静岡を拠点とするFDAが、直線距離にして120kmとなる山形→新潟をジェット旅客機で結ぶという珍しいチャーター便を運航しました。実際に乗ってみたところ、やはりその“短さ”は特筆モノでした。

名古屋発着の旅行企画の一環で運航

 2022年9月24日、静岡を拠点とする航空会社FDA(フジドリームエアラインズ)が、とても珍しい旅客便を運航しました。山形空港から新潟空港までの短い距離をチャーター便として運航するというものです。実際にこの便に搭乗しました。


山形空港から新潟空港に到着したFDA便(乗りものニュース編集部撮影)。

 山形空港から新潟空港までの直線距離は約120km。東京駅からだと、およそ栃木の日光までの距離に相当します。ちなみに山形空港で地図アプリ上で「自家用車で新潟空港へ行く」設定にすると、2時間52分かかるとのことです。もちろん、この路線に航空定期便はありません。

 この便は9月23日から2泊3日で実施されたユニークな旅行企画の一環で運航されました。FDAの臨時便とチャーター便を組み合わせて、名古屋小牧空港を出発し、岩手・花巻→山形→新潟を経て、25日に名古屋へ帰るといった内容です。

 機体が動き出したのは、24日の18時29分。その直後「予定飛行時間は30分」とのアナウンスが入ります。通常直線距離100km台の航空路線であれば、プロペラ機による運航が多数ですが、FDAでは、使用する旅客機をエンブラエルのジェット機「E170・E175」に統一していることから、この約120kmをジェット機で結びます。

短すぎるフライトを時系列で追う! 機内も独特

 山形発新潟行きのFDA便が、山形空港を離陸したのは18時37分。5分後の18時42分にベルトサインが消灯します。

 機内では機内でお菓子(チョコレート)とお茶が配られます。通常ドリンクサービスはCA(客室乗務員)がカートを用いて行いますが、今回は通常便よりも人数が抑えられたチャーター便ということもあって、CAがお盆からお菓子・お茶を各乗客へ配ります。

 お菓子・お茶を配り終えた直後でした。18時47分に「もう少しで当機は着陸態勢に入ります。化粧室は早めにご利用いただきますよう、お願いいたします」というアナウンスが流れました。


山形空港の電光掲示板(乗りものニュース編集部撮影)。

 ベルトサインが再点灯したのはその1分後の18時48分。サインが消えていたのはわずか6分でした。使い終わったドリンクの容器などを回収する時間もないうちに、CAがベルトサイン点灯にともなう保安業務にあたる様子が、この便の“短さ”を物語っています。

 このチャーター便が新潟空港へ着陸したのが18時58分。その3分後の19時01分に機体が完全に停止しました。この便がフライトしていた時間は、逆算するとわずか21分ということになります。

 ちなみに、山形→新潟の前に運航された花巻→山形のチャーター便も、直線距離約130kmと、路線距離の短さでは負けていません。花巻→山形のフライト時間は約27分で、ベルトサインが消えていた時間は10分でした。

【映像】短ッ! FDA「山形→新潟」ベルトサイン消灯シーンの全貌をノーカットで!(早送りあり、約4分42秒)