環境アセスメントの手続きも進められます。

令和10年度代の全線開通に向け準備すすむ


広島市街を走るアストラムライン(画像:写真AC)。

 広島市は2023年度の予算案を発表。その中で、新交通システム「アストラムライン」の広域公園前〜西広島間の延伸構想について、事業化に必要な都市計画決定や環境アセスメント手続きなどに向け、高架橋などの概略設計や地下水影響調査などを行うとしています。

 アストラムラインは広島市の中心市街地にある本通駅から、安佐南区を反時計回りに大町地区、伴地区と経由し、広域公園前駅へ至る路線。現在、そこからさらに南へ延伸し、JRの西広島駅へ直結する計画が進行中です。

 延伸区間は延長7.1kmで、標高差は約100m。最大勾配59パーミル・延長1.7kmのトンネルで一気に高台を下り、己斐地区に達します。途中には、五月が丘1駅、五月が丘2駅、石内東駅、己斐上駅、己斐中駅の5駅が設置される計画です(いずれも仮称)。なお、用地取得をできるだけ少なくし、既存道路に幅を収めるため、延伸部は単線となる予定です。

 延伸事業は2段階で計画されており、まず丘陵上の石内東駅までを「令和一ケタ代後半」に先行開業予定。その先、山を駆け下りて西広島駅まで全線開通するのは令和10年代としています。事業費は概算で約570億円となる見込みです。

 ちなみに、西広島駅からさらに東進し、本通駅につなげて「環状線」とする計画もあります。こちらはひとまず西広島延伸の整備後に検討するという位置づけになっています。さらに先、広島駅方面まで延伸する第三期事業化計画もありましたが、こちらは正式に廃止となっています。