高速道路のパトロールカーといえば黄色ですが、なかには白と紺の塗装で、赤色灯をつけたものも。誰が乗っているのでしょうか。

NEXCOが管理する「黄色いパトロールカー」と「白紺のパトロールカー」

 高速道路を巡回するパトロールカーといえば、黄色い車両で知られますが、なかには、パトカーのように上部が白、下部が紺で塗り分けられたものもあります。それぞれ、どう違うのでしょうか。


白と紺のパトロールカー。NEXCO西日本管内(画像:pixta)。

 高速道路のパトロールカーに乗っているのは、道路を管理するNEXCOの交通管理隊です。高速道路を巡回し、道路・交通・気象状況などの情報を集め、異常事態発生時には法令違反者に対する指導や通報・警告のほか、落下物の回収、交通事故現場での交通規制など幅広い仕事をしています。NEXCO東日本の交通管理隊が1年間に走る総距離は、なんと1900万kmにもなるとか。

 パトロールカーのなかには、様々なトラブルに対応すべく、消化器や発煙筒、ホウキ、警告旗、パイロン、拡声装置などの様々な備品、さらに一部の車両にはトンネル火災も対応できるように酸素呼吸器まで積まれているそうです。

 では、白と紺のパトロールカーは何なのでしょうか。見た目が警察のパトカーに似ていますが、こちらも乗っているのはNEXCOの交通管理隊です。

「最初は黄色いパトロールカーしかなかったのですが、高速道路をより安全にするため、警察車両に似せた白と紺のパトロールカーもできたのです」。あるNEXCOのOBはこう話します。たしかに高速道路で警察車両に似た車両を見かけたら、速度を落とそうとするかもしれません。

 白のパトロールカーも黄色いパトロールカーと役割は基本的に同じで、乗っている管理隊などが、スピードが出過ぎているクルマを取り締まるようなことはできません。しかし、警察に出動要請ができるので、警察と区別しようとするのは、あまり意味がないとも言えます。いずれにせよ安全運転で行きましょう。

NEXCOにも取締り専門チームがある!?


NEXCO東日本の黄色いパトロールカー(画像:NEXCO東日本)。

 NEXCOには取り締まられないかといったら、そんなことはありません。なかには、取締りを専門とするチームもあります。

 それは、道路法の「車両制限令」違反を取り締まる、その名も「車限隊」と呼ばれるチームです。車両制限令はかんたんにいうと、道路が壊れるのを防ぐため、走る車両の重さを普通の自動車道で総重量20トン、高速道路で25トンに制限する法令。違反車両の取り締まりはもちろん警察も行っていて合同での取り締まりもありますが、NEXCOは独自の取り締まりも行っています。

 その主な活動の場は、高速道路の料金所です。車限隊は、基準の重さを超えていそうな車両はだいたい目視でわかるそう。怪しい車両があれば仲間へ無線で連絡し、重量を測る装置へ車両を誘導して重量を計測するなどの調査を行います。法令違反が判明した場合、道路法に基づく「措置命令書」を交付し、高速道路から退出させるケースもあります。