宇都宮線・高崎線「川口駅停車」実現する? 駅周辺も「大化け」か 市が検討に本腰
「まちづくりビジョン」策定で話が大きく動き出しました。
市がJRにホーム増設計画案と事業費積算を委託
川口市がJR東日本に対して長年要望を続けていた「中距離電車の川口駅停車」が前進しそうです。このほど公表された川口市の2023年度予算案では「川口駅周辺まちづくり関連事業」が拡充され、新規事業「中距離電車ホーム増設等調査事業」に7157万円が計上されました。
実現すれば、京浜東北線しか停車していなかった川口駅に、宇都宮線や高崎線が停車し、大宮や横浜方面へ乗り換えなしにスピーディな移動ができるようになります。実現に向けてどう進んでいくのでしょうか。
上野東京ラインなど中距離電車で運用されるE233系(画像:写真AC)。
川口駅の乗車人員は、埼玉県では大宮駅、浦和駅に次ぐ3位。輸送障害発生時には駅前広場デッキまで利用者が溢れる状態になるなど、課題を抱えています。
駅周辺では、川口栄町3丁目銀座地区でタワーマンションが完成間近となっているほか、川口本町4丁目9番地区でも住居機能を主体とした再開発計画があります。コロナ禍で直近の鉄道利用者は減少しているものの、今後も駅周辺の人口増加が予測されています。
川口駅への中距離電車の停車をめぐっては、市や地元議員がJRに対して長年にわたって要望活動を続けてきました。市は2022年3月に「川口駅周辺まちづくりビジョン」を策定。この中の「交通」の項目で、駅前周辺の交通基盤再編や駅機能の強化などとともに「鉄道輸送力の増強」の取組例として「中距離電車停車のためのホーム増設」を明記しました。市が駅周辺の将来構想に中距離電車の停車を盛り込んだことにより、機運が一層高まり始めたのです。
満を持して2023年度予算案に掲げられた本事業では、JRに川口駅のホーム増設などの計画案や事業費概算を委託。費用の妥当性を検証していく方針です。あわせて「川口駅周辺まちづくり検討事業」に1107万円を充て、市でも中距離電車停車の効果を分析する予定です。
さらに、「川口駅周辺再開発検討事業」には1232万円を投じ、駅北側で低未利用地となっている旧国鉄敷地の栄町3-1地区など、栄町3丁目の複数の地区で再開発計画を立案する方針です。川口市によると「まず現況調査を行い、再開発に必要な課題を洗い出すことから着手していく」(再開発課)とのことです。