1911年2月18日、インドのアラーハーバードで開催された万国博覧会の行事として、航空機で手紙を運びました。この手紙は世界初のエアメールとされています。

定期便では1918年5月が最初

 1911年2月18日、世界初の「エアメール」が誕生した日といわれます。インドのアラーハーバードで開催された万国博覧会の行事として、手紙を積んだハンバー・ソマー複葉機を用いジャムナー川の対岸を越えてナイーニまで13分飛行したのです。


ボーイングで航空郵便用に開発されたボーイング40(画像:シカゴ科学産業博物館)。

 このとき運んだ郵便物には、赤い飛行機の絵が付いた消印が押されて、1通につき6アンナの慈善料金がつけられていたことから、世界初のエアメールとされています。ライト兄弟による飛行機の世界初飛行が1903年12月17日なので、まだ飛行機が空を飛び始めてから10年も経っていない時期に、イベント用とはいえ早くもエアメールが始まりました。

 その後、1911年9月9日にはイギリスで最初の郵便輸送飛行がジョージ5世の戴冠式を記念して9月26日まで行われました。ブレリオ単葉機やファルマン複葉機を用い、ヘンドン〜ウインザー間を運ばれましたが、これもイベント用のものであり、本格的な航空扱いの郵便はまだ先でした。

 実用化に向けての航空郵便業務試験はまず、第1次世界大戦中の1917年5月22日にイタリアのトリノ〜ローマ間で約1週間に渡り行われ、ここで世界最初の航空郵便切手が登場します。また、オーストリア・ハンガリー帝国では、1918年3月11日から軍用航空路線の一部区間を民間の航空扱いにし、そこでオーストリアのウイーンと、現在のウクライナのキーウとを結び、世界初の飛行機を使った国国際郵便業務も行われました。しかし、敗戦によるオーストリア・ハンガリー帝国の崩壊で、運行は停止されてしまいました。

 世界初の定期的な航空機による郵便の取り扱いは、1918年5月15日にアメリカでワシントンD.C.〜ニューヨーク間で開始されました。このとき使われた切手には、郵便の配送を担当した陸軍通信隊のカーチスJN-4Hが描かれていたそうです。

 ちなみに日本では、1919年の10月4日に初の郵便飛行を行う予定でしたが天候不良により断念、その後もトラブルなどで、再三にわたる断念が続き10月22日にようやく初めての飛行を行ったそうです。