来場した多くの人を魅了する自衛隊イベント。基本的には一般公開されますが、なかには隊員家族限定というのも。ファンにとっては激レアな限定行事、海上自衛隊の「アットホーム」について、体験者が語ります。

絶品! 護衛艦カレーは大盛りでも完食

 2022年はコロナ禍のイベント中止ラッシュから徐々に復活した年でもあり、自衛隊の記念行事も再開。国際観艦式やフリートウイークなどもあったことで、久しぶりにミリタリーイベントを満喫することができたのではないでしょうか。

 実は海上自衛隊には「アットホーム」という身内限定のイベントがあります(名称は一例)。ただ、こちらも密かにコロナ禍の煽りを喰らっていました。このイベントは家族が勤務している艦艇を限定公開したり体験航海で乗艦させたりするもので、来艦者数が少ないため、ゆったりと見学できるのが特徴です。艦内の張り紙も、少しくだけた内容だったりと、まさに「アットホーム」な雰囲気。


護衛艦の食堂で特製カレーに舌鼓を打つ海上自衛隊員(画像:海上自衛隊)。

 私も以前、夫であるやこさんの艦艇で開催されたアットホームに参加したのですが、妻として同僚の方にもご挨拶する手前、やはり筋金入りの「海自オタ」であることは伏せておきたい。そこでオタクの得意技である一般人への擬態でなじもうとしましたが、思わぬ伏兵が。娘のみーちゃんによる「あー!このミサイル、ママ知ってるよね!」という声が上甲板に響き渡ったのです。

「はい、ハープーン艦対艦ミサイルですね」(即答)

 ざわつく上甲板から逃げるように艦内に避難すると、隊員さんお手製のポップコーンが子供たちに配られます。どことなく漂う縁日の空気にほっこりしつつ、ふと立ち寄った操縦室では、なんと機械に触らせてくれるではありませんか。内心サンバのリズムで狂喜乱舞しつつも素人のふりをした私に対し、今度は「あの…、海自オタ(私の著書)読んでます…」と隊員さんから控えめなカミングアウトが。完全なる“オタク包囲網”に一般人への擬態は諦めることにしました。

 見学のあとはカレー喫食。子供には甘口が用意されているなど、とことん家族への配慮がされており、ありがたい限りです。緊張していたみーちゃんもカレーの誘惑には逆らえず、大盛りを完食。やこさんいわく、若い海士くんたちはアルミプレートから溢れんばかりにカレーを盛り、たまに先輩から加減しろと叱られているとか。食べ盛りはどこも同じですね。

 そんな「アットホーム」、普段家族がどのような仕事をしているのかを身近に知ることで理解を深められる、とてもためになるイベントなのです。

 来年は、さらに行動制限が緩和され、自衛隊の各種イベントがコロナ禍前のレベルまで完全復活することを願っています。