圏央道「藤沢〜横浜」事業費約1.4兆円へ 施工方法の変更で増額見込み 開通めどは?
シールドマシンはこれから“Uターン”します!
圏央道「藤沢〜横浜」各区間で異常ナシ
国土交通省関東地方整備局 横浜国道事務所およびNEXCO東日本関東支社らは2022年12月19日(月)、15日に開催した「第4回 神奈川県圏央道連絡調整会議」の結果を公表。圏央道の未開通となっている神奈川県藤沢市内から横浜市内にかけての区間について工事の進捗などを確認しました。
栄JCT・IC周辺。高架構造物の建造が進んでいる(乗りものニュース編集部撮影)。
同区間は藤沢IC〜栄JCT間の「横浜湘南道路」と、戸塚IC〜栄JCT〜釜利谷JCT間の「横浜環状南線」に分かれ、それぞれ地下トンネル主体で建設されます。
横浜湘南道路は本線シールドトンネル5.4km(上下線で10.8km)のうち約2.8km、横浜環状南線の桂台地区シールドトンネルは1.4km(上下線で2.8km)のうち約1.4kmの掘進がそれぞれ完了。現在はシールドマシンの向きをUターンさせる準備を進めているといいます。横浜環状南線線の公田笠間地区シールドトンネルは1.7km(上下線で3.4km)のうち約0.6kmが完了しているとのこと。いずれにおいても、地表面などでの異常は発生していないということです。
また、JCTやICのランプを構築する栄地区では、橋梁下部124基のうち109基、上部工30橋のうち7橋が施工済み。現地では、わずかな平野部に高架構造物が次々と姿を現しています。
ただ、トンネル工区では地中で確認された可燃性ガスへの配慮や、生活環境への影響を低減する施工方法の変更などが必要となったことから、横浜湘南道路の事業費は4600億円から5700億円、横浜環状南線の事業費は5820億円から7920億円に増える見込みだそう。2020年の連絡調整会議で1兆円を超える見込みが示された総事業費は、今回さらに増え、1兆3620億円となる見込みです。
また、今年8月の連絡調整会議にて、2025年度とされていた開通見込みは再び白紙となりましたが、「新たな開通目標については、トンネル掘進の状況等を踏まえ改めて公表する」とされています。
会議に参加した神奈川県、横浜市からは、一日も早い開通のため引き続き工事に協力していくことのほか、コスト縮減のあり方、開通目標を早期に示す必要性について意見があったということです。
※誤字を修正しました(12月21日11時41分)。