そのまま食べるのではなく、この煮汁をたまごかけごはんのしょうゆがわりにしたり、鶏肉をうどんのトッピングにするなど、アレンジして食べることで、あれこれ楽しめました。

以前当連載でも取材しましたが「びっくりドンキー」の朝メニューで、たまごかけごはんをハンバーグソースで食べるというものがあります。それと同じように親子丼の甘辛い醤油ベースの割り下でたまごかけごはんを食べるというのも、オツなものです。

なか卯の朝限定メニューは大きく3種類

なか卯朝食メニューは、「こだわり卵朝食(たまごかけごはん)」「目玉焼き朝食」「銀鮭」と大きく3種類に分類できます。


(筆者撮影)

・こだわり卵朝食 税込290円
・こだわり卵の納豆朝食 税込360円
・こだわり卵の鶏小鉢朝食 税込390円
・こだわり卵の牛小鉢朝食 税込470円
・とん汁こだわり卵朝食 税込390円


(筆者撮影)

・目玉焼き朝食 税込290円
・目玉焼き納豆朝食 税込360円
・目玉焼き鶏小鉢朝食 税込390円
・目玉焼きベーコン朝食 税込360円
・とん汁目玉焼き朝食 税込390円
・目玉焼き牛小鉢ベーコン朝食 税込490円


(筆者撮影)

・銀鮭朝食 税込440円
・銀鮭納豆朝食 税込490円
・銀鮭鶏小鉢朝食 税込540円
・銀鮭牛小鉢朝食 税込580円

いずれも、ごはん大盛り変更は20円プラス、小盛り変更は20円値引きになります。味噌汁は、100円プラスで「とん汁」「温うどん(小)」「冷うどん(小)」に変更可能です。

なか卯にはわざわざ行きたくなる魅力がある

今回訪問した店は駅から徒歩10分ほど歩いた場所にあります。平日朝9時、カウンター20席・テーブル15席ほどの店内にいるのは5人ほど。私以外は全員男性でした。

デジタルお琴の音色で奏でられる「君は天然色」のインストゥルメンタルをBGMに、全員が視線をテーブルに落とし、食事をしたりスマホを眺めたりしています。

テーブル席は座席間隔もゆとりを持って配置してあり、椅子の座り心地も上々で、なんとなくほかの牛丼チェーンにはない、ゆっくりとした時間が流れているような気がしてなりません。


見ているだけで不思議とホッとする、安心感のある看板です(筆者撮影)

近頃の物価高騰と鳥インフルエンザの感染拡大により、日本全国で卵が品薄となり大幅な値上げを余儀なくされているなか、「なか卯」では4月6日「親子丼」のボリュームはそのままに、税込490円から税込450円への40円の値下げを敢行し、大きな話題となりました。

実はその数日後の4月20日頃に、朝メニューも価格改定されています。税込250円だった「こだわり卵朝食」は40円値上げし税込290円に、税込430円だった「目玉焼きベーコン朝食」は70円値下げし360円に変更。「こだわり卵朝食」はメニュー内容も改定し、単品価格税込60円の「京風つけもの」が追加されました。

値上げしたメニューは内容が改定されている、一部は値下げしたものもあるということで、「商品値上げ」ではなく、あくまで「価格改定」というあたりが、なんとも戦略的で「うまいなぁ」と関心させられました。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性がありますので、最新情報は企業の公式サイトをご覧ください。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします

(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)