●自作うちわやボードを持参したファンも

フジテレビ系バラエティ番組『新しいカギ』(毎週土曜20:00〜)初の番組イベント『新しいカギFES! はこね男子デビューイベント』が7日、東京・台場の同局本社で行われ、500人の観客とともに大いに盛り上がった。

『新しいカギFES! はこね男子デビューイベント』より (C)フジテレビ

○■おさゆき、「前を見る方法」を丁寧に解説

チョコレートプラネット(長田庄平・松尾駿)、霜降り明星(せいや・粗品)、ハナコ(菊田竜大・秋山寛貴・岡部大)がメインキャストを務める同番組。このイベントでは、強羅駿(松尾)、小涌谷大(岡部)、仙石原せいや(せいや)の3人による番組発の新人アイドルグループ・はこね男子がついにデビュー曲を披露することになり、番組の人気キャラクターたちも集結してライブやゲーム企画を展開した。

会場には、はこね男子の顔写真がプリントされたうちわが配布され、それを振りながら今か今かと開演を待ちわびるファンたち。中には、自作のうちわやボードを持参した人の姿もあり、コントキャラクターへの思いの強さが伝わってくる。

それもそのはず、今回のイベントには500人の客席に約18,000人の応募が寄せられ、特に熱いメッセージを寄せてくれたファンが集結。はこね男子は、平均年齢33.7歳というデビューにしては超遅咲きのアイドルだが、ファン層は若く、子どもの来場者も目立った。

本編の前には、長田扮する「ひろゆき」ならぬ「おさゆき」がイベントの注意事項を伝達するVTRを上映。『新しいカギFES!』を楽しむため、「前を見る方法」を「鼻が付いてる方向で確認してやってみるといいんじゃないかなあと思います」と丁寧に解説してくれた。

○■坊主頭の男の子に「模範囚やな」

そして、モニターにカウントダウンが映し出されると、それに合わせて手拍子が起こり、いよいよイベントがスタート。トップバッターは、子ども向け番組とは思えない歌を披露する「唄のアニキと姐さん」(長田&ヒコロヒー)で、「♪ツレ人情」のデュエットでムードたっぷりに開幕した。

曲間のトークでは、刑務所の慰問公演と思い込むアニキ(長田)が「今日はどこから来たん?」と客振り。「福岡」との答えに、「福岡のムショか。あんた、(犯罪)何やったんや…」と嘆き、姐さん(ヒコロヒー)も「22犯は行ってる」と確信。また、アニキが「後ろの奴も丸刈りにして…」と目を向けた先には、坊主頭のかわいい男の子がおり、姐さんは「模範囚やな」と感心する。その後も子どもたちを置いてけぼりにして、「♪抑えきれないマイ・ハート」「♪ガンポンポン」と計3曲を熱唱した。







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続いて登場したのは、秋山。その場所は観覧席だったが、周囲の観客はその存在に全く気づかなかったようで、驚きの声を上げる。そして菊田が登場し、「それでは、おっお呼びしましょう」と噛み気味に呼び込むと、リアリティーショー『バチェラー・ジャパン』に登場しそうなバチェ田バチェ男(松尾)が、スタジオ上部の階段に姿を見せた。その距離でも、トレードマークである白く輝く歯が確認できる。

今回は、バチェ男がライブを披露するということで、ステージに上がって至近距離でライブを鑑賞したい観客を募集。秋山が探し回ると、「あっきー! あっきー!」の声があちこちから飛び交い、兵庫県からやって来た14歳の女の子が選ばれた。歌唱するバチェ男は緊張しているようで、シャンパングラスを縁から丸飲みするような独特のスタイルで水を飲み干し、JITTERIN’JINNの「♪夏休み」ならぬ「♪バチェ祭り」を「空に消えてった 打ち上げ歯並び〜」と熱唱。その後、TUBEの「♪あー夏休み」ならぬ「♪歯ー夏休み」は観覧席も回ってパフォーマンスし、歌い終えると息が切れるほど体力を消耗していた。





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●力見力、勢い余って舞台から落下





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次に姿を見せたのは、10人分の仕事を1人の力でこなしてしまう力見力(長田)を雇う粗悪社長(粗品)。「せーの!」の掛け声で観客が「力見〜」と呼ぶと、「ギイイー!!」と力みすぎた力見が登場したが、そのまままっすぐ進んで舞台から落下。「すいません、段差気付きませんでした」「骨がギイイ―ってなりました」と、いきなり腰に想定以上のダメージを食らったようだが、そんな健気な姿に、観客からは「かわいいー」の声も聴こえた。

粗悪社長からマージン90%を引かれて1,000円のギャラに喜んだ力見は、舞台を見て「狭いんで広げてイイですか?」と、巨大スピーカーを折り畳んでコンパクトにするという名目の破壊行為を敢行。その破片でなぜか観客の頭をはたきだし、さすがの粗悪社長も「なんてことすんねん!」と咎(とが)めた。

そして、同じような風貌をした6人の力見力軍団が登場し、彼らを従えて「♪Choo Choo TRAIN」ならぬ「♪ギーギートレイン」を、おなじみの手をぐるぐる回す振り付けとともに披露。普段のしゃべりは力みすぎてしまう力見だが、肩の力が抜けた安定感抜群の美声を響かせ、粗悪社長も「めちゃくちゃ歌うまいがな」と新たな発見だったようだ。





