2月14日といえばバレンタインデー。チョコレートを1年で最も多く見かける日ですが、このチョコは、どこからどう運ばれているのでしょう。

積載物「チョコレート」を見るとちょっと得した気分?

 2月14日、日本のバレンタインデーといえば、なぜかチョコレートを贈るのが習慣となっています。1年で最も多くチョコレート菓子を見かける日ですが、その原料は、どこからどう運ばれているのでしょう。


食料品輸送ローリーの一例(画像:写真AC)。

 チョコレート菓子が製品化されるには、カカオ豆などを原料として作った、液体の状態のチョコレートをタンクローリーで運ぶ必要があります。

 Twitterなどでも目撃情報などがありますが、ごくたまに積載物のところに「チョコレート」と書かれたタンクローリーが走っていることがあります。タンクローリーには、ガソリンやエタノールなどの火災の危険性が高い危険物や毒劇物などを運ぶものだけでなく、牛乳のほか清涼飲料水、栄養ドリンク、ガムシロップの原料である液糖などを運ぶものもあり、それら車両は食品用ローリーや食料品輸送ローリーと呼ばれています。

 そのひとつがチョコレート輸送用のローリーです。ステンレス製のタンクを使用し、ヒーターや温水パイプを巡らせてチョコが固まらない温度に保たれて運ばれているのが特徴です。運送会社によって、積載容量やタンクの形状が変わりますが、チョコレート用の特注車両が多いようです。

 なお、欧米では、キリストの復活祭であるイースターでチョコレートを大量に消費します。イースターの時期にチョコレートを大量運搬するイギリスの物流大手アビーロジスティクスによると、チョコレートは冷たすぎると固まり、熱すぎると油分が分離してしまうため、温度管理がなによりも大事なのだそう。さらに、チョコレートを生産ラインに供給する際も品質を落としてはいけないことから、チョコ輸送のために熟練したドライバーを育成しているとのことです。

 ちなみに、2018年5月にポーランドでチョコレートを積んだタンクローリーが事故を起こし、路面にチョコが流出したときは、熱水や重機を用いてやっと除去したということで、同地の消防当局は「固まったチョコは雪よりもタチが悪い」とボヤいていたそうです。