23年前の10月4日、新潟県のローカル私鉄、蒲原鉄道が廃止になりました。

城下町村松のアクセス路線として開業


終着駅・村松駅に停車する蒲原鉄道の電車(画像:写真AC)。

 今から23年前の1999(平成11)年10月4日。新潟県のローカル私鉄、蒲原鉄道の鉄道路線が全線廃止になりました。

 蒲原鉄道は1930(昭和5)年に全通。信越本線の加茂駅と磐越西線の五泉駅をむすび、城下町・村松を経由して内陸部を走る21.9kmの路線でした。末期は五泉〜村松の2駅間4.2kmのみとなり、全線通しで所要時間8分のミニ私鉄として知られていました。

 村松から加茂まではほとんどが山間部で利用客も少なく、三条・長岡への近道としてもあまり活用されないうちに並行道路の整備が進み、1985(昭和60)年に廃止。終点の加茂駅は、国鉄をわざわざオーバークロスして西側にのりばを持つ構造でしたが、これは将来的に燕方面へ到達する構想があったからと言われています。

 最後まで戦前のいかめしい姿の電車が走り続けた鉄道路線のひとつです。おりしもJR鶴見線で生き残っていた戦前生まれのクモハ12が1996年に引退しており、レトロ電車をもとめて、蒲原鉄道にはファンの熱い視線が向けられていました。

 鉄道事業から撤退した蒲原鉄道は現在、村松〜新潟で高速バスを運行するほか、五泉市コミュニティバスや観光バス事業にも携わっています。