東急、東急不動産、GMOインターネットグループの3社と渋谷区が、新会社「シブヤスタートアップス株式会社」を設立します。世界から人材を集め、渋谷発でグローバル市場に挑戦する企業の育成・成長を支援するといいます。

「ビットバレー」とは

「シブヤをシリコンバレーのように」

 東急が2023年2月下旬、グループ会社である東急不動産のほか、地元の渋谷区およびGMOインターネットグループとともに、新会社「シブヤスタートアップス株式会社」を設立します。


渋谷の街(2023年2月、大藤碩哉撮影)。

 シブヤスタートアップスは、その名称の通りグローバル市場に挑戦しようというスタートアップを支援・育成する企業です。渋谷には、国内最大級のスタートアップコミュニティも集うものの、国際競争力という点では物足りないそう。そこで、2023年現在IT企業を中心に2000社を超えるスタートアップが存在する渋谷において、それらが成長しやすい土壌づくりを官民連携で行うというものです。

 では足りないものは何か――それは、世界を知る人材だといいます。文化などの発信地として世界中の人が集う地盤はある渋谷において、特に海外人材を呼び込みながら、今度は産業を発展させることが狙いだそう。

 会社設立にかかる資本金は1億7000万円。出資比率は、東急と東急不動産が24%ずつ、渋谷区が41%、GMOインターネットグループが12%です(いずれも概算)。東急の高橋俊之専務(「高」は正しくははしごだか)は、「我々は2019年からSHIBUYA QWS(渋谷キューズ・編注:会員制の産業交流施設)でイノベーションの創出をしてきましたが、官民が連携することで発展が加速し、『エンタテイメントシティSHIBUYA』の原動力となるでしょう」と話します。

 ちなみに渋谷のうち、とりわけIT企業が集積する地域は、「Bitter」(渋い)と「Valley」(谷)をかけて「ビットバレー(Bit Valley)」と呼ばれます。渋谷区の長谷部 健区長は「現政権が推し進める『スタートアップ育成5か年計画』の原動力となるのは、東京で一番スタートアップが集まる渋谷です。ビットバレーの素地がある渋谷で、民間の力を借りながら海外からも優秀な人材を誘致し、多国籍なコミュニティを構築していきたい。ご支援のほどよろしくお願いいたします」と挨拶しました。

 シブヤスタートアップスの拠点は、まず渋谷区神南エリアに置かれるそうです。