青春18きっぷで大阪から東日本へ向かう場合、いまや北陸回りは使えず、距離を伸ばそうとすれば東京経由となります。では、1日でどこまで行けるのでしょうか。実は“路線選び”がキモになりそうです。

大阪から東へ 東京でのルート選びが重要に

 青春18きっぷで大阪から東日本へ向かう場合、1日でどこまでいけるのでしょうか。数年前までは北陸回りも考えられましたが、いまや18きっぷが使えない第三セクター区間が増え、現実的ではなくなっています。東日本のどこへ向かうにも、いったん東京を経由するケースが大半といえるでしょう。
 
 では、東京を経由したら1日でどこまで行けるのでしょうか。まずは大阪駅から東京駅までの乗継を見てみましょう。なお、記事中のダイヤは2023年2月現在です。


JR京都線。青春18きっぷを使って大阪から1日でどこまで行けるのか(画像:写真AC)。

●大阪→東京
大阪5時00分発→京都→米原→豊橋→浜松→静岡→熱海→東京14時47分着

 全て待ち時間15分以内の実にスムーズな乗継で、乗車時間136分と最長の米原発豊橋行き新快速も大幅な時短に貢献しています(それ以外の列車は全て各駅停車)。15時前に東京駅へ着ければ、そこから千葉方面の末端まで当日中に行くことも余裕です。

 では東京から北へは、どこまで行けるのでしょうか。東北を目指すなら、東北本線(宇都宮線)と常磐線の2本が仙台方面へ通じています。それぞれのルートで乗り継いだ場合、どこまでいけるか、比較してみましょう。

●東京→東北本線(宇都宮線)経由
東京15時9分発→宇都宮→黒磯→新白河→郡山→福島→仙台→(品井沼0時03分発)→小牛田0時18分着

●東京→常磐線経由
東京14時49分発※→上野→水戸→いわき→原ノ町→仙台→石越23時48分着、もしくは仙台→山形23時33分着
※熱海から東京まで乗ってきた同一列車。

 常磐線経由のほうが、仙台まで早く着くことができ、その日のうちに小牛田の5駅先、岩手県境まで1.5km弱の位置にある石越駅(宮城県登米市)まで行けます。もっとも、夜中に石越へ着いたところで途方に暮れるかもしれませんが。

 しかし、この常磐線ルートであれば、仙台で仙山線に乗り換え、その日のうちに山形駅へ出ることも可能。ホテルなどもあり、旅の選択肢が広がります。

 対して東北本線ルートは、黒磯で75分待ちがあるほか、黒磯以北はここ数年で系統分割が進み、乗継の機会が増えたため、常磐線ルートより距離は短くても仙台まで時間がかかります。ちなみに山形へは、福島乗り換えの山形線(奥羽本線)経由、仙台乗り換えの仙山線経由とも、東北本線ルートでは到達不可です。

もう一つの選択肢「高崎線ルート」

 では首都圏から北へ延びるもう一つの大幹線、高崎線を使った場合はどこまで行けるでしょうか。

●東京→高崎線経由
東京15時19分発→高崎→水上→長岡→新潟23時20分着、もしくは長岡→新津→新発田→(金塚0時03分着)→村上0時33分着

 このルートだと、群馬県北部の水上で67分待ちがあるものの、そこから一気に新潟県の長岡まで行き、さらに1回乗り継ぎで新潟へ行けます。また、途中の新津で羽越本線へ乗り換え、県北の村上まで到達することも可能です。ただし日付をまたいで最初に着く金塚から村上までは、追加で運賃を払う、もしくは18きっぷの翌日分を使う必要があります。

 大阪から東へ向かう場合、中央本線経由なども考えられますが、1日で距離をかせぐなら、まず真っすぐ東京を目指すのがおすすめです。

※一部修正しました(2月25日14時44分)