実は凄いぞ!? 「中部空港」が国内無二の“個性的空港”だった件 「デカすぎ飛行機」相次ぎ飛来
羽田ユーザーにはあまり馴染みないですが、なかなか個性的。
2005年2月17日供用開始
いまから18年前の2005年2月17日に供用開始されたのが、「セントレア」こと中部空港です。小牧空港(県営名古屋空港)に変わる中部地域の新たな「空の玄関口」としてオープンしたこの空港は、実はさまざまなユニークな特徴を持ちます。
中部空港(乗りものニュース編集部撮影)。
中部空港は開港当初からターミナル内に、多くの飲食店が並ぶフード・テーマパークや展望風呂など、飛行機を利用しない人でも楽しめる設備を設置。当時としては異例の「テーマパークのような空港」としてオープンし、その後、このような取り組みが全国の空港にも波及しました。
そのなかでも特に同空港のトレードマーク的存在となっているのが、2018年にオープンした、ボーイング787初号機をメインに据えた空港内テーマパーク「フライト オブ ドリームズ」。飛行機の展示と商業施設を組み合わせた世界的にも類を見ないユニークな施設で、787が中部地域で製造されたパーツが全体の35%を占めることに由来したものです。
また、中部地域が787と関わりの深い場所であることから、中部空港には国内はおろか、世界でも珍しい飛行機が頻繁に飛来します。
中部空港は「珍飛行機」になぜ愛されるのか
中部空港へ日常的に飛来する珍しい飛行機の代表例が、「ジャンボ」ことボーイング747をベースに開発された大型貨物機「ドリームリフター」。中部空港へ「ドリームリフター」が飛来するのは、中部地域で作られた787のパーツを、アメリカのシアトルにあるボーイングの工場に輸送するためです。
また同空港へは、量産化された輸送機のなかでは世界最大級の大きさを持つ、アントノフAn-124「ルスラン」の姿を見ることも珍しくありません。そして、さらに2020年には、5月23日から6月3日にかけ、「世界最大の飛行機」と呼ばれた、世界に1機のみの飛行機An-225「ムリヤ」が新型コロナ関連の救援物資輸送において、途中給油をする目的で3度飛来しました。
中部空港で公開されたボーイング747-400LCF「ドリームリフター」(乗りものニュース編集部撮影)。
これは、24時間空港であることや「ルスラン」「ドリームリフター」をはじめとし、超大型機の受け入れ体制が整っていたためでしょう。なお、「ムリヤ」は2022年、ロシアによるウクライナ侵攻によって破壊されてしまった(再建計画もある)ため、このときの中部空港への飛来が、現在のところ「最後の来日」となっています。
そのような中部空港ですが、近年でもアップデートが見られます。
2023年2月には、名物である展望風呂が「SOLA SPA 風の湯(ソラスパ フーのゆ)」としてリニューアル。また、将来的には2本目の滑走路も作られる見通しで、その場合、「航空機の発着能力を現在の年間15万回から1.2倍の18万回」(2021年5月26日付の読売新聞オンラインなど)までキャパシティの向上が図られる予定です。