アンケートで見えてきた「地元愛の熱いエリア」が明らかに。

昨年1位の東銀座駅は5位に


江ノ電沿線が「住み続けたい街」で人気に(乗りものニュース編集部撮影)。

 リクルートが2022年10月4日(火)、「2022年住み続けたい街(自治体/駅)ランキング」を発表しました。

 春に発表されている「住みたい街ランキング」とは違い、「住民が自分の暮らす街を評価した実感型の指標」であるのが特徴。調査対象は首都圏在住の20歳以上の男女約34万人。インターネットによるアンケート調査で、自分の住んでいる街に対する交通や商業施設など「住んでいる街の魅力」40項目と、街との関係性や交流といった「住んでいる街との関わり」20項目を評価し、集計されます。

 昨年に上位を占めていた、江ノ電、みなみとみらい線沿線、新宿周辺が以前高い人気を誇っています。その中で昨年1位だった東銀座駅は5位に下がり、昨年最高5位だったみなとみらい線は、2位・3位・6位を占める大躍進となっています。

●住み続けたい街(駅)ランキング2022
・1位:湘南海岸公園、江ノ島電鉄線
・2位:馬車道、みなとみらい線
・3位:日本大通り、みなとみらい線
・4位:鵠沼、江ノ島電鉄線
・5位:東銀座、東京メトロ日比谷線
・6位:みなとみらい、みなとみらい線
・7位:石上、江ノ島電鉄線
・8位:牛込神楽坂、都営大江戸線
・9位:半蔵門、東京メトロ半蔵門線
・10位:代々木八幡、小田急小田原線

 ランキング上位エリアの特徴は「顔見知りが作りやすい」ことや、「住民愛が醸成されやすい」ことが挙げられています。江ノ電の片瀬・鵠沼エリアは元・漁師町の風土が残り、地元で助け合いこどもを地域で育てる取り組みが多く、コンビニや大型商業施設は周囲に少ないものの個人商店が多く、質が高く子供も連れていきやすい雰囲気があるといいます。東銀座駅周辺も同様で、顔見知りが作りやすいことは街の安心を生み出し、それが魅力となっているといいます。

 そこに、みなとみらい周辺は歴史景観と商業施設の集積、オフィス街の近接という要素があり、新宿周辺では大規模公園が近いという要素が加わります。

 一人暮らしにとって住みやすい「家賃8万円以下」である、都内23区内の駅から抽出した「手ごろで満足度が高い住み続けたい街(駅)ランキング2022 東京23区版」は以下のとおり。

●住み続けたい街(駅)ランキング2022
・1位:南阿佐ヶ谷、東京メトロ丸ノ内線
・2位:山下、東急世田谷線
・3位:上町、東急世田谷線
・4位:東松原、京王井の頭線
・5位:宮の坂、東急世田谷線
・6位:阿佐ヶ谷、中央線
・7位:西荻窪、中央線
・8位:松陰神社前、東急世田谷線
・9位:松原、東急世田谷線
・10位:浜田山、京王井の頭線

 東急世田谷線沿線が圧倒的人気を誇り、周辺の井の頭線など世田谷区内、中央線沿線の杉並区周辺によりトップ10が占められています。

 東急世田谷線沿いの人気は「ローカルタウン」という雰囲気と、徒歩で回れる街のスケール感、若い人たちによる新しい個人商店が次々と誕生していることなどがあるといいます。『SUUMO』編集長の池本洋一氏はいわゆる「一人暮らしのたまり場」が多いのが魅力と話します。「顔見知り」が作りやすいという店では、大都会から一歩引いた場所という地理的要因も大きいとしています。さらに、都心と比べて家賃も安いという「ほどほど感」が魅力といえるでしょう。

 1位となった南阿佐ヶ谷も同様ですが、こちらは加えて「中央線カルチャー」が街に漂っており、映画館やライブハウスも立地する特徴があるといいます。もちろん中央線や丸ノ内線で都心へ直行できるアクセス利便性もあり、都心に近いながら閑静な街並み。とにかく「コスパ」が高いという魅力がある街として、人気が高まっているようです。