滝沢秀明氏と嵐・松本潤

写真拡大

 13歳でジャニーズ事務所に入所し、2002年からは『タッキー&翼』として活躍。芸能界を引退した2018年以後はジャニーズ事務所副社長として、またジャニー喜多川さんの意思を継いでジャニーズJr.の育成に尽力した滝沢秀明氏。

【写真】伝説のアイドル妻・瀬戸朝香と相合い傘で歩く井ノ原快彦

 そんな“新生ジャニーズ”の象徴でもあった彼が10月31日、27年にわたって在籍したジャニーズを突然の退社。Jr.の育成や発掘、プロモート事業を行う子会社『ジャニーズアイランド』社長の座から降りたことも発表された。

 ジャニーズ担当のスポーツ紙記者は「ついに、この日が来たということ」と、滝沢氏が抱えていたという葛藤を慮る。

「本来、タキツバ活動休止時点で退社意思を固めていたというタッキー。ですが、恩師であるジャニーさんに“後継者”指名されたことで留まることを決めた経緯があり、彼にしてみれば責任を果たした、恩返しを済ませたという思いなのでしょう」

 滝沢氏の副社長就任後、『Snow Man』と『SixTONES』をはじめ、『なにわ男子』そして『Travis Japan』とおよそ3年間で4組とハイペースでデビュー組を輩出。それも当初より退社を決めていたからこそ、ということか。

 そんなジャニーさんが生み出し、滝沢氏によってプロデュースされた若手グループの活躍もあって軌道に乗る『ジャニーズアイランド』。その後任として抜擢されたのが、『V6』元メンバーで、『20th Century』としての活動も続ける井ノ原快彦。これも大きなサプライズ人事だった。

「なにせ本人も寝耳に水だった(笑)」とは、前出のスポーツ紙記者。今後は自身の芸能活動を継続させつつ、Jr.育成も担うというイノッチだが、なぜ彼に白羽の矢が立ったのか。

『TOKIO』国分太一と共に、『ジャニーズカウントダウンコンサート』司会を3年間務めた経験があり、ドラマや映画、その他の番組でも若手と共演する機会も多いイノッチ。また自身も2児の父親だけに、若手の気持ちへの理解も深いのだろう。Jr.からは面倒見のいい“アニキ”として慕われているようだ。

井ノ原の役割は“営業部長”か

「それにイノッチは処世術に長けていて、若い頃から『少年隊』ら先輩や、それこそジャニーさんにも可愛がられていましたね。それにV6時代から現社長のジュリー(藤島)氏からの信頼も厚い。

 また芸能界においても、他事務所の俳優さんとの繋がりも深く、局のプロデューサーやスタッフ、さらにはお偉いさんからも好かれる天性のキャラ。そのため、今回は“営業部長”の就任と見る向きもありますよ」(同・記者)

 なるほど、ジャニーズが期待しているのはイノッチが培った各方面での幅広い人脈と、若手を売り込む営業力ということか。発足当初より、メリー喜多川さんが営業担当し、ジャニーさんがプロデュース業を担ってきたジャニーズ事務所。

 では、『ジャニーズアイランド』の営業担当がイノッチだとして、今後のプロデュース業は誰が担当するのか。

「現在のジャニーズにはアイドル業と並行して、若手グループやJr.のステージ演出やプロデュースを手掛けるタレントも増えているんです。もとより、デビュー組のコンサート演出をメンバー自身が担当するのもジャニーズの伝統でもありますから」

 とはジャニーズ事情に詳しい芸能ライター。イノッチ社長誕生と同時に明らかにされたのは、来年1月よりスタートする『ジャニーズ・ワールド ネクストステージ』演出を東山紀之、『KinKi Kids』堂本光一がサポートすること。しばらくは彼らをはじめとする現役タレントによる演出・プロデュースが行われる見込みだ。

2023年大河主演は“松潤の集大成”

 そして水面下で動いているという次世代の“後継者”探しだが、ジュリー社長が全幅の信頼を寄せている、実績十分な“本命”がいるのだとも。

松本潤ですね。『嵐』はジュリーさんが手がけた最大の傑作であり、中でも松潤とは特に馬が合うみたいですね。長年にわたって嵐コンサート演出を任され、昨年末には総勢13組が出演した『ジャニフェス(Johnny’s Festival)』の総合演出も担当。

 主にコンサート演出を得意としていますが、エンターテイメントにトレンドを取り入れたセンスを持つ松潤だけに、舞台においてもジャニーさんとは違った演出が期待できますね。楽しみですよ」(前出・芸能ライター、以下同)

 テレビ番組やCM等ではメンバー同士の共演が増えているものの、依然として再始動の気配がない嵐。片や松潤はというと、2023年放送のNHK大河ドラマ『どうする家康』撮影に追われる多忙な日々を送っている。

「クランクイン後の取材会では、制作統括の磯智明プロデューサーが“松潤のお芝居の集大成”とも表現しましたが、本人もまた大河ドラマ放送中には40歳を迎えることで、2023年で“一区切り”と捉えているかもしれません。

 ジャニーズJr.黄金期を共に牽引したタッキーが引退発表した2018年には、“そんな日が来るとは思ってなかった”と絶句したという松潤。もちろん、プレイイングマネージャーの選択肢が有力でしょうが、彼もまた“そんな日”を描いている、というのは考えすぎでしょうか」

 2025年にはジャニーズの“聖地”帝国劇場も、老朽化による建て替えのために一時休館となる。その頃にはステージ上のJr.を見守る松潤の姿があるかもしれない。