GoogleがAndroid 14 Beta 1をリリース!Pixel 4a (5G)以降で利用可能に

Googleは12日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 14(開発コード名:UpsideDownCake)」( https://developer.android.com/about/versions/14 )における一般向けベータ版「Android 14 Beta 1」を公開したとお知らせしています。

すでに同社が展開する「Pixel」ブランドのスマートフォン(スマホ)において「Pixel 4a (5G)」以降の「Pixel 5」や「Pixel 5a (5G)」、「Pixel 6」、「Pixel 6 Pro」、「Pixel 6a」、「Pixel 7」、「Pixel 7 Pro」にて「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )からネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)で導入できるほか、すでにファクトリーイメージやOTAイメージも配信開始されています。

Android 14 Beta 1はビルド番号およびAndroidセキュリティーパッチレベルがPixel 6およびPixel 6 Pro、Pixel 6aでは「UPB1.230309.014.A1」および「March 2023」、それ以外のPixelスマホでは「UPB1.230309.014」および「April 2023」となっており、Pixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せます。またGoogle Play servicesも「23.09.12」となっているほか、APIレベルも正式版の「U Beta 1」となりました。

また同社ではAndroid 14について現地時間(PST)の2023年5月10日(水)に開催予定の開発者向けイベント「Google I/O 2023」にてより詳細な内容が説明されると見られています。なお、Android 14 Betaについてはこれまで通りにPixelスマホ以外の他のメーカーの製品についても今後順次、各メーカーから提供される見込みとなっています。


Android 14は現在の最新バージョンの「Android 13」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、最近の流れであるセキュリティーやプライバシーをより拡充しており、さらにパフォーマンスやユーザーカスタマイズの機能を強化してより使いやすいユーザーインターフェース(UI)を構築し、開発者向けにも生産性を向上する取り組みと続けており、これまで通りに正式版に向けて徐々にAndroid 14の新機能を追加していくということです。

また最近では四半期ごとに新機能「Feature Drop」を追加しており、Android Beta Programでもプラットフォームリリース(QPR)を実施し、年間を通じて拡張機能と新機能を提供し続けてAndroidの継続的な改善に重要な役割を果たしているとのこと。またAndroid 14でも引き続いてAndroid 12LやAndroid 13で提供されたタブレットやフォルダブルスマホなどの大画面に適用する取り組みが継続されます。

なお、Developer PreviewやBetaでは変更の簡単なテストとデバッグができるようになっており、アプリに影響を与える可能性のあるオプトインの変更を簡単にテストできるようにするために今年はそれらの多くを再び切り替え可能にします。トグルを使用すると、開発者向けオプションまたはadbから個別に変更を強制的に有効または無効にすることができます。詳細は https://developer.android.com/about/versions/14/reference/compat-framework-changes をご覧ください。


Android 14の正式版のリリースまでのスケジュールはこれまで提供されてきたDeveloper Preview 1やDeveloper Preview 2、そして今回の初のベータ版となるBeta 1に続けて5月に「Beta 2」、6月に最初の安定版(Platform Stability)となる「Beta 3」、7月に正式版に近い最終テストとなる「Beta 4」や「Beta 5」が提供され、その後にAOSPとエコシステム向けの正式版がリリースされる予定となっています。今回、Beta 1で新たに案内された新機能は以下の通り。

<よりスマートなシステムUI>
Androidではサービスを提供するフレームワークと、それらのサービスをユーザーが制御できるようにするシステムUI という2つの別個、かつ同等に重要なパッケージによって機能が実装されます。そうしたシステムUIにAndroid 14では新しい改良が加えられており、Android 14 Beta 1で気付く可能性のあるものをいくつか紹介します。

・新しい戻る矢印
ジェスチャーナビゲーションにおいてアプリの操作中に「戻る」の矢印がより目立つようになります。これにより、戻る操作のやり方がよりわかりやすくなり、戻る操作の有用性が向上しているとのこと。また戻るの矢印は壁紙やテーマに合わせてカスタマイズされて表示されるということです。



・より優れたシステム共有シート
Android 14ではアプリが呼び出すシステム共有シートにカスタムアクションを追加できるようになりました。ChooserAction.Builderを使用してカスタムしたChooserActionを作成し、ChooserActionsのリストをIntent.createChooser で作成されたインテントの「Intent.EXTRA_CHOOSER_CUSTOM_ACTIONS」として指定できます。

さらにシステムはより多くのアプリシグナルを使って直接共有ターゲットのランキングを決定するようになりました。これは「pushDynamicShortcut」を呼び出してシグナルを提供し、対応する機能バインディングでショートカットの使用をレポートします。



<より多くのグラフィックス機能>
Android 14にはアプリを目立たせるために使用できる新しいグラフィック機能が追加されています。

・パスのクエリや補間が可能に
AndroidのPath API はベクター グラフィックスを作成およびレンダリングするための強力で柔軟な仕組みです。Android 14以降ではパスをクエリしてパスの内容を確認できます。またPath APIの更新には構造が正確に一致するパス間を補間する機能が含まれており、モーフィング効果が有効になり、AndroidXライブラリーはAPI 21への下位互換性を提供します。詳細は https://developer.android.com/about/versions/14/features#paths_are_now_queryable_and_interpolatable をご覧ください。

<パーソナライゼーション>
・アプリごとの言語設定
Android 14ではアプリごとの言語設定が強化され、Androidの設定にてアプリごとの言語リストに表示される言語セットを動的にカスタマイズできるようになり、文字入力アプリ(IME)が現在のアプリのUI言語から設定できる方法が提供されます。またAndroid Studio Giraffe Canary 7およびAGP 8.1.0-alpha07以降ではアプリごとの言語設定を自動的にサポートするようにアプリを構成できます。

プロジェクトリソースに基づいてAndroid Gradle プラグインはLocaleConfigファイルを生成し、生成されたマニフェストファイルにそのファイルへの参照を追加するため、言語サポートが変更されたときにファイルを手動で作成または更新する必要がなくなりました。詳細についてはアプリごとの自動言語サポート( https://developer.android.com/studio/preview/features#automatic-per-app-languages )を参照してフィードバックを送ってください。

<プライバシー>
・障害に焦点を当てたアクセシビリティーサービスへの可視性を制限できるように
Android 14ではaccessibilityDataSensitive属性が導入され、特定のビューの可視性を障害のある利用者を支援すると主張するためのユーザー補助サービスのみにアプリが制限できるようになります。

またGoogle Play プロテクトではアプリ配信マーケット「Google Play ストア」からダウンロードされたアプリがこれらの主張について真実であることを保証します。障害のある利用者を支援するための「TalkBack」やその他のサービスはこの属性の影響を受けません。なお、アプリはaccessibilityDataSensitiveを次の目的で使用することを検討できます。

(1)ユーザーデータ(個人情報や平文のパスワードなど)を保護する
(2)重要なアクションが意図せずに実行されるのを防ぎます(送金やショッピングアプリでのチェックアウトなど)



記事執筆:memn0ck


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