地域と広域、どっちの足も確保されます。

留萌本線の廃止を見据えて

 JR北海道は2023年2月17日、留萌本線 石狩沼田〜留萌間のバス転換後を想定した新しい交通体系について発表しました。


沿岸バスの特急はぼろ号。旭川〜留萌・羽幌の直通速達バスにも同等の高速バス使用車が導入される(沿岸バスTwitterより)。

 同区間は4月1日に廃止、バス転換となることから、同区間に加えて鉄道が存続する深川〜石狩沼田間、さらには旭川など広域にわたる交通体系が策定されました。なお、4月1日以降の深川〜石狩沼田間は1日7往復の列車が設定されます。

 広域的・基幹的な役割を担うのは、旭川・深川と留萌を結ぶ既存の路線バス「留萌旭川線」です。さらに、沼田町内は町営バスのルート新設・増便、乗合タクシーの時間拡大により地域内と留萌市内のあいだの円滑な交通手段を確保。早朝・夜間には留萌市〜深川市間の乗合タクシーも新設され、通学や大都市での夜間の滞在時間を確保するそうです。

 さらに広域な手段として、高規格道路である深川留萌道を経由する旭川〜留萌・羽幌間の速達バス「沿岸特急あさひかわ号」が実証運行として設定されます。1日1往復、留萌〜旭川間の所要時間は1時間25分です。

 JR北海道は今回の発表を通じ、「鉄道事業廃止後の新しい交通体系や沿線自治体のまちづくりに対して、当社の経営体力において可能な限りのご支援をさせて頂くことにより、沿線地域の持続可能な交通体系の構築に努めてまいります」としており、他地域に対しても同社の姿勢を示した形です。