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「志村けんの大爆笑展でも行くか〜」と粗悪社長と力見力が去った後に登場したのは、ポジティブなアンミカならぬ、ネガティブすぎる陰ミカ(丸山礼)。「ホンマ私みたいなもんが生まれてきてすいません」と自らを下げるだけでなく、当日販売されていた番組グッズを「みんなが汗水垂らして稼いだお金をこんなグッズに使う〜?」「詐欺やんこんなん」「生地ペラッペラやで」とネガティブ紹介しまくったが、この斬新な商法が奏功したのか、終演後の物販ブースは大盛況となっていた。

陰ミカは絶好調で、アシスタント役の菊田がバチェ男のコーナーで噛んだのをイジり、「ちょっとしかセリフないのに、そんなん人生ドブに捨てたようなもんや」とバッサリ。さらに、秋山の「天狗ですみません」のキャラクターがデザインされたミニチャームに「いつの何のキャラやねん」と、毒舌が止まらなかった。





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○■胸毛&ヘソ毛を見せていくスタイルのアイドル

そして、いよいよデビュー曲を披露するはこね男子が登場したが、そこに「俺たちの島で何やってんだー!?」と現れたのは、特服(長田)率いるヤンキー軍団。いきなり仙石原(せいや)を囲んで攻撃をすると、そこに強羅と小涌谷も加勢してボコボコにするという謎構図が発生したり、ヤンキー軍団の菊田が新キャラクター(カシスオレンジ)で登場するという番組のファン感謝イベントにあるまじき行為を見せるなど、波乱の展開を予感させる。





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「ここは俺らが乗っ取る」という特服に対し、仲裁に入る健全な高校生の秋山、ヒコロヒー、丸山(※メイクは陰ミカのまま)が提案したのは、恒例の「マジガマン」対決。まずは、熱湯が入ったコップを腹に乗せる数で競う「熱々!コップガマン」に小涌谷(岡部)が挑むが、上半身裸になるとアイドルらしからぬ胸毛とヘソ毛がお目見えし、デビューイベントにやってきたはずのファンから「やだあ」の声が飛ぶ。

対する粗品は、「最近1個だけ我慢できんかったことがあって。見に覚えのない4,630万円使ってもうたんや」と、自らの毛量を生かし、田口翔被告の保釈のミラクルを再現。そんな2人の対決が始まると、会場の子どもたちの「がんばれー!」の声援があちこちから飛び、大人たちも腹の上で揺らぐコップをハラハラしながら見守った。

次の対決は、仙石原とカシスオレンジで「熱々!冷え冷え!コップガマン」。「本編にも出てこないキャラに誰が負けるか!」と気合いが入る仙石原に対し、カシスオレンジが裸になると、乳首周りにもっさりと毛をたくわえていることが発覚。会場からこの日一番の悲鳴が上がり、ヒコロヒーは「お客さんもマジガマンです」と同情する。

最後の対決はコップがLサイズになり、特服と強羅のチョコプラ対決。力見力で舞台から落下した際の腰のダメージを引きずる特服は、乳首にコップを置かれて敏感になると、ヒコロヒーから「お子さんもいるんで」と注意。一方の強羅は、「絶対変な臓器入ってる」「肺が1個多い」と言われるほど不自然に腹が膨れ上がり、はこね男子チームはコップを置く場所に四苦八苦した。







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●口パク疑惑も「トレーニングしてますんで」





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「マジガマン」対決を制したはこね男子は、ついにデビュー曲を披露。「うっせぇわ」などのヒット曲を手掛けたsyudouの作詞・作曲、SMAPやDREAMS COME TRUEなどを担当したGenta Aokiの振り付けによる「♪はこねDANCING TRIBE」は、途中「さあおいでよ、僕たちのはこねへ」「僕たちとのぼせてみないか?」「君も一緒に“いい湯だな”」といったセリフパートもあり、3人がゴンドラに乗って観客席を周回する姿は、まさにアイドルだ。

会場は最高潮の盛り上がりを見せ、パフォーマンスを終えた強羅は「次は武道館でやります!」と宣言。しかし、舞台袖で見ていた他の出演者から“口パク疑惑”が持ち上がり、長田が「あんな口開けなくても声出るもん?」と切り込むと、強羅は「それはちゃんとトレーニングしてますんで」と、プロ意識の結果であることを強調した。

最後は会場の全員が、かけ湯のしぐさで、はこね男子の決めポーズ「いい湯だな」。みんなが一体となって、1時間半を超えるイベントを締めくくった。





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○■観覧客も一体となって番組が作られる

全国各地からやってきた観客が、笑い、驚き、ドキドキし、声援を送り、時には悲鳴も上げるこの「公開収録」スタイルは、演者のテンションもより上がり、番組作りの重要な要素になることを改めて実感した。コロナ禍でスタートした番組のため、なかなか観覧客を入れての収録ができなかった『新しいカギ』だが、こうして直接ファンの顔やリアクションを見ることで、演者もスタッフも手応えを感じたようだった。

今回は無料イベントだったが、熱量を持った濃いファンを抱える番組は、『有吉の壁』(日本テレビ)のようにチケット販売のイベントなど、テレビを飛び出したさらなる展開につながる可能性もあるだろう。

今回のライブの模様は、後日放送される予定となっている。

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