岩手県にある花巻空港は当初、別の場所にターミナルビルがありました。多くの空港で旧ターミナルは解体されるなか、花巻空港は旧ビルを違った方法で活用しています。現在、どのようになっているのでしょうか。

2009年から現ターミナルで運用開始

 岩手県にある花巻空港は当初、別の場所にターミナルビルがありましたが、2009年に現在のターミナルビルを新設し、運用を開始しました。しかしこの空港では、現在も「旧ターミナル」が、とある方法で活用されています。


現在の花巻空港(乗りものニュース編集部撮影)。

 花巻空港の旧ターミナルは、空港の南東側にある現ターミナルから、滑走路を挟んだ西側に位置していました。しかし旅客機の大型化、国際線の就航をはじめとする運航規模の拡大に対応すべく、ターミナルの移転が実施されました。

 たとえば羽田空港や千歳空港など、違う場所に新ターミナルが移設されたあとの旧ターミナルは、それなりに築年数が経過していることから、その役目を終え、解体されることが一般的です。しかし、花巻空港旧ターミナルは現在も活躍中です。

 2022年現在、旧ターミナルは花巻市の文化交流館として活用されており、市の観光協会・森林組合などが館内に入居しています。館内は一部エリアこそリニューアルされているものの、たとえばかつて到着機の旅客が預けていた荷物を返却する「バゲージクレーム」だったエリアと一般エリアがガラス越しで仕切られたまま、別のコーナーになっているなど、レイアウトや内装をはじめ多くの部分で“そのまま”感が残っています。

 この文化交流館は一般開放されており、現空港を別の角度から見ながら旅客機の発着を見たり撮影したりできるスポットとしても機能しているそうです。