名鉄各務原線が全通した日 時代に翻弄された駅名 -1928.12.28
94年前の1928年12月28日、岐阜県を走る名鉄各務原線が全通を迎えました。
各務原鉄道が開業
名鉄岐阜駅の各務原線ホーム(画像:写真AC)。
今から94年前の1928(昭和3)年12月28日。名鉄各務原線が現在の名鉄岐阜駅まで延伸し、全通を迎えました。
各務原鉄道が建設、営業していた路線です。同地にはすでに1920(大正9)年に高山本線が開業していましたが、都市間輸送が主体であり途中駅がほとんどなかったため、各務原鉄道は沿線の地域輸送を担っていました。沿線には陸軍飛行場(現在の航空自衛隊岐阜基地)や補給部があり、軍の貨物輸送も行っていたそうです。
他の例に漏れず、戦時体制の中で軍施設の存在を秘匿するため、各務原線でも駅名改称が行われます。一聯隊前・飛行団前・航空廠前・二聯隊前の4駅はそれぞれ各務原運動場前・六軒・三柿野・名電各務原となりました。
長らく別々の場所で市内電車に接続していた名岐線(現:名古屋本線)と各務原線ですが、戦後の1948(昭和23)年に名岐線が現在の位置に移転し、ひとつの新岐阜駅となりました。とはいえ現在でも両者は高架ホームと地上ホームで離れており、構内通路でつながっています。
新鵜沼で犬山線と直通運転を開始したのは1964(昭和39)年になってから。新名古屋から岐阜までは約55分の所要時間でした。