株式会社ベネッセコーポレーションが提供する、小学生の学習・生活を支援する通信教育講座「進研ゼミ小学講座」は、2022年の出来事や将来に関する小学生の意識調査を実施。
小学3〜6年生の会員を対象に2022年11月11日〜24日に実施し、13,816人(女子9,238人・男子3,691人・性別無回答887人)から回答を得た。

■「憧れの人」ランキング
2020年の調査開始以来、アニメの登場人物やアイドルが上位に多く入っていたが、今年の上位には「友達」「お母さん」「好きな人」と身近な人がランクイン。
憧れの理由として、1位の「友達」は勉強やスポーツが得意なところ、2位の「お母さん」は優しさや毎日がんばっている様子に憧れる声が多く見られた。
また、2020年には5位、2021年には9位だった「お父さん」が3年間で初めてトップ10圏外となった。
同社は、コロナ禍の始まった2020年と比べて、在宅勤務の頻度や家族揃っての在宅時間が減ったことが影響しているのでは、と分析。
アニメの登場人物の中では「SPY×FAMILY」のキャラクターから2人がTOP10に入り、3位の「アーニャ」は人の心が読めるところやかわいさが憧れの理由として多く挙げられたという。


■流行語ランキング
1位は「それってあなたの感想ですよね?」で、ひろゆきの真似をしながら言い合うのが小学生のブームとなっているそう。
使用するシーンとしては「友達が言い訳をしてきた時」「好きな動画チャンネルでアンチコメントを見た時」「先生や友達に『テストの点数が悪いな』と言われた時」などが挙がった。
2位には共感を示す相槌「それな」がランクイン。「すとぷり」のメンバーなど、小学生が好きな人達も頻繁に使用していることに影響を受けている可能性もあるという。
また、中高生や大学生に平成レトロが流行るなか、小学生にも「ギャルピース」が流行語として3位に入った。
SNSから生まれたと言われる「草」「ぴえん」の流行も続いており、「草越えて森越えてユニコーン」「ぴえん越えてぱおん」といった形でより強く感情を表現する言い回しも使われている。


■なりたい職業ランキング
調査を開始した2020年から3年連続で「ユーチューバー」が1位に。
また、上位には動画、漫画やアニメ、芸能などのエンタメ関連の仕事が入っており、自宅で過ごす時間が長い中で、エンタメは子どもにとって身近で、将来挑戦してみたい仕事として意識されたと考えられる。
トップ10のうち、クリエイティブ系の職業が上位6つを占めているのが特徴。
動画配信サイトやSNSなどを通して、クリエイターの表現にふれる機会が広がっている。特に表現手段が多様な「すとぷり」や「YOASOBI」、アニメ主題歌も多い「Ado」は小学生の人気が非常に高く、好きなアーティストとして支持する声が多かった。

2020年から3年連続で1位の「ユーチューバー」に次いで、2位の「漫画家・イラストレーター・アニメーター」は、2021年から「芸能人」を上回り引き続きその傾向が続いている。
小学生が好きな漫画・アニメとしてあげることの多い「SPY×FAMILY」「ONE PIECE」「僕のヒーローアカデミア」など、作品のバラエティが広がっており、漫画やアニメがより小学生に身近な存在になっていることがうかがえる。
特徴的な変化は、男子のランキングで「野球選手」が「サッカー選手」の人気を、僅差ながらも3年間で初めて上回ったこと。メジャーリーグの大谷翔平選手や、日本で史上最年少の三冠王に輝いた村上宗隆選手の活躍を見て、憧れを覚える小学生が増えている可能性も。


■「〇〇しか勝たん!」ランキング
2022年に小学生が夢中になったものも調査。
最も多く聞かれたのが「推ししか勝たん!」という回答(702票)で、「推し活」がブームとなっている様子がうかがえる。
特にゲームが人気で、1位の「スプラトゥ―ン」の他「ゲームしか勝たん!」という回答も516票を集め、生活に欠かせない楽しみとなっているよう。
動画サイトでゲーム実況をする「カラフルピーチ」も8位にランクインした。


■印象的だったニュースランキング
小学生の好きな芸能人のことだけでなく、時事ニュースが多く上位に入った。
「円安についてお母さんがぶつぶつ言ってました」など、家族との会話からニュースを知る様子や「自分と同世代の子ども達が戦争で苦しんでいるのを見て平和の大切さを知った」など、社会情勢を子ども達なりに切実にとらえている様子がうかがえる。


■わくわくしたことランキング
学校行事以外でも、誕生日や旅行などの家族や友達と過ごすイベントも挙げられており、コロナ禍を経て身近な人との交流や外出機会の復活が垣間見える結果に。